yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

東京地下道1949■第3回日本は連合軍に無条件降伏。日本全土は廃虚と化し連合軍が日本を得た。竜は浮浪児団の主領で、食物や闇物資を手に入れている。鉄はナイフ使いの天才だ。

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949■第3回日本は連合軍に無条件降伏。日本全土は廃虚と化し連合軍が日本を得た。竜は浮浪児団の主領で、食物や闇物資を手に入れている。鉄はナイフ使いの天才だ。
 

 

東京地下道1949■第3回

(1978年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

 ●http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

 

「さあ今日の取り分だ」

東郷竜は顔をみわたしながら、目の前につみあげられた物資をわけ始めた。

 

 

彼らは十歳をいくつも越えてはいない浮浪児達だ。

東郷竜は波らの主領である。              

 

自らの力で食物や闇物資を手に入れたのだ

 

恐喝、かっぱらい、強盗、その他いろんな呼び方がある。

この時代とこの場所で生きのびていくための手段であった。

 

竜のアジトであるはっ建て小屋からも焼け果てたトウキョウ市

の[新しい壁]が見えている。

 

 

その壁は。日本人に希望を与えるものではない。日本人の心と体を。

いわゆる「本土決戦」以上に疲弊させるものだった。

 

 

竜は「本土決戦」当時は、新潟県疎開していた。

そこで「愛国少年団」に属していた。

 

赤い星をつけたソビエト連邦軍、ソ漣軍の「T34戦車」が進撃してきたのは、

昭和二十年十月三日。

 

第2次世界大戦末期、ドイツでのポツダム会談で、日本の占領政策に関して、

アメリカの新人大統領トルーマン大統領は、老獪なソビエト連邦の首相

スターリンに圧倒されたのだ。

 

「これは日露戦争の復讐なのだ。それに、ノモンハン戦役のね」

加えて、アメリカ、ネパダでの原爆実験の失敗が、トルーマン大統領に追いうちをかけた。

 

しぶしぶ、トルーマンは、ソ連軍の対日本戦参戦を認めたのだ。

 

 

それは、第2次大戦、つまり大東亜戦争での日本の敗北と連合国の分割占領を意味した。

チャーチル以下イギリス軍の反対も、

アメリ参謀本部の反対も押しきられていた。

 

あのグルジア人でロシア革命以前、列車強盗でもあったヨーゼフ、つまり暗号名鉄の男スターリンのずるがしこいほほえみに。

 

そして、日本の運命が変わった。

 

 北海道、東北の海岸は、ドイツと対峙していた欧州戦線からシベリア鉄道を経由して大急ぎで輸送されたソ連軍の艦隊老上陸用舟艇で埋め尽された。

 

 

少しでも多くの土地を。そして日露戦争の敵を!

 竜の兄は、すでに沖縄で特攻隊として出撃していた。

 

お別れに、兄はお守りを竜と恵にさずけた。

 兄は消息不明といなったが、竜と恵はそのお守りを後生大事に

にしていた。

 

新潟県疎開先の校舎はふきとばされ、ソビエト「T34戦車」キャタピラで、人体と建築物が混じり合い押しつぶされた。

 

機関銃や爆撃、大砲、嗚咽、叫び、悲鳴であたりは充満していた。

まさに地獄だ。

 

鮮血をニイガタの大地に流し、友達は殺されていったのだ。

竜や恵には、特特の人生観というものが形成されていった。

 

竜と恵が、トウキョウ市にたどりつけたのは、僥倖と呼ぶより他はない。

 

やがて日本は連合軍に全面降伏した。

日本全土は廃虚と化していた。連合軍が日本という得物を得たのだ。

トウキョウ市は、アメリカ軍とソ連が分割占領を行なった。

 

 

 机の上にトカレフ挙銃が傲いてある。

「誰の獲物だ。これは」

 竜はまわりの皆を見渡しながら、尋ねた。

「俺さ」

 

鉄だった。鉄は使いなれたナイフをいじくりながら答えた。

皆の目が鉄に注がれる。

 

 以前にも、鉄はコルト45をアメリカ保安部隊からくすねてきたことがある。

鉄はこのグループの中でも、このあたり一帯でもー目おかれる存在となっている。

 

それは、小さな社会にさざ波を起す。つまりは、グループの長としての竜の地位を

もおびやかしていることになる。

 

