yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

私の中の彼へー青き騎士ー 第13回

私の中の彼へー青き騎士ー 第13回
青き騎士(1992年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html

第13回●シーン9
アイスパレスは、連邦軍を、まねき入れる大きなワナだったのだ。
私たちは助っていた。「トラップドア」ヘの突入が少しばかり遅れていたのだ。
前にいた装甲機群までは、完全に消滅していた。
「翔、これは」
「いかん、零、後ろへさがれ」
 荒廃した氷原の一角に、私達は生き残っていた。
 連邦軍のわずかの生き残りとして。
「他の入達はどうなったのかしら、翔」
「いうまでもないだろっ。我々はおくれをとりたのだ」
翔の言葉は怒りを含んでいた。それも行き場のない怒りだ。
「どりいう意味」
連邦軍の集団自決さ。いや地求人のな」
「じゃ、あれは」
「いわば、レミング行動だよ。壊滅するのがわかってていて呵同時に仲間と自殺したわけさ」

「最後のおむかえが来たぞ」
、零がいう
 アイスの飛行切子が、私たちの目の前にあらわれていた。 

そのアイスの端子は、急に攻撃せず、私たちに意識で話しかけてきた。
「沙織をわたしてもらおう」
「なぜだ」翔が尋ねた。

「君達にはもう、選択の余地などない。我々に対抗できる勢力など地球に残っていない。我々アイスの前にひざまづき、アイスブレッドをうけいれることだ。我々に頭をたれよ」

アイスの端子、いわゆる円盤機は、我々の目の前10メートルの距離で、2本の触覚をブラブラあたしにむけながら、発声していた。
「何をいうの」
私は怒っていた。
「くっ、沙織、ここは」翔は言う。
「おとなしくするんだ」
「そういう事だ。それがお互いのためだ。それに翔とやら、沙織を渡せ」

「沙織を? なぜ」
「沙織は選ばれた個体だからだ」
「どういう事」私は尋ねる。
「アイスが君を必要としている。つれてこいという指令だ。アイスパレスへ来てもらおう」
「翔」私はおもわず、翔の体をつかんでいた。
「げせないなあ、なぜ沙織だけを」
「わからぬ奴だ。疑問、反問など、君たち人類にはもう存在しない。あるのはただアイスの命令だけなのだ」
「沙織、逃げろ」
急に翔が叫び、上空から零が舞い降りてきた。
「狼部隊の最後の死に花をみせてやるぜ」
「無用なことを。人間の生き残りめ」
「それほどまでなら、俺を倒してから、沙織を連れてゆけ」
「ふふっ、そうか、お前が沙織の伝説の「青い騎士」というわけか。これはお笑い草だ」
「お笑い草だと。どういう意味だ」
「いずれわかる。まあ、お前はその時には死んでいるだろうがな」
「くそ」
零の反撃砲が、アイスの端子に向けて発射されていた。
「わからんか。もう無用だぞ、翔とやら。我々にはそんな物理的な攻撃など役にたたんのだ」
「くそっ、いったいどうすれば」
「翔ーつ」
翔は零に言う。
「零、わるいが、沙織を連れて早く逃げてくれ」
「どこへ」
「地球意思をさがせ。探してくれ。その中に彼女をうずめろ。そうすれば彼女は助かる」
「わかった、翔。君をほおっておくぞ」
「そうしてくれ。私はここで、やつらをむかえうち、食い止める」
「翔、教えて。やはり、やはり、あなたは、、私の、、「青き騎士」なのね」

「いまだに俺にもわからん。が、地球意思が昔、そう言っていた。、、で、沙織、1つお願いだ。
「、、何」
「沙織、覚えておいてくれ、君をまもるために死んだ1人の男がいたことをな」
「翔ーつ」
「沙織、早く逃げるのだ。翔の力ではそう長時間ささえきれん」
「でも、零」
「君が生きのびろ。そして、君が私と共に、翔のかたきをうつのだ」
「一緒にきて、翔、お願いよ、私は、翔あなたがなければ生きてはいけないわ」私は声を限りに叫んでいた。

その時、急に目の前の氷原地中から液体が沸いて来る。
「これは」
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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