yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

私の中の彼へー青き騎士ー第1回

私の中の彼へー青き騎士ー第1回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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第1回

シーン1
 もう、かなり昔の事だ。思い出す。はるかかなたの記憶、、

私,沙織(さおり)は、まさか彼,翔(しょう)が、私の探し求めていた「青き騎士」だとは、その時は、そう、その時は、、気がつかなかったのだ。

そうだ、若気のいたりというものだろう。本当に。
もし、あの時……。
いや、いや、もうやめておこう。
 時間(とき)は、2度と戻ってこない。
そして、私の青い記憶。青春の時も、、

シーン2

「恐い子だよ」
その時、私は何をしていたのだろう、その折の記憶はない。

「何しろ、この子の頭の中にはさ、悪魔が、ね、住んでいるのさ」
養父母が言った言葉だ。私の耳の奥に、いまでも、そして、
いつも残っている言葉だった。

 その時も、私は彼らに尋ねていた。

「アイスフイールド」のそばにある小さなコロニーだった。
アイスフイールドは、アイスと地球連邦軍の、限定された戦闘空間だった。
そのエリアだけで、戦闘がなぜか行われていたのだ。
コロニーの前を、地球連邦軍の車両が、轟音をたててとうりすぎていった。

「ねえ、それどういう意味なの」
「ふん、自分で知っているくせに白々しい子だよ」
「そうだ、どうせ、私達の事も、心の中ではあざわらっているのさ」

 なぜ、どうして、私を、普通の子供のように扱ってくれないの。
 確かに私は父と母をうしなって、「地球連邦救民法」により、救済され、
いわば、この父母におしつけられた子供だった。
親のなくなった子供を、人類の生き残りが世話をする。
人類の映えある未来のために。

が、この時、地球は、生か死のせとぎわだったはずだ。
《アイス》との戦争でたくさんの人々が死んでいた。

ともかくも、この私に対する疑問、救済が、私の、長い旅の始まりだった。

 《人民の王》となって始めて、私が理解した事は、
私が、あの人にとって《青き騎士》だったという事実。

そして、気づいた時には、彼、あの人はとても手がとどかない遠いところにいた。

私が、彼をうらぎり、そして、、彼は死んだ。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所(1992年作品)090701改訂
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