 鉄はナイフに関して天賦の才をもつ。

それゆえ、あだ名が「ナィフの鉄」

 

 

「この地区にきた露助からとりあげたものだ」

 鉄はロシア製の苦いタバコをくゆらせながらつぶやいた。

 

「その挙銃と一緒に、そのカパンもいただいたのさ」

 鉄は、うす汚れた黒革のダレス型鞄を指さした。

 

「どうせたいしたものははいっていないと思うぜ。

米ソ定期会談に来ていた奴かもしれない」

 

「とにかく中をしらべてみょう。」

 仲間の一人が、カパンのキーをいじり始めた。

 

 突然銃声がした。

 

一瞬全員が身がまえる。

鉄だった。カバンのカギがふきとんでいる。

「この方が早いさ」

「この野郎、おどかしやがって、ここをどこたと思っているんだ」

 

 誰かがどなる。

「竜のアジトさ。遠うかね」

「俺のやり方に文句でもあるのか、鉄」

竜がなじった。

 

 

東京地下道1949■第3回

(1978年作品)20210721改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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東京地下道1949第2回■アメリカ軍占領軍情報部(OSS)乾公介は窓下、東京分断壁を見ている。彼にMGB(在日占領軍ソ連保安省)のエージェントからの時図入手失敗の報告が。

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949第2回■アメリカ軍占領軍情報部(OSS)乾公介は窓下、東京分断壁を見ている。彼にMGB(在日占領軍ソ連保安省)のエージェントからの時図入手失敗の報告が。
 

東京地下道1949第2回

(1978年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 

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アメリカ軍占領軍情報部(OSS)の一部屋に一人の日本人が,

大きなデスクを手前に腰かけている。

彼の青白い顔に汗がにじんでいる。

時々、時計に視線を向けいらだっていた。

 

 乾公介、

名目は「占領軍付日本人通訳」だが、OSSのメンバーの一員である。

 

彼,乾公介は確かにあせっていた。理由は死期がせまって

いるからだ。癌の宣告を受けていた。あと3ケ月とないだろう。

それまでにあのプランを完遂し々ければならない。

 

それは、彼の宿願であった。

 

 いまや、彼の命脈を保っているのはその計画の

みである。双肩に重くそれがのしかかっている。

 

アメリカ人が、一人いそいで乾の部屋へはいって

きた。                

 

「どうやら、我がアメリカ保安部は、あの地図をMGB(在日占領軍ソ

連保安省)のエージェントから手にいれることに失敗したようだ」

 

「よかった。地図はまだ、やつら、保安部の手には手にはいらなかったのですか。

それでいいんです。地図を持っていたイワノフ大尉はどうしたのです」

 

「保安部がライフルでしとめたとのことだ。

が、先に自殺し、地図のはいったカバンは見つていない。

死体の前が河だったので、おそらく投げ込んだものと思われる」

 

「わかりました。その地図が保安声の誰かの手にはい

らないか留意しなければなりませんね」

「そうだ。引続き、我われわれ保安部は、MGBのエージェントの監視を続けよう」

 

瞬間、血の気がうせて、乾は、自分の机の上につっぷしそうになる。

「乾チーフ、だいじょうぶか、休が悪いのでは」

「いやなんでもないです。だいじょうぷです」

 

 OSSの内部では、波が宿摘の病にあることは誰も知らない。

「この仕事を頑張らせて下さい」

 

 乾はそう言い、立ち上がった。

 

占領軍情報部(OSS)の窓の外は焼けのこったトウキョウ市の

無残な姿が横たわっていた。

 アメリカ占領軍情報部の接収しているショウワ・ビルからは

トウキョウ市全部がみわたせる。

 

トウキョウ市は日本の首府であった。

そのトウキョウ市を壁が真ふたつに分断して

いたo

 

 壁の向こう側は、、極東ソビエト軍の占領地区なのだ。

 

(続く)20090501改定

東京地下道1949第2回

(1978年作品)

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東京地下道1949■第1回1949年 日本は敗戦、分割占領。トウキョウ市アメリカ軍占領地区。浮浪児が、男たちの争いをみる。少年はカバンとトカレフ挙銃を手に入れ。「竜」のアジトヘ向かう。

東京地下道1949■第1回1949年 日本は敗戦、分割占領。トウキョウ市アメリカ軍占領地区。浮浪児が、男たちの争いをみる。少年はカバンとトカレフ挙銃を手に入れ。「竜」のアジトヘ向かう

