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山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

ロボサムライ駆ける■第24回ゲルマン帝国ロセンデール卿が、空母「ライオン」の士官室で徳川公国のロボ侍主水に破れた「サイ魚法師」を詰問していた。

RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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ロボサムライ駆ける■第24回ゲルマン帝国ロセンデール卿が、空母「ライオン」の士官室で徳川公国のロボ侍主水に破れた「サイ魚法師」を詰問していた。
 

ロボサムライ駆ける■第24回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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■第3章(11)

 

「サイ魚法師殿、なぜしくじったのですか」

 ロセンデール卿が、空母「ライオン」の士官室で詰問していた。サイ魚法師は、ロセンデール卿の怒りの前でただただ恐縮しているばかりであった。

 

「いかんせん、主水の方が強すぎました」

 

 ぼそりと言う。まるで先生に起こられている生徒である。

 

「強すぎたとですと、それは聞けませんねえ。あなたが、私たちに最初売り込んだ言葉を、お忘れですか。あなたは主水の弱みを握っていると言ったでしょう」

ロセンデール卿の言葉がチクチクとサイ魚法師の体をさす。

 

「そのとおりです」

 

「ですが、あなたは主水の始末を東京湾でしくじってしまった。おまけに潜水艦を一隻なくしまった。さらには潜水艦をもう一隻貸せとおっしゃる。何を考えておられるですか」

 

 ロセンデール卿は、美しい顔に怒りの表情を表していた。

 

急にロセンデール卿の顔は醜くなる。冷たい暗い表情である。

 

「もうよろしいです。契約は終了です。すでに、主水は我々の手にありますからね」

 

「何ですと、主水が……」

 絶句する法師。顔色が変わっている。

 

「おや、どうかされましたか」

「いえ、何でもありません。が今どこに」

 

 法師としては自分の手で主水と戦いたかったのである。

 

「そんなことは、あなたには関係ないでしょう。あなたはもう、おはらい箱です。もうあうこともないでしょう」

 

 着衣のケープを翻してロセンデール卿は、法師の前から去った。

 

ロセンデール卿の部屋から出て、「こなくそ、今にみておれ、ほえずらかかせてやるわ」 つぶやくサイ魚法師だった。

 

「が、主水め、一体どこに」

 首を傾げるサイ魚法師だった。

サイ魚法師は、本日の都市会議での騒ぎを知らなかったのである。

 

(続く)

■ロボサムライ駆ける■

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