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源義経黄金伝説■第30回平泉の藤原秀衡が、源義経こそ、鎌倉の源頼朝の打倒の旗印とし、軍勢をあげると、頭を下げる。

 
YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと
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源義経黄金伝説■第30回平泉の藤原秀衡が、源義経こそ、鎌倉の源頼朝の打倒の旗印とし、軍勢をあげると、頭を下げる。
 

源義経黄金伝説■第30回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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「何を気の弱いことをもうされます。この奥州の地は敢馬の地。もと

より義経殿の戦ぶり、この地で培われたのではありませぬか」

西行義経に言う

「……」

「そのために、私はこの地を陰都かげみやことしょうと考えるの

です」

「かげみやこ、、ですと」

「東北の地を納める京都です。政庁には京都からどなたかをお招きし。

そして祭神は、崇徳帝様でおおう」

義経は、西行の話に引き込まれている。この平泉を救う事、また義経

を救う事を西行は話しているのである。

それには、頼朝に対して平泉の黄金をつかい、頼朝をとどめる。また、平泉を

安泰にするため京都から皇族をよび、崇徳を祭神として京都の陰都に

しょう。そして平泉と京都が連携し鎌倉を牽制しょうという策である。

■■一一八六年(文治2年)4 平泉

秀衡の政庁を、西行がおとづれている。

現れた秀衡に土産がございますと、西行はある巻き物を広げた。

「これは…」

 秀衡の前に広げられた絵図。

鎌倉の地図だった。

それに何やら矢印が付け加えられている。

「まさか…」

驚きを隠せない秀衡に、にこりとしながら西行が言った。

「ほんの手土産です。秀衡様とは長い付き合いでございます。ほんのお礼です

よ。私は鎌倉の地をよく見て参りました。戦いはどうすればよいか、

また守るにはどうしたらよいか。加えて、この知識と絵図を東大寺

重源殿に送り、できあがったのが、この絵図です。重源殿とは、ご存

じのとおり、俺とは高野山で若きころよりの知り合いでございます。また、中国に二度渡り、中国・宋の都市建築を見て参られた。新しきまち、鎌倉の欠点

、南の海岸にあります」

「南の海,つまり由比ガ浜から攻撃せよとおっしゃるのか」

「さようです」

「水軍が必要となろうが」

「そこは、それは秀衡様は、水軍にお強い吉次を初めとしてな。加え

て、義経様の者共、水軍出身の方が多くございましょう。また、弁慶殿は熊野水

軍ともお近い。平泉水軍、安藤水軍、熊野水軍、伊勢水軍、加えて西

国の反源氏平家勢力を加えれば容易いことでこざいましょう。相手は

伊豆水軍となりましょう」

「おお、何と」

「しかし、よろしゅうございますか。必ず総大将は義経様となされませ」

義経様こそ、反頼朝公の旗印です」

西行殿、ありがとうございます」秀衡は頭を下げている。

「いやはや、これはこれ、この東大寺のためのが沙金をいただいたほんのお礼

。まだまだ、秀衡様には生きていただいて、働いてもらわねばなります

まい」

「ほんにのう。日本を京都と平泉を中心とした仏教王国にするために

は、それが必要でございましょう」

秀衡はにこやかに言った。

伊勢神宮の方はいかがかな」

「それはそれは、私の知恵の糸を使い、この仕事を終えて、京都へ帰っ

たのち、再び、重源様をはじめ三百人ばかりの僧を、伊勢神宮に参らせ

るつもりでございます」

西行殿のお考えは、さようなこと、できようか」

秀衡も、西行の考えに興奮して答えた。

「ふふう、秀衡様、西行もそれくらいのことはできるのでございますよ

。さらに、このおりに、伊勢神宮にいろいろな歌を報じます。名ある歌

のいくさ人、歌人にお願いしていて、「しきしま道」による国家の防衛、

平和祈願を行います」

「ほお、例えば、どなたかな」

「近ごろ、よい歌を作りよる藤原定家殿とか」

「おおう、よくお名前は聞く。さすがは西行殿、京都の、いや日の本の

歌事、「しきしま道」の総元締めでおられるのか」

「いやはや、然様な者では、私はございませぬ」

「ふふう、そうなれば、やはり後白河法皇様に進められ、出家なされた

のも無駄ではございませんでしたな」

「ふふ、そのことは、他言無用にしてくだされませ」

西行は、後白河と話し合いをした案を、秀衡に話、京都と平泉の連携作戦を

話し合い、その時はいつまでも続くように思われた。

続く2012改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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