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949■第1回1949年 日本は敗戦、分割占領。トウキョウ市アメリカ軍占領地区。浮浪児が、男たちの争いをみる。少年はカバンとトカレフ挙銃を手に入れ。「竜」のアジトヘ向かう。
 

東京地下道1949■第1回

飛鳥京香・山田企画事務所・1978年作品)

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地下道1949■第1回

 

1949年 日本トウキョウ。

 

 男達が争っていた。

いや一名の男が数名の男に追われている。

逃げる男はスラブ系の顔をしている。

アメリカ軍占領地区、トウキョウ市の町中で追跡が

行なわれている。

 追う一団は、トレンチ・コートで身をかた

め、一般市民の姿をしているが、訓練を受け

死者の持つ独特の体臭がする。

彼らは入がいない場所にぐると、コルト45を各々と取りだし、

前の逃げる男へ弾をあびせる。

 逃げている男も、オーバーコートからトカ

レフ挙銃を出し、振りむきざま、撃ちかえす。

男の射撃の腕は一段上手らしい。

たちまち後の2人の男が倒れた。前の男は大事そうに、カ

パンをかかえている。 

 

やがて、追撃している男に応援が来た。ライフルを持っている。

彼はスコープに逃亡者をとらえ、男の肩を阻撃した。

 男はうずくまり、死力を尽し、カパンを目の前の河へほおり投げた。

 河は雨の降った後で、水かさが増していた。一濁流で流れも急だ。

 

 このいちぶしじゆうを見ていた一入の浮浪児がいた。

すばやく河に棹さし、そのカバンをひっかけひろいあげた。

少年は隠れた。

 追撃して来た狩人達は、倒れている獲物のそぱに立つ。

男は歯に隠していた毒カプセルを飲んで死んでいた。

 

 男達はあたりを見わたす。 カバンを探しているようだった。

しかし、一時間後、彼らはあきちめたらしく、ひきあげていった。

 

 その隠れ場所で息をひそめていた少年は、カバンを手に出

てきた。

死体の手からトカレフ挙銃をひっべがし、河のそばへひきずり、死体を投げ落と

した。

それから、意気様々と「竜」のアジトヘ向かった。

(続く)

 

東京地下道1949■第1回

(1978年作品)

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■ロボサムライ駆ける■第62回空洞に心柱の声が響き渡った。心柱の指示に従い、人々は、各役割に沿って行動を起す。早乙女モンドは徳川公とともに「東京島」に帰還し、マリアの行方を心配し病気を療養している。

RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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■ロボサムライ駆ける■第62回空洞に心柱の声が響き渡った。心柱の指示に従い、人々は、各役割に沿って行動を起す。早乙女モンドは徳川公とともに「東京島」に帰還し、マリアの行方を心配し病気を療養している。
 

ロボサムライ駆ける■第62回■第1部■完

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■第七章 血闘場(9)

 

『それは、私が解決しよう』

 空洞にいる人々の心に心柱しんばしらの声が響き渡った。

 

「おお、心柱さまがしゃべられるぞ」

 居並ぶ人々は、古代都市にいる全員が耳を傾ける。

 

 クルトフ、シュタイフの聖騎士団をはじめゲルマン帝国の者ども。

 

 山本の率いる反乱ロボット。

 水野、斎藤の率いる西日本都市連合軍。

 

 徳川空軍、徳川旗本ロボット、早乙女主水。 徳川公、落合レイモン、夜叉丸、足毛布博士等である。

 

『水野、斎藤、反乱ロボットを接収すること相成らぬ。

 

 また反乱ロボットの皆、よく聞いてくれ。足毛布一族、われらをこの千年にもわたって守ってくれたのじゃ。それゆえ、憎むこと合いならん。また、夜叉丸はわしがレイモンつかわせた霊人間なのじゃ。

 

 足毛布博士、落合レイモンは、このわしとともにこの古代都市を再開発、研究せよ。

 

 徳川公は、早乙女主水と東京へもどり、東日本の内政を改めよ。

 それから、クルトフ、シュタイフよ、二人はルドルフ大帝に告げよ。私が解放された以上、日本への神聖ゲルマン帝国の侵入は、たやすくないぞとな。

 

以上だ』

 

