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山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

遙かなる絆 -ランナー第 3回

遙かなる絆-ランナー第3回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/

第3回
● 月の裏側を探査中のサー=ヘンリー=ビショップ教
授の隊が、ピラミッドを発見したのは、2026年3月のこ
とだった。
 場所は、アムラー0クレーターの内郎であり、このピ
ラミ。ドが『月の一歩』以来、発見されなかっ
たのは不思議な話だった。月の裏側を撮影した過去の写
真には、まったくそのビラミ。ドは映っていな
かった。
 ピラミッドの解析が行なわれた。ピラミッドは、エジ
プト・ギゼーのピラミッドとまったく同一構造
であり、構築後、五千年と推定された。内部への情報機
器の侵入は不可能だった。ピラミッ・ドがまるで
結晶体のようであったのである。
 月植民地ルナ=シティは、連邦軍に、このピラミッド
の管理を依頼した。なぜなら、このピラミ。ド
を発見したサー=ヘンリー=ビショップの隊全員が、帰
りの宇宙船内で変死をとげたからである。
 以降、アムラーリピラミ。ドは連邦軍の管理下におか
れた。常時、数十名の連邦軍兵士がこのビラミ
。ド近くに駐在することになった。

2026年4月

正体不明の電波が、月のアムラーーピラミッドに送られ
た。
連邦軍の電波探知機がこの信号をキャッチした。
  この信号は、さらにEDOの言語解析班に回された

解析班のチーフであるツェン博士は、この信号を解析中
これとよく似た構文を若い頃に解析した記憶が蘇ってき
た。その文章は古代サンスクリ。卜語
であった。
 内容は「トーチは用意された」である。
 EDOの情報脳から、2016年3月に入力された金属片
の情報脳が呼びおこされた。
 EDOは俄然、色めきたった。かっての金属片実物が
EDOの地下金庫からひきだされたが、金属片の情
報部位はあとかたもなく消滅していた。
「トーチ」とは何か、
それが何らかの異変をこの地球連邦に及ぼすであろうこ
とは予想された。
 EDO長官、オットーは、非常事態宣告をした。
いわゆる0号指令である。
 対テロリスト局、フリッツの元にもその指令は届いた
。フリッツは、秘書を呼び出した。
「今、サムナーはどこにいる?」
「現在、サムナーはプランクトン=シティで行動中です

「わかった。サムナーをその仕事からはずし、至急、私
の所に出頭させろ」
ジャック=サムナーは、対テロリスト局きってのエリー
トであった。
彼は外惑星型サイボーグであり、局きってのテロリスト
=ハンターとしての名をほしいままにして
それゆえニックネームは「片目のジャック」であった。

彼の片目はレザーアイである。
 南太平洋上、‐オセアニア海域に遊才するプランク
ン=シティは、地球財団が管轄管理するレジャー
ランドであった.
このプランクトン=シティに出入りできるのは、地球連
邦のα六千三百級以上の上
級市民であり、下級市民はこの市を「虚栄の都市』と呼
んでいた。
市はナイトクラブ、カジノなど享楽
の施設で満ちあふれ、人類がかって味わったことのない
歓楽郷である。
そのプランクトンシティを超テロ集団「フイダイ死の天
使」が、                   ”
目をつけたのだ。要求刄応じなければ、市ごと、上級市
民を抹殺するという。
サムナーの今の仕事はこの市の監視であった。そのサム
ナーにO号指令か下った。
「何をいっ・てやがる」
 頭に来たサムナーは無線装置をたたきつぷした。


かくて、後の歴史で、「ランナー」伝説と呼ばれる事件
が始まった。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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