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山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

ロボサムライ駆ける■第42回早乙女モンドは、叛乱指導者山本らと反乱ロボット達を率い、ロセンデール卿の立篭もる機械城まで達していた。同時に西日本ロボの奴隷システムを作った足毛布博士にも非難の矛先が。

Sロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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ロボサムライ駆ける■第42回早乙女モンドは、叛乱指導者山本らと反乱ロボット達を率い、ロセンデール卿の立篭もる機械城まで達していた。同時に西日本ロボの奴隷システムを作った足毛布博士にも非難の矛先が。
 

ロボサムライ駆ける■第42回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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 ■第五章 機械城(5) 

「皆様方、これは千載一隅のチャンスじゃ。ロセンデールのライオ

ン丸が沈んだ今となっては、水野も斎藤も弱気になっでいよう。こ

の勢いを持って、機械城を打ち賊ぼぞうぞ」

 

 山本が装甲車の上に立って、反乱ロボットたち・に叫んでいた。

「まだ、危険ではござらぬのか」

「そうだ、我々の力、そう結集してはおらぬ」

 

「心配なら、先刻、空母ライオンを沈めることに力があったロボザ

ムライがおわす。ご紹介いたそう。早乙女主水殿じゃ。早乙女殿は、

ロセンデールの奸計に遭い、地下坑道計画に参加しておられたが、

剣闘士の大会のおり、皆の見ての通り、黄金の大仏ロボットを倒さ

れた。ご挨拶願おう」

「拙者、そのような晴れがましい席などに」

 

「何言っているんだよ、主水のおじさん。恥ずかしがるがらじゃ

ないよ」

知恵が、主水にハッパをかけた。

 

「実はあの大仏ロボット、単なるまやかし、でくの坊にて、皆様方

の力でも十分に倒せた七のでございます」

 落合レイモンの助けのことは言えなかった。

 

「ご謙遜、ご謙遜」

「奥ゆかしい方じゃ。やはり束日本の方は違うのう」声が飛ぶ。

「いえ、私は京都で製造された者です」

「して、主水殿は、どなたのご製作で」声が続く。

 

「足毛布博士でございま才】

「何、足毛布……」

 一瞬、群衆は静まリ返った。

 

現在の西目本ロボットが、このような苦汁を賞めている原因は、

すべて足毛布博士にある。誰かが、声を上げていた。

 

「足毛布博士を血祭りに上げろ」

「そうだ。この西日本ロボット奴隷制の諸悪の根源、足毛布を倒せ」

 すべてのロボットが唱和しでいた。

 

「皆様方、落ち看いてくだされ。まずは機械城を打ち滅ぼさねばな

りますまい」

「そうじゃ、それにまだ機械城にはロボ忍がおる。さらにはシュト

ルフ率いる聖騎士隊も残っておる。そして、まだ、機械城の内部構

造も明らかになっておりません」

「皆で押し出そう」

「おっ」

一同は再び唱和した。

 

 機械城の前まで、反乱ロボットは達していた。

山本が皆の前で大勢を止めで喋った。

 「よいか、、皆、我らロボットが解散の時はきた。空母ライオン丸

を沈めた我々に、何を恐れることがあろう。皆々様の力を合わせて、

この機械城を攻め滅ぼそう」

 

 地下坑道は、すべてこの機械城の下から発していた。

いわば、地下坑道あるいはロボット動員制のシンボルがこの城だった。

さらには、ロセンデールという外界からの圧力のシンボルでもあった。

 

 機械城を見上げるロボット反乱軍の各々のロボットの胸のうちに

は、いろいろな苫い思いが内蔵されていた。怒りに似たものが彼ら

ロボヅトの心のうちにたぎっていた。

 

 「力押しじゃ、一気に攻め落とせ」

 主水ですら、最初にこの機械城では、苦い思い出かおるのだ。人

間として扱われていなかった。

 

東日本で旗本ロボットとして扱われていて、それが普通になっていた。

自由人から奴隷へ。世界が変わったのかとさえ、思った。

そのような世界に押し込められているロボットたちを思った。

 

また、地下坑道での重労働も思った。

まるで人間の古い歴史時代の出来事ではなかったのか。

 が、一番気掛かりなのは、ロボットたちの怒りがロセンデールで

はなく、直接には足毛布博士に向けられていることだった。彼らが足

毛布博士を捕まえたならば、恐らく血祭りにしてしまうだろう。

 

 主水にとって、足毛布博士はやはり生みの親だった。どんなにひ

どい親でも、親は親だ。

 城内の方からは、まるで物音ひとつしない。逆に不気味だった。

 「山本殿、これは」

「あやつらのことです。何か悪巧みをはかっているのではないで

しようか」

「連絡を緊密にな」

 城門をまず破ろうとする。

 

 一瞬、数体のロボットが吹き飛ぶ。最初に入ったロボットたちは、

黒焦げになっていた。両側の柱が放電管になっていたのだ。何百ボ

ルトもの電流が流れていた。

 「いかん、からくりを城のあちこちに設けていそうだ」

 「いかがなされました山本殿」

 「主水殿。どうにもあの門を突破できぬのでござる」

 城門の前には、今吹き飛ばされたロボットの残滓が散らばってい

る。

 「よろしい、山本殿。クラルテの格納庫、この側にございましたな」

 クラルテをいかがなさる。あ、さようか」

 「そうです。クラルテを暴走させて、この門を潜リましよう」

 「しで、方法は」

 「おまかせあれ」

 主水は、自分の運命をかえた、クラルテの暴走を思い起こしてい

た。

 格納庫には三十機のクラルテがチューンナップされて格納されて

いた。クラルテの電子頭脳の配線を、知恵に命じて改造する。

「さあ、これで第一関門は突破できるじやろう」

 

 クラルテは、大爆走を始めた。皆は城門に達する。

しかし、門の放電管が発光する。

そのきらめきの中に次々にクラルテが投入する。

次々吹き飛ぶがその障害を除けてクラルテは入場している。

いくつかが直接に放電管と触れ合う。

爆発音がこだます。門の放電管は壊れていた。

 

(続く)

ロボサムライ駆ける第五章 ■ロボサムライ駆ける■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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