「おおーっ、さすがは心柱、みはしら様じゃ」

 喚起の声と、失望の声があがっていた。が、いまや、みはしらさまにしたがう他はないのだ。

 

「主水、わしの手元に戻ってきてくれるか」

 足毛布博士が頼むように、主水に言う。

 

「が、博士、幾ら生みの親とはいえ、拙者は義に生きとうございます」

 思わぬ答えに足毛布はたじろぐ。

 

「義とは?」

 足毛布は不思議なものを見るような目をした。

 

「徳川公のおつかえして、日本につくすことです」

 キッパリと言った。

「おお、よういうた。主水。足毛布博士、主水をお預かり申す」

 徳川公廣が、博士に礼をした。そうそうにここから主水を連れ出すつもりだ。

 しかし、博士は主水にたいして罵詈雑言をはく。

 

「主水よ、私を裏切る気か。お前を作り、ここまで育てた私をな」

「博士、それは…」

 

「よいか、誰がお前、主水をあのNASAの空軍基地から助け出してやったと思うのだ。当時の宇宙開発用のロボットがお前だ。よいか、お前のために私は防御レーザーにより傷を負ったのだ、わかるか主水。

 

自らの息子よりもお前のことを愛していたのだぞ。それをお前は裏切り、あまつさえ、この西日本から出ていこうとするのか。

 

これをこれを裏切りと呼ばずして何と呼ぶのだ」

 

 足毛布博士の怒りは治まりそうになかった。

 

「主水、これを見よ」

 足毛布はふところから、たばこを出して大地へ捨てた。

「…」

 

「今、捨てたのはお前のロボットストレス対処用の薬が入ったタバコじゃ。よいかもう二度と手には入らぬ。材料はアメリカ製じゃからな。

 

これが親である私に対する裏切りに対する復讐の一つだ。これからも油断するなよ。生みの親を捨てたお前に災難が降りかかろうぞ」

 

「主水、気にするな」

 徳川公がやさしく声をかける。

「お前は正しいのだ」

 

『主水よ…』

 みはしらさまが、主水に話しかけた。

 

『忘れものじゃ。返してくれぬか』

「はっ…」

 主水はどきまぎする。

 

『そのクサナギの剣じゃ、しばらくは用はなかろう』

 主水はまだその剣を握り締めたままだった。

 

「しばらくですと」

『そうじゃ、その剣を再び使うときは、この世界を変える運命の七つ星すべてそろった時じゃ』

「運命の七つ星。それは一体…」

 

『主水、それは…、お前と運命の七つ星の運命じゃ。いずれわかるときがあろう』

 

 恨めしげに眺める足毛布を博士を背にしながら、主水は徳川空軍の飛行船に乗った。

 

「だんな、だんな…」

 話しかけるものがある。鉄だった。下半身は吹き飛び、担架に乗せられている。

 

「あっしは、もうだめでさ。手も足もでませんや」

「鉄、お前…」

「えっ、だんな、どういたしました」

「そんなシャレを言ったから大丈夫だろう。私の手つだいできようよ。足がないぐらいでな」

「だんなも人が悪いや」

 それを受けて

「これ、鉄、俺は人ではない。ロボザムライ早乙女主水じゃ」

「決まったね、ダンナ」

 少しは元気を取り戻したロボザムライ主水である。

 

 飛行船は、地下空洞から上空へ飛び上がって行く。

 

■「マリア=リキュール」は「ロセンデール卿」の首をくわえて逃亡後、行方不明となる。

 

 ヨーロッパのいずこかに住んでいるといわれている。

 

 「びゅんびゅんの鉄」は、「マリア=リキュール」から受けた傷がもとで現在療養中である。

 

 

「知恵」は、外国のロボット奴隷解放運動で活躍しているらしい。時折、主水には

連絡が入る。

 

 「サイ魚法師」は、あの折「マリア=リキュール」を捕まえることはできず、海賊潜水艦として太平洋岸を現在荒らし回っていると風の便りに聞いている。

 

 「足毛布博士」は、京都の研究所で、侍ロボット改良版を製作中と聞く。早乙女主水にそっくりで、「主水2」というネーミングらしい。主水にご執心なのである。

 

 「落合レイモン」と「夜叉丸」は、まだ西日本エリアに残って、古代都市研究を行っている。

 

 現在でも古代都市のことは日本国内では秘密となっている。

 

