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山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

How to make Animation with 9VAe Shishi - Lion Dance 9VAeで獅子舞アニメの作り方

9vae.com


9va-win is a Windows version of '9VAe' which is the powerful FREEWARE for creating animation ( 9va-mac / 9va-win / 9va-pi(Linux)).
9va-win can export animated GIF / SVG SMIL Animation , and EVA (vector format: Extended Vector Animation).
You can create complex animations from fewer keyframes.
The following sample animation was created from 2 pages figures
http://9vae.com/zh/
微软Windows用GIF动画/SVG动画制作免费软件「9va-win」

「9va-win」是动画制作免费软体'9VAe'的Windows版本。

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一般制作GIF动画时,即使是使用动画制作软体,仍旧需要人力将所有的图片一张张准备好连续拨放,
对於不擅长绘图的人来说是相当繁杂的工作。

9VA-win则是以基本的9张图片为基础,将这些图片组合做出生动的动作,於是复杂的动画也能简单上手。
下面的范例动画,便是使用2张图做出走路的人物


微軟Windows用GIF動畫/SVG動畫製作免費軟體「9va-win」


「9va-win」是動畫製作免費軟體'9VAe'的Windows版本。

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一般製作GIF動畫時,即使是使用動畫製作軟體,仍舊需要人力將所有的圖片一張張準備好連續撥放,
對於不擅長繪圖的人來說是相當繁雜的工作。

9va-win則是以基本的9張圖片為基礎,將這些圖片組合做出生動的動作,於是複雜的動畫也能簡單上手。

下面的範例動畫,便是使用2張圖做出走路的人物

How to make Animation with 9VAe Shishi - Lion Dance
https://www.youtube.com/watch?v=tzMoc1zwkAQ&t=97s
https://www.youtube.com/watch?v=_Wv7An3CncQ
9VAeで獅子舞アニメの作り方

ロボサムライ駆ける■第58回■過去・新タイプロボットを研究のリヒテンシュタイン博士に姉妹リキュールとマリアは実験体になって。ロセンデール卿に父と姉を殺されマリアは復讐を誓いモンドと共に脱出、日本へ。

RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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ロボサムライ駆ける■第58回■過去・新タイプロボットを研究のリヒテンシュタイン博士に姉妹リキュールとマリアは実験体になって。ロセンデール卿に父と姉を殺されマリアは復讐を誓いモンドと共に脱出、日本へ。
 

ロボサムライ駆ける■第58回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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■第七章 過去

 

「リキュール、何をしておるのじゃ」

 怒りの声が女に飛んでいる。

 

 リヒテンシュタイン博士は、自分の実験室で資料をまさぐっている我が娘を発見していた。

リヒテンシュタイン研究所は、博士が自身がロボットでありながら、新しいタイプのロボットを研究していることで、世界でも有名であった。

 

「ま、まさか、リキュール、お前、私の発見をロセンデール卿に…」

 

 少し考えていたリヒテンシュタイン博士だが言う。

「わかったぞ、今までロセンデール卿に情報を流しておったのは、お前だったのか。我が娘だとは気付かなかった」

 

「今頃、気が付いたのですか、お父様。まあ頭の古いタイプのロボットのお父様としては仕方がないですわね」

「何を言う…」

 階下での二人の大声の、ののしりあいを聞き付けて、登場するのはリキュールと双子ロボットであるマリアであった。

 

 

「いったい何があったの」

 研究室で睨み合っている二人のロボットに気付く。

「お父様。まあ、リキュールお姉様もどういうことなの」

 

「マリア、このお前の姉リキュールは裏切り者なんじゃ。ロセンデール卿に秘密を漏らしておったのじゃ」 リヒテンシュタイン博士は怒りにまかせて、リキュールを非難する。

 

「どうして、お姉様」

 マリアはリキュールに目を向けた。

「どうしてですかって、マリア、お前はあの主水とかいう東洋のロボットにううつを抜かしてしまって目が見えなくなってしまったのですか。今の世界をご覧なさい。早く世界を統一しなきゃあ、大変なことになってしまうのですよ」

 

 妹のマリアの方を向いてリキュールは毒ついた。

 

「それとロセンデール卿に秘密をしゃべることは関係があるのですか」

 

