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聖水紀ーウオーター・ナイツー第14回■地球での目的を達した聖水人は、聖水騎士団の壊滅をはかる。一人、聖水騎士フガンのみが生き残る。

 

2021年12月26日 | 聖水紀ーウオーター・ナイツー
SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?
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聖水紀ーウオーター・ナイツー第14回■地球での目的を達した聖水人は、聖水騎士団の壊滅をはかる。一人、聖水騎士フガンのみが生き残る。
 

聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第14回■1976年作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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聖水紀[第8章]

聖水神殿の中央大広間に聖水騎士団が結集していた。

聖水人数名が出てきて、騎士団は静まり返る。

『聖水騎士団の諸君、本日をもって聖水騎士団は解散する』

聖水人のひとりが発表した。

「何ですって」

「どういうことです」驚きの声が聖水騎士団かのあちこちからあがっていた。

「まさか、『みしるし』を手にいれたからではないでしょうね」発言したのはフガンだった。

『そのとうり。我々が『みしるし』を手にいれたからだ』

「じゃ、やはり、あの『みしるし』はベラだったのか」

「そう、そのとうりだ。我々が探していた『みしるし』はベラの体の中にあった」

「それで、あなたがたが地球での役割を果たしたので、我々聖水騎士団はご用済みという訳ですか」聖水騎士団団長アマノ博士が冷たく言う。

「そうだ。我々は『みしるし』を手にいれたことで、地球にきた目的の一つは果たした」

「一つですと、まだ、何か」アマノ博士がつづける。

「アマノくん、まだ、わからんのか。アマノ君ですら」

「我々、地球人が宇宙意識をもつという」アマノ博士がさらにつづける。

「そういうことだ。それには一番必要なことが残っている」

「まだ、何か、望んでいるのですか」

「そう、肝心なことがまだなのだ」

「一体、それは」

「地球人全体を我々、聖水の仲間にすることだ」

「あなたがたは、いったいまさか」アマノ博士が驚きの表情で叫ぶ。

「アマノくん、君の思うとうりだ」

「団長、いったい聖水は」アマノの顔は気色ばみ、皆の方をふりかえった

「聖水人を滅ぼせ。こいつらは人類を完全に融解し、聖水に飲み込もうとしている」

「何ですって」

「そんなことが」

聖水騎士団より、驚きの声があがる。

『ようやくきずいたようだね。そのとうりだ』

騎士たちは目の前にひろがる神殿の聖水プールにたいして攻撃をしょうとする。

が、いかんせん聖水人の敵ではない。

神殿の聖水プールや広間の四方の壁が崩れる。聖水があふれる。

聖水の波は聖水騎士団たちの体を持て遊び、波間に飲み込んだ。

『これが、宇宙の意志というものだよ』聖水人はそう告げた。

「わたしは」聖水騎士団1人フガンの意識がもどる。

「なぜ、私は」

『君には、用事がまだある』聖水人がいった。

「私フガンがあなたがた聖水人にしたがうとでも」

『そうせざるをえんだろうね』聖水人はいいはなった。

「生きるも地獄、死ぬのも地獄。それならば、すこしばかり個人の意識として生きながらえてみますか。このわずかばかりの生命を楽しんでみましょう」

フガンは聖水騎士団の姿のまま、叫んでいた。元の神殿の聖水まみれの中で

その声は虚しく響いた。

聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第14回■1976年作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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