yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

私の中の彼へー青き騎士ー第16回

私の中の彼へー青き騎士ー 第16回
青き騎士(1992年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/

体のすみずみから、こまかい粒子が飛び立っていく。
私の体がピンク色の霞に包まれている。
よく見ると、私の血や肉の砕片が、引きずりだされているのだ。

 「アイス」の前で、やがて、その血と肉は、ごそごそともりあがっていく。

そやつは、翔の姿をしている。
血みどろの死体だった。邪感な目を私に向けている、翔の目ではない。

私は血が凛リつきそうだった。

「沙織よ」
どこからか呼びかける声がした。
「誰!」私は叫んでいた。
その間にも、鋭い剣の切っ先が、翔の姿をしたモノから送りこまれる。

私は、いかに死休であろうとも
この翔の姿をしたモノを殺す事をためらっている。

「沙織よ、思いだせ、翔はお前の心と共にある。お前がアイスを倒せば
、翔の心も体も救済される、目の前にいるそやつは、もはや、翔ではない」
地球意志からの声だりた。
「でも、地球意志、私にはできない、翔の姿よ。許して、ここで、私は翔の剣で倒れるかもしれない」
「沙織、お前がたおれば、翔も悲しむ。お前の体ではない。お前の体は全人類を象徴している。「アイス」の場所まで
たどり着いた人類はお前だけなのだ」

翔の剣の攻撃を何とか逃れつつ、私は、その声を聞いていた。

「沙織よ」
また、別の声かした。
翔の体から発せられている声。
「沙織よ。俺の体を滅ぼせ、この体はもう、私ではない、俺は死んた。が、
俺の心は、君、沙織と共にある。俺は君の青き騎士なのだ。君のために死ねる。いや、死んだのだ。私の残留意思は、君のためにある。今から、俺が沙織に力をあたえる、君の剣で俺の体を貫け」
急に目にみえぬカが私にみなぎった。
私の想いとは異なり、殺人者としての私の体は反応していた。

翔の体を、、私の剣SBは貫いている。
「翔」
私は声をかぎりにさけんだ。
「これでいいのだ、沙織、、」
私は翔の体を抱きかかえていた。

わけのわからない感情が私の休を押しつつみ、唐突にアイスの前につきすすんていた。
「私達、アイスプレッドのうらみを、、そして翔の想いを、、」
 私の剣は、アイスの体中心部にある小さな結晶体を貫いていた。

一瞬、白光が私の眼をいる、
体が解けさるように熱くなった。体細胞の一つ一つが燃えあがるようだった。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/