「この娘はロセンデール卿にたぶらかされおって。よし、今からロセンデール卿の屋敷に行こう、お前は留守番だ、マリア」

「でも、私もいったほうが…」

「いい」

 それが、マリアが生きている二人を見た最後だった。二人は邸から出て行く。

 

悲劇はこの後おこった。

 

二人の遺体がロセンデール家から送り返されてきた。

『ロセンデール卿の屋敷当家に侵入しょうとして何者かに殺害された』との添え書きつきで。

 

 ロセンデールが、リキュールとリヒテンシュタイン博士を殺したのか。それははっきりとはわからない。

 

 マリアは博士とリキュールの遺体を前に復讐を誓う。

 

「お姉様。いい、あなたの記憶を私の電子頭脳の一部に移植するわ。

 

だから、私は今日からマリア=リキュール=リヒテンシュタインとなるわ。

 

ロセンデール卿、覚えてらっしゃい。きっと父の恨み晴らして見せるわ」

 

■「マリアどうした。なぜそんなに嘆き悲しんでいるんだ」

 主水がリヒテンシュタイン博士の屋敷を訪れていた。

 

「主水…、屋敷にもっと早くきてくれれば……」

 主水の胸元で泣き崩れるマリアだった。

 

「お父様とお姉様が…、ロセンデール卿に滅ぼされたの」

「が、リキュール殿はロセンデール卿の…」

 

「そう、姉はロセンデール卿の愛人ロボットだった。でもこの状態よ」

「ルドルフ殿下に訴えれば…」

「だめよ。証拠がない。それに、ロセンデール卿はルドルフ殿下のお気に入りだもの」

 

「おのれ、ロセンデール卿め、この恨みはらさいでか」

 

「復讐は、ロセンデール卿が他の国にいるときでないと…」

 

 が、主水とマリアは、とうとうロセンデール卿の屋敷まできてしまっていた。

 

ロセンデール卿の館は中世の城を模して作られている。回りに堀が巡らされている。

「ロセンデール卿、姿を見せろ」

 

 主水は長い間叫んでいた。やがて、ロセンデール卿が城壁の上から姿を見せた。

 

「おや、これはこれは私の愛しいザムザ卿を滅ぼした黄色いロボットではありませんか。それに黄色いロボットにくっついた裏切り者では…」

 

 ロセンデール卿の嘲りの言葉に、急にマリアが珍しく、癇癪を爆発させていた。

「ロセンデール卿、降りてらっしゃい。父と姉の敵…」

 

「おやおや、麗人マリア、どうかしたのですか。そんな怒りは体によくありませんよ。私があなたの博士と姉を殺したですと…。間違ってもらっては困ります。 二人は、私のこの屋敷に不法侵入しようとしたのです。それ故、自動装置が働き、二人を焼き殺してしまったのです。事故ですよ。事故」

 

「ロセンデール卿、覚えていなさい。この敵、必ず打って見せます」

「おやおや、マリア。恐ろしい表情ですね。あなたの姉リキュールはいくら怒ったって、このようなお顔は見せませんでしたよ」

 

「止めなさい。私の姉を嘲るのは」

「主水くん、よろしいですか。愛しい者を失ったものの痛みがわかったでしょう」

 

 ロセンデール卿の青い目に冷たい光が宿っていた。騒ぎを聞き付けてルドルフ大帝の親衛隊が駆けつけ、とりあえず収まったのであるが。

 

ロセンデール卿は次々と刺客を二人の身を襲わせた。それ故、二人は新生ゲルマン帝国より逃れたのである。

 

がしかし、早乙女モンドは リヒテンシュタイン博士が、新しいロボット、流体ロボットを完成させてこの姉妹の体に埋め込み適応させているとはしらなかった。

 

(続く)

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(5)

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ロボサムライ駆ける■第57回過去・早乙女主水はゲルマン帝国への留学ロボットの過去を思い出す。マリア姫をめぐりザムザ卿と対決した。その折に ザムザ卿の友人ロセンデール卿と出会う。

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ロボサムライ駆ける■第57回過去・早乙女主水はゲルマン帝国への留学ロボットの過去を思い出す。マリア姫をめぐりザムザ卿と対決した。その折に ザムザ卿の友人ロセンデール卿と出会う。
 

ロボサムライ駆ける■第57回

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■第七章 過去(1)

 

■ロボサムライ主水は過去を思い出していた。

 

三年前、主水は大帝の前に膝を屈していた。

 