 「水野と斎藤」は、みはしらさまの指示にしたがい、西日本都市連合政府のロボット奴隷制をいやいやながら廃止した。

 

 生き残った、「クルトフとシュトルフ」率いる聖騎士団は、徳川空軍飛行船「飛天」「高千穂」に乗せられ、インド洋上でヨーロッパ連合の交換船に乗り移り、帰っていった。

 

 「ロセンデール卿」は、みはしらさまが言ったたようにヨーロッパのルドルフ大帝の研究所で復活したと風のうわさに聞く。彼もまた主水を付け狙っているのだ。

 

「徳川公国のおかみと早乙女主水」は、東京エリアの徳川公国にまだ住んでいる。

この世界で敵の多いロボサムライ主水は自分の病気。ロボットストレスを直そうと必死である。

 

 ■ロボサムライ駆ける■第1部■完■

 

 

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(10)第1部■完20210715改訂

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ロボサムライ駆ける■第61回■早乙女モンドは 飛行船で到着したロボット旗本たちにお味方下さいと、 西日本の叛乱ロボットを助けようとするが、徳川公から 東日本と西日本は政治体制が異なるととがめられる。

RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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ロボサムライ駆ける■第61回■早乙女モンドは 飛行船で到着したロボット旗本たちにお味方下さいと、 西日本の叛乱ロボットを助けようとするが、徳川公から 東日本と西日本は政治体制が異なるととがめられる。
 

ロボサムライ駆ける■第61回

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第七章 血闘場(8)

 

「よいか、反乱ロボットの諸君。今回は大目に見よう。首謀者を出せば全員を許そう」

西都市連合の水野が言った。

「そうだ、その通りだ」

斎藤が続けた。

 

「貴様たちも我々人間がいなければどうにもならんのだぞ」

 斎藤は憎々しげに言う。

 

 ロボサムライ主水は反乱ロボットたちを助けようと

「いかん、ロボット旗本の方々、存分にお味方くだされい」

 主水は、徳川空軍飛行船で到着して傍観していた徳川空軍・旗本たちに言った。

 

「いかん。主水、止めるのじゃ。やめるのじゃ」

 徳川公があわてて制した。

 

「なぜでございます。お上」

 

「よいか、我々は西日本を征服するのが目的ではない。我々東日本と西日本は政治体制が異なる。

この西日本の制度、壊すこと、相成らぬ」

 徳川公のきつい怒りの言葉であった。

 

「さようでございます。さすがは徳川公」

 関西都市連合の水野が喜んで言う。

「主水殿、お恨みもうす」

 反乱ロボットの指導者、山本が言った。

 

「主水のおじさん、肝心のとき、役にたたないねー」

 知恵がいう。首をうなだれる主水。

 

 反乱ロボットは、西日本都市連合政府軍によって収容されそうとなる。

反乱ロボットは、軍に収容されるため動きはじめる。

 

(続く)20210715改訂

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(8)

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ロボサムライ駆ける■第60回■アシモフ博士は大洞窟にて叫ぶ「反乱ロボットの諸君。忘れてはこまる。私は君たちの父なのだ」西日本都市連合のロボット軍隊が、古代都市の大空洞に結集していた。  

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ロボサムライ駆ける■第60回■アシモフ博士は大洞窟にて叫ぶ「反乱ロボットの諸君。忘れてはこまる。私は君たちの父なのだ」西日本都市連合のロボット軍隊が、古代都市の大空洞に結集していた。
 

ロボサムライ駆ける■第60回

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■第七章 血闘場(7)

 

「反乱ロボットの諸君も鉾を納めていただきたい」

 反乱ロボットの方へ向き直り、徳川公は語り掛ける。

 

「徳川公 なぜだ」

「君たちの目的は自らの身分制度打破であろう。新生ゲルマン帝国との戦いが目的ではないはずだ。今のままでは新生ゲルマン帝国との戦いになってしまう」

 

 徳川公はじゅんじゅんと諭した。

 

「それでは足毛布博士を我々に渡していただこう」

反乱ロボットの一人が言う。

 

「何と」

「我々は、足毛布博士を血祭りに上げる」

 反乱ロボットたちは言った。

 

「そうだ。そうしなければ我々の憤りは吐けぬ。何のために多くの仲間が死んでいったことか」

 足毛布博士が、他の人々の群れから押し出されてきた。

 

