yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

東京地下道1949■第14回鉄は図面に従い江戸時代に構築、最近急激に改装されてた地下道を使いムサシのアジトに。がムサシの膂力に負けそうに。その時竜が登場。3つ巴の争いだ。

C東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949■第14回鉄は図面に従い江戸時代に構築、最近急激に改装されてた地下道を使いムサシのアジトに。がムサシの膂力に負けそうに。その時竜が登場。3つ巴の争いだ。
 

東京地下道1949■第14回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

 ●http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

大名庭園の池のそばに、目ざす石灯篭の基部は残っていた。

石灯篭を力いっぱい動かそうとする。やっと動き始める。

 

池であったらしい底が真っ二つに裂け、巨大な穴が開く。

階段が、暗闇の中へといざなっている。

 

鉄は壊中電灯を持ち、階段を降りて行く。

地図通り、トウキョウ城の抜け穴だ。江戸時代、トウキョウ城構築の折、造られ、江戸時代から後世に整備されていった地下隧道なのだ。

 

太平洋戦時中の地下壕の比ではない。大きな地下空洞だ。

 

トウキョウ城本丸へ行くこともできるが、鉄はムサシのアジトのピルがちょうど別の抜け穴

の出口にあたることに気がついていたのだ。

 

本道にはいる。

地下本道は一段と広い。

 

ここは何という広さだ。と鉄は思った。

ゆうに車2台が並んで走れるくらいだ。

鉄は壊中電灯を消す。灯火が所々にともされているのだ。

 

近代的な電線や配線が天井部に、はりめぐってらされている。ごく最近人の手が加えられている。

 

遠くトウキョウ城の方だろうか、工事の音らしいものが聞えてくる。危険を感じた。

誰かに出くわすかもしれない。すばやく行勤し、ムサシのアジトヘいそがねば。と鉄は思った。

 

足音が近づいてきた。

鉄はあわてて、地下道の天井の配電線によじのぼる。逆さまにしがみついた。

 

ロシア語の話し声が聞えてきた。

三人のソ連兵が通りすぎていった。鉄には気がつかない。

 

すでに、ソ連軍はトウキョウ城の地下道を発見し、開削し、拡張し、

アメリカ軍に気ずかれないようにトウキョウ市アメリカ占領地区の地下まで

、侵攻用の拡大な軍用道路を建設していたのだ。

 

彼らがとうりすぎた後、鉄はあわてて、ムサシのアジトの方へ向った。

後に、現在の地図を落としたのに気がついていなかった。

 

鉄は途中、地下道で、他のソ連兵に出ぐわさず、旧区役所の建物の抜穴へたどりつくことができた。

 

竜の意識.がもどってくる。

見渡す。

くそ鉄め。鉄はいない。

 

鉄の行動はどうもおかしい。

さらにムサシが恵をさらった理由がつかめない。

 

鉄が今日の襲撃の一件に関係していたのだろうか。

 

そういえば地下壕であった時、鉄はかなり憔悴していた。

地図のことも気かかりだ。

伸藤の言ったことも気になる。とにかくムサシのアジトヘ急がなければならない。

 

車を動かそうとした。キーがない。鉄がぬいていったのだ。

車の配線をつないで、エンジンをかけるのに時間がかかった。

しかし車の座席に「トカレフ拳銃」が一丁隠されているのを発見できた。

 

ムサシのアジトは、旧トウキョウ区役所の壊われかかったピルだ。

竜は、あたりを見わたし、はいっていく。争う音が聞こえてきた。

 

鉄は、後から、急にムサシにとびつく。

上背でも力でもかなりの差がある。急襲しかない。

 

ムサシの膂力は、予想以上だった。

彼の体は、筋肉の固まりだ。

首すじにかかっている、ムサシのナイフを手でつかみ、

おしもどした。

さらに、足払いをかけ投げとばす。

左手は血だらけになり、つかいものにならない。                   

 

ムサシは、手近かの鉄棒を右手に持ち、ふりまわした。

鉄に肉迫してくる。

 

鉄は、棒をかわし、ムサシのふところへとびこもうとする。

ムサシは、すばやく鉄のつきだしたナイフをかわし、鉄の右肩から

首にかけて、鉄棒を方の限り降り下ろす、打撃を加えた。

 

鉄は床にあおむけに、勢いよく倒れた。

ムサシは、鉄に近づいていく。    

 

その時、後から声がする。        

「そこまでだ。ムサシ、棒をすてろ、おっと後をむくなよよ」            

「その声は、竜だな。生きていたのか」 

「そうさ、生きていたさ」        

 

ムサシは、振りあげていた鉄棒を、肩の上方から落とした。

それを見て電が安心したー瞬、ムサシは、床に落下寸前の鉄棒を、

右足を大きぐズイングしてけった。

 

同時にムサシはあおむけに倒れた。

 

竜のはなった一弾は、壁にあたっただけだ。

鉄棒はねらいたがわず、竜の顔面に激突した。

 

続く090901改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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