「そちがロボサムライ早乙女主水君か。日本徳川公国からの留学ロボットか」

 ルドルフ大帝が尋ねた。 ルドルフ大帝の宮殿接見であった。

 

「さようでございます」

 側には心配そうな顔をした、マリア姫が佇んでいた。

 

「本来ならば、朕は黄色いロボットなど会いたくはないのだがのう」

 ルドルフ大帝は主水を見下すようにしゃべった。ルドルフ大帝は黄金のいすに座っている。ここは新ベルリン、ルドルフの宮殿、謁見の間である。

 

 霊戦争後、ヨーロッパの大国となったのは、ルドルフ大帝率いる新生ゲルマン帝国である。このルドルフの宮殿は、ヨーロッパ各国から贈られた美術工芸品で一杯だという。美的センスにおいてはヨーロッパ一だと思われていて、本人にもそう思っている耽美王である。財宝には眼がないのだ。

 

「おまけに、そちはこのリヒテンシュタイン卿の姫君マリア=リヒテンシュタイン嬢を嫁に迎えたいというのか」

 

 黙って膝を曲げているだけの主水である。

 

「これ主水とやら、返事をせぬか」

 宮殿の誰かが声を掛けた。

 

「さようでございます、殿下。ぜひともマリア=リヒテンシュタイン姫を我が妻に」

 

「が、貴公も知っておろう。マリア姫は、すでにビスマルク卿の息子ザムザくんと婚約しておるのだぞ」

 主水はルドルフを見上げた。

「それも充分承知しております」

 主水はキッとして答える。

 

「ほほう、充分だと。どれくらい充分なのかな。では、マリア姫を掛けて、ザムザ=ビスマルク卿と対決するかな」

 

 ルドルフは主水の胸を内を探るように尋ねた。

「……」

「どうじゃ。返事をせい」

 その時、宮殿に急ぎ走り込んできたロボットがある。

 

「大帝、黄色いこやつが何と言おうと決闘させて下さい」

 

 金髪で、力強い顎、冷徹な青い眼、鷲鼻、おまけに二メートル二〇はある巨身。ザムザ=ビスマルク卿である。

「この東洋の黄色い猿ロボットに、むざむざ婚約者を盗まれたとあっては我が家の名誉にかかわります。大帝、どうか決闘をお許し下さい」

 

 息せききって言うザムザ卿であった。

「どうじゃな、主水。もし、この決闘の申し出を受けなければ、東洋の卑怯者として貴公の名は長く我が国の歴史に残るであろうよ」

 

 ルドルフはひじ掛けに手を当て、足を組み、ゆっくりと言った。主水をけしかけているのだ。

 

「主水くん、決闘だ」

「主水、どうか、私のために決闘しないで。卑怯者と言われてもいいではないの。あなたがいなくなることが恐い」

 側にたたずんているマリアが嘆いていた。

 

 

「決闘しないというならば、私がマリアを殺すぞ」

 ザムザ卿がマリアを抱き抱えていた。ゆっくりと剣を抜く。

 

「これ、ザムザ卿。大帝の前であるぞ。何をしでかすザムザ。恋の嫉妬に目が眩んだか」

「いえ大帝、失礼をお許し下さい。ヨーロッパロボットが、この東洋ロボットに辱めを受けたこと、許しがたいのです」

 

「決闘せざるをえないな、ザムザ卿」

 主水がザムザの方をキッとにらみつけ、

ゆっくり言った。

 

■決闘場所は、新ベルリンから離れた田舎の都市、新ハイデルベルグである。

 

決闘の町として有名であった。

決闘場には、すでに噂を聞きつけて多数の観客が詰め掛けていた。

 

新ハイデルベルグ/スタジアムの真ん中で二人は対峙しているのである。

 

正式な決闘のため、ルドルフ大帝が帝国の検査役人を遣わしていた。

東洋のロボットを見ようと、人々は詰め掛けていたのである。

 

二人の一挙一動にスタジアムから歓声が上がっている。

 

空は決闘日和に、雲ひとつなく晴れ上がり、新マイン川からの澄み切った風が二人の体をなでていた。

 

二人は長い間睨み合っている。

 

「主水くん、容赦はしないぞ」

 

「ご同様だ。ザムザ卿」

 叫ぶやいなや両者は中央に躍り出た。

 

