yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第12回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
●山田企画事務所
●ここをクリックしていただくと、山田の小説以外のブログへのページ
があります。のぞいていってくださいませ。


●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第12回
■9

「危ない所だった。天宮=地球意志は、私アー・ヘブンを道連れに、この星を破壊するつもりだった
のか」
 アー・ヘブンは独りごちた。
 地球意志は、大球(元の地球)と結ばれた小球(元の月)に、スパイダーネットで、
集積した色々な星の武器を集めていた。
 地球爆発の際、武器群は小さなユニユニット群となり、小球から発進し、この宇宙に存在する生命を
破壊しつくす武装機械船群を、あらゆる方向にむかって発射されようとしていたのだ。
そのために、長い長い時間をかけ、知らないうちに、スパイダーネットを使い
武器を集積していた。

それは、ハーモナイザーに対する「地球意志」の復讐行動である。

「地球の上に新しき生命を宿すのだ」
 アー・ヘブンの心の底から声が響く。ハーモナイザーが呼びかけていたのだ。
「どうやって、この地に生命を宿したらいいのですか」

「アー・ヘブンよ、お前は種子なのだ。お前が変化し、新しき地球になじむ植物となるのだ。お前
子孫がこの星、地球に充ちるのだ」
「しかし、ハーモナイザー、この大球いや、地球は鋼鉄のよろいがあり、内部ば機械星とな
っています」
「心配するな。機械星、大球に根をなせぱよい」
「根ですって」
「お前の第1触手を、根とするのだ」
 アー・ヘブンはハーモナイザーにいわれた通り、第1触手を大球の機械地中深くシャ
フトにそってかろす。触手は膨張し、根となった。

 次の瞬間、地表を被っていた鋼鉄面は光り出し、熱を持つ。一気に蒸発し
た。同時に地球全体が光り輝く。

大球内部の機械類は燃えあがり、やがて燃えつき、土と化した。
 アー・ヘブンの体に内包されていた、ハーモナイザーの種子も。同時にまきち
らかされる。種子は大球、全世界を被う。
 『大球をアウフ・ヘーベンせよ。アー・ヘブン、それが、お前の役割なのだ』
 光の声がいう。
 いまや、大球から変化し、再生された地球の世界樹となったアー・ヘブンの聴覚に、ハーモナイザーが
働きかけ、アー・ヘブンは始めて、自分の名前の意味合いを悟った。
 アー・ヘブン=アウフ・ヘーベン(止揚)だったのか。

 アー・ヘブンである、世界樹の、表皮、小さな部分に、古代の地球文字が刻まれている。
突然、それは現れた。
『私の夢は、、、』

今は存在しない「北の詩人」イメージ脳はただよう。その存在しない思念には、かつて″木″、
に記号を印した事を思い出している。すっと昔の古代の記憶。
『かしのきに、ナイフでしるしを……』

北の詩人が。消え去る一瞬、耳にした何かの産声は、この変化のさきぶれだったのか。

新しき地球は、ハーモナイザーと意識では一体化し、アウフ・ヘーベンした世界樹により、
新たなIページを書き記し始めた。

北の詩人の体は、再び実体化し、北の詩人の目の前にはユニコーンの姿も、ちらほら形作られはじめるのが
見えた。
そして、ゴーストトレインも、、、
(完)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第12回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
●山田企画事務所
●ここをクリックしていただくと、山田の小説以外のブログへのページ
があります。のぞいていってくださいませ。