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石の民「君は星星の船」 第15回■Bグループの光二は、姉ありさの死をいたんでいたが、対抗するVグループキッズのハーマンとローレルにスキを突かれる。 2021年12月07日 | 石の民「君は星星の船」(1989年)

IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?
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石の民「君は星星の船」 第15回■Bグループの光二は、姉ありさの死をいたんでいたが、対抗するVグループキッズのハーマンとローレルにスキを突かれる。
 

石の民「君は星星の船」第15回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

有沙は子供の頃から、この指輪を大切にしていた。幼い頃は指が細かったので首から下

げていた。

大きくなって、光二が指にさしてやった。二人は血のつながりはない。

光二は有沙の指にはめながら、キスをした。ふたりはかんきわまっていた。血の契りであつた。

「光二、私達がゼータ生存ステーションで生き残ったように、二人はいつも一緒だよ」

「わかっているよ。姉さん、俺達はいつも一緒なんだ」

 あの時、光二は有沙の死体から指輪を抜き取っていた。騒ぎのあと、すぐ、星間平和維持チーム

がやってきた。

光二は参考人として、拘留された。

この部隊員が有沙の死体にさわろうとする。光二は叫んでいた。

「アネキの体にさわるんじゃあねえ」

平和チーム隊員はこの星の人間ではない。だから、極めて事務的に処理する。

車から移動バーナーを持ち出し、彼女の死体を焼き切っていた。

姉、有沙の死体が燃え上がる前で、光二は泣き叫んでいた。

「アネキー、アリサー」

「おまえが最愛の姉をなくし悲しむのは、いいんだけれどね」あてつけがましく、アキヨ

シが言う。

「なんだよ、アキヨシ、文句でもあるのか」 光二はこのアキヨシがアネキにちょっかい

をだしていると聞いていいた。

「今、我々Bグループがどうなっているのかわかっているのだろうな」詰問調だ。

「アキヨシよ、ヘッドは俺だぜ。俺の言葉が法律なんだ」光二の言葉は怒りをふくんでい

る。

「わかったよ、おまえがボスだよ」アキヨシはホースをドームの中央に去っていく。

 光二はコアで少し考えていたあと、ホースに乗って外にでた。気分をまぎらわすためだ。

といって、

Bグループの仲間のキッズと顔を合わせる気にはならない。

ドームの中を目的なく飛んでいた。

ふと気付くと、あの場所だった。光二はそこに降り立つ。

 光二が有沙が死んでいた場所にたたずんでいるのを上空から見ている二人がいた。

光二のBグループと対抗するVグループキッズのハーマンとローレルだった。

「あいつがいったとうりだな」背が高いハーマンが言う。

「またとない、チャンスじゃないか。あいつはひとりだぜ」にきび面で、だるまのような

ローレルがいった。

「おまけに考え事をしているぜ」

「よーし、いこう、ハーマン」

「めにものみせてくれる」ハーマンがほくそえんだ。

 光二は急に後ろから捕まれ、上空につりあげられる。光二はあらがう。姉の事を考えて

いて、注意力がそがれていたのだ。

「光二さんよ、我々におとなしく、ついてきてもらおうか」えらく背の高い奴がいってい

た。

石の民第15回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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