ザムザ卿の初のひとたちが、主水の額を切った。

「おおっ…」

 という叫び声が観客から上がる。

 

「ふん、口ほどにもないのう、主水くん」

「あっ」

「主水くん、容赦は無用」

 叫ぶや

「あっ」

 マリアが眼をつぶってしまった。

「マリア姫、眼をつぶるな、君の愛しい主水くんが我輩の手で倒れるのを見ろ」

 

 勝ち誇るザムザ卿。瞬間、ザムザ卿にすきが生じる。それを見逃す主水ではない。

「と-つ」

 その慢心の笑みの顔真ん中を主水の刀ムラマサは突き抜いていた。

「うわっ…」

 観客のさざめきが主水の耳にも届いた。新ハイデルベルグ/スタジアムは総立ちである。

 

その時、スタジアムに何かが侵入してきた。

「ザムザ卿!何という姿だ。美しい君にふさわしくない無様さだ」

 大きな悲鳴が、主水の背後から聞こえた。

 

「この黄色いロボットくんめが、私の愛しいザムザくんを…」

 主水は、クサナギ剣を、ザムザ卿の顔から引き抜き、声の主の方へ振り返った。

 

スタジアムに無理やり白馬に乗ったまま入場したやさ男が、にくしみの青い目で、主水を睨んでいる。

 

怒りのオーラがそのあたりに満ち満ちていた。男はゆっくりと白馬から降り、ザムザ卿の体を抱き上げ、ほおずりした。

 

「ザムザくん、さぞ、さぞつらかったろう」

 そして、再び、主水の方を向いた。

 

「主水くんとやら、今度は私が相手だ」

 まわりの観衆やら、宮廷の人々が止めに入った。

 

「お止めください、ロセンデール卿殿下。これは正式の決闘なのです」

ルドルフのつかわせた帝国の血糖監視役人が止めにはいる。

 

「いや、なりません。こんなことがあっていいものですか。

この黄色いロボットに一太刀打ち付けねば…」

 

「ロセンデール卿とやら、存分にされよ。受けて立ちましょう」

 

「主水くん、東洋の黄色いロボットくん、この新ヨーロッパの競技場で

黄色いあなたが、何をいっておられるのですか。この競技場の土の上に

転がるのはあなたですよ」

 

 それがロセンデール卿との初めての出会いであった。

 

(続く)20210710改定

■ロボサムライ駆ける■第七章 過去(1)

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ロボサムライ駆ける■第56回早乙女モンドの妻マリア・リキュールは、ゲルマン帝国の秘密兵器・流体ロボットだった。リキュールはロセンデール卿の頭脳を持ち、古代大和湖へダイブする。追うはサイ魚法師の潜水艦。

RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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ロボサムライ駆ける■第56回早乙女モンドの妻マリア・リキュールは、ゲルマン帝国の秘密兵器・流体ロボットだった。リキュールはロセンデール卿の頭脳を持ち、古代大和湖へダイブする。追うはサイ魚法師の潜水艦。
 

ロボサムライ駆ける■第56回

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■第七章 血闘場(4)

「今頃気がついたのですか。そうよ、私はルドルフ大帝の秘密兵器。三人の流体ロボットの一人です」早乙女主水の奥方であったマリア=リキュールの声がこだます。

 

「ロセンデールの頭脳さえあれば、私たちのグループは再建できる。油断大敵よ、主水」

 

「くっ、マリア=リキュール、最後の最後まで私に逆らうのか」

 

「流体ロボットめ、もう一度これを食らえ」

側で見ていた夜叉丸の鉾が、再びマリア=リキュールに投げ付けられる。

 

が、今度は鉾はマリア=リキュールの体を突き抜ける。

空気のようにマリア=リキュールは立っている。

 

「これはどうした事だ」

 夜叉丸がうめいた。

「誰も私を傷つけられないのよ。私の体は特別製なんだからね」

 

「博士、あのロボットは」

 横で徳川公廣が足毛布博士に聞く。

 

「ヨーロッパには三体あると聞いておる。異星の生体金属でできたロボットなのじゃ。ルドルフの特殊兵器だ」

 

 マリア=リキュールはロセンデールの首を取り上げ、

髪の部分をつかみ、祭壇から古代大和湖ヤマトコへダイブした。

大きな水音が響き、水面を波打つ。

 

「マリア=リキュール、待て」

 古代祭壇の上から叫ぶ主水だった。

 

