yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

腐敗惑星のアリス第19回「機械城にある最後の楽園へ、ようこそ」 草原中央ドームから、女の子が。 「あなたは」 トリニティは驚く。少女はトリニティと生きうつしだった。彼女はアリスと名のる。

AF腐敗惑星のアリスー宇宙連邦の監視機構の元で封印されている惑星がある。その腐敗惑星内で新生命トリニティが蘇生し、世界の秩序を変える動きが始まる
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腐敗惑星のアリス第19回「機械城にある最後の楽園へ、ようこそ」 草原中央ドームから、女の子が。 「あなたは」 トリニティは驚く。少女はトリニティと生きうつしだった。彼女はアリスと名のる。
 

腐敗惑星のアリス第19回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

「マンガ家になる塾」 山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

■「機械城の内部ならよく知っているよ」ユニコーンは言った。

「どうしてなの?ユニ」とトリニティ。

(よかった、話題をこのまま続けようっと)

「どうしてっていわれても。記憶があるんだ」

「それじゃひょっとして、昔、あなたはここで造られたの」

「トリニティ、やめてくれよ、僕は一角獣だぜ。生き物さ」

「でも、ユニ、おかしいとはおもわない。あなたがさっき言ったように、

生物はこの星にはいないんでしょ。生物はみな腐敗するのでしょ。じゃおかしいじゃない」

と言ってトリニティは頭をかしげた。

「あなたって、やはり、もしかして機械じゃないの」

「やめてくれよ、トリニティ。僕の体っでは血液はどくどくと流れている。さわってごらん」

トリニティは一角獣の体をさわる。確かに皮膚は柔らかく血液が流れているようだ。

「ほんとだ」

「腐敗するかどうかは、腐敗惑星の風族がきめることだ。僕の、意識があるときからずっと腐敗しないでいた」

「風族の事は、地下羊宮の学習装置で、トリニティは学んでいた。

腐敗をおこす種族だ。身に見えぬ存在だ。それよりもトリニティには

目先のことがききにかかる。

「ねえ、機械城ってどうして作られたの」

「今、ここ腐敗惑星を支配しているのは戦闘16面体なのだ。戦闘16面体は、落ちて来た宇宙船や、機械類を集め利用して、自分の棲息域を作り上げた。機械城には幾つものフロアがある。この戦闘16面体の動きは風は許しているようだ」

「風って意識があるの」

「君って何もしらない子だなあ」

では核心をつこうと彼女は思う。

「いいわよ、じゃあ、物知りさん、どこに「禁断の実」があるの」

「たぶん、最上階じゃないかな。でも、ここ機械城の防御システムは生き物を寄せ付けないシステムになっているはずだ」そうか、場所がわかれば、

「それじゃあ、なぜ、あたし達ははいれたの」

「僕はよく出入りする」

「あたし達は生命体ではないのかしら」これは大きな疑問が。

 急に風向きが変わる。

「ねえ、この匂いはなに」

「残念ながら、わからない」

匂いのする方向に機械城地下基盤通路を進む。コーナーを回り切るとそこは……

「ここは、いったい何よ、本当に機械城なの」トリニティは驚いた。

 地平線まで草原が続いている。

バーチャル空間のようでもある。

真ん中にドームがある。

そのドームからガラスの階段が地面から上がっていた。

しかし、ここは機械城の中なのに、木や草や普通の土がある。

昔の地球みたいと 学習記憶から彼女は思った。

青空もみえる。昆虫や動物もいる。

木々が茂り、この匂いが漂ってきたのだろう。

すべて、トリニティが古代世界のコトとしてチャクラの学習機器から学んだことばかりだった。

それが実在している。

「なぜ、なぜなの」トリニティは叫んでいた。

ユニは答えようがない。彼も始めて、ここまで進んだのだ。

「あっ、花よ、花。ユニ、悪いけど、あの花をとってよ」

「まったく、君は人つかいの荒い子だね。僕は君の奴隷じゃあないぜ」

「あなたはレディにたいする態度ができていないわよ。それに、あたしがあの花を髪につけると似合うと思うの」

 ユニはいやいや、花を取ってトリニティに渡す。

「どう、ユニ、きれい」

「どっちがさ。花か君か」

「あたしに決まっているでしょう、ユニったら何を考えているのよ」

「おいおい、仲のよいご両人」

急に木のところから声がする。ユニは身構える。

「誰だ」

「俺かい。俺は蛇だよ」

 木の幹のところから全長1mくらいの蛇が姿を現す。

「ああ、あなたが蛇なの」

「トリニティ、君は知っているのか」

「ええ、機械教師にならったわ。あたしたちに何か」

「いいことを教えてやろう」

「何」教えるですってもううんざりなのに。

「このリンゴの実を食べてごらん」

蛇は、この木に実っている果実を示した。

「それを食べたら、どうなるの」

「賢くなるさ」もう賢くなるなんて

いいわよ

「いいわよ、あたしはこれで充分」

「僕もさ」

「食べてもらわないとこまるんだ。俺がね」

 蛇が急に、トリニティの口を目がけて何かを投げる。それはトリニティの口に飛び込む。

「何よ、これ」

「何をする」

「うるさい奴だ」

蛇は急に飛び掛かり、一角獣ユニの首を自らの体で締め上げる。

「何よ」

トリニティはその蛇をユニから取り外そうとする。

がトリニティの体から急に力が抜けていく。

「何が入っているの」蛇のからだを一角獣はかみ砕く。

「この蛇は機械だ」蛇はバラバラになり地面に転がる。

突然、上の方から声がする。

「機械城の最後の楽園へ、ようこそ」

草原中央部にあるドームから、1人の少女が出てきて、2人に向かって言っていた。

「一体あなたは」

彼女を見て、トリニティは冷汗がでる。ユニもびっくりして声がでない。

 その女の子はトリニティと生きうつしだ。

こんなことってあるの。彼女は思った。

「あたし、あたしの名は「楽園のアリス」よ。びっくりしているでしょう、トリニティ」

「なぜ、あたしの名前を」

「あたしは何でも知っているわ、チャクラのこともね」

「一体アリス、君は…」ユニが疑惑の声をあげる。

(続く)20210920改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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