「足毛布博士に手を出すこと、拙者が許さぬ」

 ロボサムライ主水は叫んでいる。

 

「主水殿、どうなされた」

 皆が驚いている。

 

「貴公、我々を裏切るおつもりか」

「お許し下され、皆々様。やはり、この主水にとって足毛布博士は父でございます」

 

 悲しげに主水は言う。

「が、主水殿。我々反乱ロボットの目的の一つは、足毛布博士の処刑ですぞ」

 

「そうだよ、主水のおじさん。おいらたち子供ロボットが偉い目にあったのもみんなこの男のせいなんだよー」

 知恵が言う。

 

「もうよい、主水。私をおとなしく反乱ロボットたちに渡せ。そうしないとお前の命も危ない」

 足毛布博士は言う。

 

 その様子を見ている霊媒師、落合レイモンは隣にいる夜叉丸に小声でささやく。

『博士も役者よのう。夜叉丸、まあ様子を見ておれい。面白いことが起こるぞ』

「それは、一体」夜叉丸がたづねる。

 

 主水が反乱ロボットに押さえられている。

 

足毛布博士を跪かせ、数人のロボットが刀を持ち上げる。

 

足毛布博士は頭を項垂れている。

 

反乱ロボットは刀を降り下げようとする。が、一瞬後、体が動かなくなる。

「これはどうしたことだ」

「どけ、私が変わる」

 何人ものロボットが、続々と足毛布博士の首を撥ねようとするが、それができない。

 

ロボット体が固定してしまう。

 

 足毛布博士がゆっくりと立ち上がり、ゆっくりと反乱ロボットに向かう。

慢心の笑みが浮かんでいる。それも皮肉な笑みだ。

 

「よいかロボットの諸君。私は君たちロボットの父なのだ。父である私はは子供であるロボット体のICチップに最終指令をコマンドしてあるのだ。私を殺さぬようにな。このコマンドは君らの心の 奥深くに埋め込まれている。

 

誰も気付かぬ。またいかなるロボット工学博士でも、そのコマンドは解除することができぬのだ」

 

「足毛布博士、流石よのう」

西日本都市連合の水野が叫んでいた。

 

西日本都市連合のロボット軍隊がいつのまにか、古代都市の大空洞に結集していた。

 

 

(続く)20210714改訂

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(7)

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ロボサムライ駆ける■第59回■地下大空洞の中、新生ゲルマン帝国のクルトフが聖騎士に命令する。 ロセンデール卿がなくなった今、戦いは無用だというのだ。 徳川公はじめ皆が同調する。

RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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ロボサムライ駆ける■第59回■地下大空洞の中、新生ゲルマン帝国のクルトフが聖騎士に命令する。 ロセンデール卿がなくなった今、戦いは無用だというのだ。 徳川公はじめ皆が同調する。
 

ロボサムライ駆ける■第59回

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■第七章 血闘場(6)

 

地下大空洞に新たな声が響き渡っている。

 

「皆、剣を下げよ。これ以上の戦いは無用だ。シュトルフくん、全員に命じろ」

 

意外なことにクルトフが命令していた。

 

 

「しかし、クルトフ様」

シュトルフが抗弁しようとする。

 

 

「だまれ、シュトルフくん。ロセンデール卿がなくなった今、これ以上は無用だ。我々はもう空母も機械城もないのだぞ」

 

 

「そうです。公式には日本と新生ゲルマン帝国は交戦していないのです」

徳川公が言葉を継いだ。

 

 

「我々としては心柱が目覚められた現在、わざわざことを荒立てる必要はない」

クルトフが再び命令していた。

 

 関西都市連合の斎藤も一言加える。

 

 

「それゆえ、我々は武装を解除します。よろしいな、シュタイフくん」

クルトフが厳命する。

 

「はっ。クルトフさま」

 

シュタイフは渋々命令に従う。聖騎士団は、武器を下げた。

 

 

シュタイフの胸の内にはにがいものが込み上げてきた。

 

『ロセンデール卿殿下、お許しください。私はあなたをお守りできませんでした。

 

このクルトフめは、新生ゲルマン帝国一三人の諸公のうちの誰かから、

ロセンデール卿殿下を滅ぼすために遣わされたに違いないのです。

 

その証拠を握ることはできませんでした。ロセンデール卿殿下、この敵は必ず…』

シュタイフは、心の中で誓った。

 

(続く)

■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(6)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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