 マリア=リキュールが消えた大和湖を見つめ続ける主水。

膝をつき、うなだれている。

 

「主水、どうする。我々の潜水艦があれば追いかけられるぞ」

 側で見ていたサイ魚法師が、呼びかけた。

 

「やめてくれ、サイ魚法師。マリア=リキュールを逃がしてやってくれ」

 呆然とした顔で主水が言う。理屈に合わぬことを、主水は口走っていた。

 

「しかし、ロセンデールが復活するかもしれんぞ」

 なおも、執拗にサイ魚法師は言う。

 

「もういい、サイ魚法師、申し出は有り難いが彼女のことは忘れたい。今はこの目の前のことを収めたいのだ」

 

 主水の目はうつろだ。

 

「すまぬが、ここではお前のいうことはきけん。さらばじゃ、主水」

 サイ魚法師は、マリア=リキュールを追って、潜水艦に戻り、湖に潜行する。

サイ魚はマリア=リキュールを追うつもりだ。

 

ロセンデールに対する恨みがあるのだ。

「頭、いずこへ」

 乗組員は、戦いの様子を観戦していたのだが、急に法師が戻ってきたのでびっくりしている。

 

「あの女ロボットを追え」

「ラジャー」

 潜水艦「水鏡」は急速に潜水する。

 

『まて!まて!マリア、いやリキュールか。いい、どちらでもよい。なかなかよい女ではないか』

 サイ魚法師は心の中で考えていた。

 

『無駄ですよ。サイ魚法師』

 どこからか、声が聞こえてきた。

 

「そ、その声は…」

『私は流体ロボット。この水中では、あなたがたの潜水艦よりももっと早く走れますからね』

 

「ふふっ、物事はやってみなければ気が済まないたちでな、我輩は」

『では、勝手にしなさい』

「そう、勝手にさせてもらう」

 

(続く)

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(4)

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ロボサムライ駆ける■第55回■夜叉丸とロセンデール卿の争いの間隙を縫って、足毛布博士は、早乙女モンドの体を復活させようとした。その復活の瞬間、 早乙女モンドの「クサナギの剣」がロセンデール卿の体を。

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ロボサムライ駆ける■第55回■夜叉丸とロセンデール卿の争いの間隙を縫って、足毛布博士は、早乙女モンドの体を復活させようとした。その復活の瞬間、 早乙女モンドの「クサナギの剣」がロセンデール卿の体を。
 

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■第七章 血闘場(3-2)

「それではお相手申す。ロセンデール卿殿下」

 夜叉丸の姿が急に大きくなったような気がした。

 

「あやつ夜叉丸は、実は霊人間、実体はないのだ。心柱様より遣わされこの落合レイモンが預かった人柱じゃ」

 落合レイモンが小さく呟く。

「ロセンデール卿、もう後がないぞ」

 

 霊人間である心柱の使いでもある夜叉丸が呻いた。

 

「まだまだよな、私は負けるわけにはいかんよ。夜叉丸くん。

我がゲルマン帝国、ルドルフ大帝のためにもね」

 

「さあ、夜叉丸くん、落合レイモン殿を見たまえ」

 

ロセンデール卿の長い演説の間に、落合レイモンをシュトルフがつかまえていたのだ。

 

「夜叉丸くん、君の泣きどころは、落合レイモン殿でしょう」

 

「くそっ、ひきょうだぞ。ロセンデール卿」

 ロセンデール卿がロボサムライ主水の方へ走り込み、倒れている主水の首にサーベルの切っ先をつける。

 

「夜叉丸くん、君のような、化け物は私が相手にするより、他の人間に相手をさせます。わたくしの柄ではないです。その前に、主水君、ねえ。君の生命の流れを止めてあげましょうか。私一人が死ぬ訳にはいきませんからねえ」

 

「やめろ、やめるんだ」

対決の様子を見守る群衆の中から飛び出して来る男がいる。

 

足毛布アシモフ博士だった。

 

見る間に主水の体に取りすがっている。

 

早乙女主水モンドは、、私の。。。息子なのだ。。いや息子以上の存在なのだ」

 先刻とは足毛布アシモフ博士の顔色が変わっている。

 

「助けてくれ、お願いだ。変わりに私を殺せ」

 足毛布博士は、主水の上に覆いかぶさり庇う。ロセンデール卿に対して睨みをきかす。

 

