yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

夢王たちの宴■第22回■ゴルゴダシティ宮殿でコンテストが。 次々プレイヤーがビブラフォーンに命を 。次は超能力者3人組ハーンが。彼はジェイを神の左手 として異世界にして叫ぶ。

YK夢王たちの饗宴--(ドリームドラッグ・ウオーの跡)夢世界の入り組んだ異世界、最高の夢王は、だれなのか? なぜ、この夢世界はできたのか?ドリームドラッグ・ウオーとは?
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夢王たちの宴■第22回■ゴルゴダシティ宮殿でコンテストが。 次々プレイヤーがビブラフォーンに命を 。次は超能力者3人組ハーンが。彼はジェイを神の左手 として異世界にして叫ぶ。
 

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第22回■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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■第22回■

 最初のプレイヤーがビブラフォーンに体をあずける。

 そいつは「やめてくれI」と大きな声をあげたが、観客からは笑

い声しか返ってこなかった。

おかげで、すぐに楽曲の第1章もプレイしな

いうちに死んでしまい、観客からは非難の声があがっていた。

観客は騒ぐ。怒声だ。

「そんな奴をビブラフォーンプレィヤーにいれるな」

「水ましのビブラフォーンプレィヤーをいれるな」

 感覚世界は、そのプレィヤーが弾きおわるまで持続する。

しかし、プレイヤーが、途中で死亡すると、中途ハンパな感覚を観客にあたえ、後味が悪いのだ。

 コンテストは中盤をすぎ、すでに何人かのプレィヤーがビブラフ

ォーンの中に同化されていた。

まだ、楽局額局の最期までひき続けた者はいない。

 次のプレィヤーが舞台の上に連れてこられた。

例の超能力3人組の一人ハーンだった。

「いやだ、俺も死にたくない」

 ハーンは舞台の上で暴れている。ふと、ジェイが横にすわっているのに気

がついた。

「おい、あんた、ジェイ。こいつらをとめてくれ、ここの世界をあんたの力で新世界

にしてくれ、お頑いだ」

 ハーンは暴れまわるが、モーターたちにとりおさえられる。

超能力は効かない。ハーンにはそんな薬と処理がされていた。

「なぜ、答えてくれないんだ」

泣き声だった。

 「もし、止めることができないなら、いいか。あんた俺ハーンの意識を今度の新世界

界では、より高い地位の人物に刷り込んでくれ、頼んだぜ」

ハーンはジェイの方をにらんでいる。

「わかったのか、おい、ジェイよ。「神の左手」よ」

ジェイはわずかにうなずいた。意味かわからなかったのか。

 ハーンは暴れるををやめた。モーター達に向かっていう。

「わかったよ、お前ら、俺ハーン様がすばらしい曲をひいてやるよ。見てい

ろ。曲名は「ハルフォードの稲妻」だ」

ハーンがプレイする曲名が、司会者から告げられると。観客がどよめいた。

 ハーンは目を血ばしらせて、ビブラフォーンにむかう。

四肢をそ

れぞれのビブラフォーンの部位にかけて、顛を、ビブラフォーンの真中につっこんでい

る。

「ハーン様の、よーし、一世一代の演奏だぜ」

 ビブラフォンの演奏が始まった。

 あたりに。霧が立ち込み始め、天候が急変してきた。

 しかし。数十分。

ハーンは死力を尽していたが、やはり、彼もこときれか

ハーンの死体の四肢がビブラフォーンにあわせて踊っていた。

いたいたしい感じを観客も感じた。

 天気は、ハーンが死ぬと同時に快晴に向かい、

ビブラフォンの音だけがうつろに響いていた。

(続く)

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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