yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

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石の民「君は星星の船」第2回■機械神殿の機械神は、北の詩人に命令をだすという。北の詩人が反政府組織に属しているとしりながら。

IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?
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石の民「君は星星の船」第2回■機械神殿の機械神は、北の詩人に命令をだすという。北の詩人が反政府組織に属しているとしりながら。
 

石の民「君は星星の船」 第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

詩人が連れて行かれたのは、機械神殿の中だ。

機械神殿、この世界のすべてを支配する所。謁見の間だった。

チリひとつおちていないクリーンな雰囲気と外観、この内装はまる

で北の詩人がふつりあいであることを示していた。

機械神が機械神官を2機つれて、詩人の前に姿をあらわした。

 機械神官はヒューマノイドタイプ。背面から後光がさしている。

機械神は黒いのめりとした64面体だ。高さは50mはある。その物体が浮遊していた。

「詩人よ、顔を上げたまえ、神の前だが今日は特別に許そう」機械神官がいった。

 この世界に住む生物体で実際の目で機械神を目の前にできるものは数少ない。

詩人もテレビの映像で神の姿を目にはしていたが、実際に目の前にすると、おぞけがふるった。

の巨大なるものと我々は戦おうとしているのか。

詩人は自らの体の矮小さを感じた。ひざががくがく震えた。

恐怖心が体じゅうをかけまわっていた。

 機械神は突然しゃべりはじめた。

「詩人よ、君におおいなる役割を与えよう。君自身、想像もしなかった大きな役割だ」

機械神の声は大きく、心にうちこむくいのとうに詩人に響いた。

詩人は畏怖に気を失いそうになる。

「機械神、私はちいさき者、ただの吟遊詩人にすぎません。ただただ、あなたさまの前で

はふるえるだけでございます。

私にそんな大役がはたせましょうや」

詩人はようやく、これだけの言葉をはきだしていた。自分自身でも声がかすれているのがわかった。

詩人は機械神のそんな言葉に驚いていた。

ねらいはどこにあるのだ。言葉の裏には何があるのだ。

「詩人とやら、隠すでない。君が私達、機械神に対する反政府組織の指導者であることは

調べがついている。だからこそ、私は君にある役割をはたしてもらいたいのだ」

 なぜ、神が我々の事を知ったのか。管理機構は組織をどの程度まで把握しているのだ。

さて、この機械神は何を私に命令しようというのだ。詩人は思う。

「考えているな。詩人よ、どうすればこの窮地を脱出できるかをな。しかし詩人よ、誰も

おのが運命から逃れる事はできはせぬ」

機械神の体のそこここにスポット光があてられている。神秘さが、増していた。

「詩人よ、おまえが自らの運命から逃れられないように、我々もまた、自らの運命から逃

れることはできぬ」

 次の一言が、詩人を驚かせた。

「詩人よ、我々の世界は滅びる。収斂するのだ」

この神は私を驚かそうとしているのか。

「はて、恐るべきお言葉を。機械神の御言葉ともおもえませんが」

詩人の心には猜疑心が芽生えている。

石の民「君は星星の船」 第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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