「おやおや、茶番劇のシーンですか?ふふ、美しい親子の愛情ですねえ。ロボットと人間のねえ。だが、足毛布博士、ロボサムライ主水君一人を助けたところで、この世の流れは変わりませんよ」

 ロセンデール卿は二人をコバカにしている様子だ。

 

足毛布博士は、ロセンデール卿の演説のおしゃべりを聞きながら、気付かれぬように、主水の胸のある一点を、指で押していた。

 

嘘のように、主水の意識が急に回復する。

 

主水の渾身の力がみなぎって来る。

 

どうやら、ロセンデール卿の長挨拶のどさくさに紛れて、足毛布博士は主水の体にある、足毛布博士しか知らぬロボット自体の回復スイッチを押したようだ。

 

「足毛布博士、よろしいですか?おどきください。あなたを殺す訳にはいきませんからね。あなた足毛布博士はこれからのヨーロッパ奴隷ロボット制確立にかかせない方ですからね。主水君をここでやれば、しょせん、後の反乱ロボットくんたちは烏合の衆です」

 

「それができるかな、ロセンデール卿殿下」

 

 足毛布博士がにやりと笑い、主水の体から撥ね跳んだ。

 

その瞬間、主水が、手にするクサナギの剣を力強く掴み、すっくと立ち上がっていた。

 

「主水くん、き、君は、、なぜ」

 あまりのことに驚くロセンデール卿。

瞬間、ロセンデール卿に隙が生じる。

 

「と…っ」

 渾身の力を込めて、主水はクサナギの剣を、ロセンデール卿に振り下ろす。

 

クサナギの剣が、ロセンデールの首と胴をみごと切り離していた。

 

鮮血が飛び散る。ロセンデールの赤い血が、古代神殿の祭壇に花のように咲いたのだ。

 

そんなばかなという顔を、ロセンデール卿の体はしてよろけた。

その顔は驚愕の表情だ。

 

ゲルマンの剣はロセンデール卿の手からゆっくり離れ、床に突き刺さる。

 

「ロセンデール卿を、我は仕留めたり」

 主水が叫ぶ。

 

右手高くクサナギの剣が差し上げられている。

 

が、ロセンデールの首が床に落ちる一瞬、それを拾いあげた者がいる。マリアだった。

 

「う…」

人々の間からどよめきが上がる。

 

皆が築かぬ間に爆破されたマリアではなく、マリア=リキュールが復活していた。

 

「マリア=リキュール、お前、まさか、、、流体ロボットか」

 

 主水が信じられないものを見るように言う。

 

(続く)20210707

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(3)

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ロボサムライ駆ける■第54回■早乙女モンドの妻マリアは倒れ、別の人格マリア・リキュールと自ら名乗り、ロセンデール卿の味方と言う。霊能師・落合レイモンは使番・夜叉丸にリキュールを退治させようと。

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ロボサムライ駆ける■第54回■早乙女モンドの妻マリアは倒れ、別の人格マリア・リキュールと自ら名乗り、ロセンデール卿の味方と言う。霊能師・落合レイモンは使番・夜叉丸にリキュールを退治させようと。
 

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■第七章 血闘場(3)

「マ、マリア」

 ロボサムライ主水は倒れて身動きできない。

「ああ…、マリア…」

「ねえさん」

 思わず、鉄が倒れた奥方マリアの方に走っていく。

 

マリアの体に触る。

その時、鉄の脇腹に何かが突き刺さった。

電磁ナイフである。

 

そのナイフは、マリアの手から鉄の腹に深々と突き刺されたのだった。

 

「うっ、ま、まさか、ねえさん」

 信じられないものを見たような鉄。

 

「そうです、今頃気がついたのですか」

 マリア、いやリキュールは、ゆっくりと起き上がる。

「今までのすべての情報はそれじゃ…」

 つぶやく鉄。膝をつき、苦しげに鉄はマリアを見る。

 

「そうです、私リキュールの方がロセンデール卿に伝えてたのです」

「そ、それじゃ、あんまり主水のだんながかわいそうだ」

マリアは、マリアとリキュールの二重人格ロボットだった。

 

「黄色いロボット風情から、そんな言葉は聞きたくないですね」

 マリアの別人格リキュールは、

「それから、私を姐さんと呼ぶのも気に食わないのです。私の嫌いな黄色いロボットからねえ」

 と言い置いて、握っている電磁ナイフのつかをぐっと押した。

 

電磁波が、鉄の体を貫く。ビクッビクッと鉄の体が動く。

恨めしげに鉄がマリアの顔を見上げる。

「ねえさん、そいつはあんましだ…」

 鉄の下半身が吹き飛んで転がる。

 

「鉄…」

 主水が唸る。

 

「夜叉丸、マリア=リキュールを倒せ」

 観客のように様子を見ていた人間の中から声が上がる。

 霊能師・落合レイモンが夜叉丸に命令していた。

「御前、わかり申した」

 

 夜叉丸が、背中から「鉾」を引き抜いて、祭壇に立っていた。

「異国の女ばら、私が退治してくれよう」

 

「ほほう、霊能師に私淑する魔道師風情が何をおっしゃる。私の腕をとくとごろうじろ」

「マリア」

倒れた主水が、とぎれとぎれにしゃべる。

 

「ふふん、気安くお呼びでないですわ、このアジアの黄色いロボット」

「お前…」

 冷や汗がしきりと主水の顔を流れ落ちる。

 

「ふふ、そのとおり。彼女リキュールは、昔から我々聖騎士の一員だったのですよ、主水くん」

 後ろから、リキュールの肩を抱き、ロセンデール卿が勝ち誇って続ける。

 

「貴様、先刻…。くそっ、背後で糸を引くのは、やはり、ルドルフ大王か」

「陛下を、呼び捨てにしないでください!主水くん」

 

 ロセンデール卿のハンサムな顔は赤くなる。

 

「そうよ。我がルドルフ大王は、ユダヤの血と黄色い血が一緒になって、白色帝国を脅かされるのを嫌っておいでなのよ」

 リキュールは吐き捨てるように言った。

 

「夜叉丸、薬剤タンクを投げろ」

 傍観していた霊媒師落合レイモンが、部下の夜叉丸に、自分の薬タンクを示した。

薬タンクは、霊媒師落合レイモンのいわば、生命維持装置である。

「ですが、御前」

 

「よい、このさいじゃ。後は何とかなろう。心柱をあやつらヨーロッパ勢に取られては後の祭りじゃ。まず、わしの体をより、あやつらを倒すことじゃ」

 

いつもは強気な落合レイモンも青い顔をしていた。

「それでは、御前、許されよ」

 

夜叉丸は、そう叫び、レイモンの背中に張り付いている薬剤タンクを掴み、神殿の最上段から舞台に向け投げ降ろす。

「やーっ」

 夜叉丸が、落合レイモンの薬をばらまいた。

 

祭壇、舞台は、薬のほこりでまいあがっり液体があたりを濡らす。

 

「ロセンデール卿、殿下、ここは私にまかせて。この夜叉丸とかと、勝負します」

 

「OK、リキュール嬢、君にまかせようか」

 ロセンデール卿はしりぞいた。

 

 夜叉丸とマリア・リキュールが対決していた。

 

「マリア・リキュールとやら、私夜叉丸の鉾は特別なのだ」

 夜叉丸は無表情に告げる。

 

「ほう、どこが特別なの。聞かせてほしいわね」

「それはこうだ」

 

 夜叉丸が、力を込めて鉾を投げる。

意外な展開だった。

「何よ、これは」

 

 目の前の出来事をマリア・リキュールは信じられぬ表情で見る。

 

鉾は、十倍に膨らみ突き抜ける。

一瞬後、マリア・リキュールの体をばらばらに吹き飛ばしていた。

 

「ま、まさか」

 ロセンデール卿が一瞬青ざめた。

 

「日本古来の鉾。この古代都市では、古来から、皆様方の霊気を集めて膨張する」

 冷徹に夜叉丸が言う。

「そうじゃ、今回はわしの薬で膨張させたのじゃ」

 

「くそ、マリア=リキュールの敵、私が貴様を倒してやる」

 主水は祭壇の所で倒れたままだ。

 

 主水は無視され、最壇上はタッグマッチの様相を呈している。

「夜叉丸よ、お前の本当の力をお見せしろ」

 

「よろしいので、落合レイモン様」

 

「よいよい、夜叉丸、少しは皆を驚かせてやれ」

 霊媒師落合レイモンは、この古代神殿の舞台で甲高い声で言った。

 

(続く)20210706改訂

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(3)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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