yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

東京地下道1949■第13回竜の妹、恵を救うため戦争孤児の頭、ムサシのアジト前に鉄と竜2人。鉄は米軍襲撃を漏らした事を隠し、竜を気絶させ、地図を見て地下道へと入る。

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949■第13回竜の妹、恵を救うため戦争孤児の頭、ムサシのアジト前に鉄と竜2人。鉄は米軍襲撃を漏らした事を隠し、竜を気絶させ、地図を見て地下道へと入る。
 

東京地下道1949■第13回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/

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戦争孤児グループの長、ムサシは誰も信じない男だ。

彼の人に対する信頼感は、戦争時の体験によって完全に破壊されていた。

 

彼の学校の教師は、厳しく、愛国主義を教え軍事教育を旋してきた。

また、さらに、人格者であるという評判もあった。

ロシア軍の戦車T34を前にして、彼は生徒達をほおりだし、自分だけ助かろうと逃げたのだ。

 

ムサシの学友は皆殺しにされた。

 

ムサシは執念深く、その教師の男を、ソ連侵攻軍前線からの逃亡者の群れから捜し求め、みつけ殺した。ムサシに対して、彼は土下座し謝ったが、許さなかった。

 

ムサシのアジトの二階に恵がしばられ、ころがされていた。

ムサシのアジトはトウキョウの旧区役所でピルの廃墟である。

 

「心配するな、恵、お前には手を出さない。鉄を殺ったら、すぐ帰してやる」

「鉄が、あんたなんかに、殺されるもんですか」

ムサシは、ふっと笑う。

 

「ふ、恵、それはどうかな。とにかく奴を殺らなきやならないからな。掟があるんだ」

「掟ですって?」

「いいか、恵。奴のおかげて、何人もいた俺の仲間が全滅したんだぞ。奴が食糧トラック襲撃の一件をぱらしたんだからな」

「しかたがないわ。保安部につかまったんですもの」

「ほう、やはりな」

恵は、ムサシの誘導質問にひっかかった。

 

「鉄が、襲撃の件をばらしたことに間違いはないようだな。

仲間をうらぎらないというのが俺たちの掟だ。しかしなぜ、お前がそれを知っているんだ」

「私が、鉄を助けたのよ」

 

「何、お前が。恵、ふーん。お前は気の強い女っ子だな」

「お願い。鉄を殺さないで」

「今度は、、お願いか。、、だめだな。掟だからな。鉄も、充分それを承知しているはずだ」

 

「でも」

「うるさい。鉄のおかげで、皆、仲間が死んじまったんだ。お前の兄貴、竜もだ」

「えっ、兄さんも」

 恵の顔色が変る。

 

「そうだ、それでも、、まだ、、鉄をかぱうのか」

 答えはなかった。恵は青い顔になる。兄さんが死んだ。

 

鉄は、ムサシのアジトの、かなり手前で車を留める。

「どうした、鉄」

「悪いが、竜。ここで待ってくれ」

「どういう事だ、鉄」

「これは、ムサシと俺の問題だ。お前は関係ない」

「関係ないだと、恵ぱ俺の妹なんだぞ。どういう口を聞く。

鉄、いいかげんにしろ」

 竜は、鉄をつかもうとした。

 

一瞬、早く鉄は体をかわし、竜に足けりをいれた。

みぞおちにきまる。竜は気を失った。        

「竜、すまない。すべては俺が、米軍保安部に食糧車襲撃の一件をばらしちまったことから、おこった事だ。恵は、、必らず俺がとりもどす。ゆるしてくれ」

 

竜を車にのこし、鉄はくずれかけた屋敷の前で立ちどまる。

鉄は、はるかにかすむトウキョウ城をながめた。

 

トウキョウ城は、戦災を受けずトウキョウ市の真中にそびえたっている。

 

しかし、日本の象徴であったトウキョウ城は、ソ連軍の占領地区にあるのだ。

 

トウキョウ城をみながら、目測し、磁石をとりだし、方向を確かめる。

例の地図と現在のトウキョウ市の地図を見ぐらべる。      

「どうやら、ここらしいな」        

 

 鉄は独りごち、江戸時代の旧大名屋敷の庭へ忍びこむ。

 

トウキョウ市攻防戦の際、かなりの被害を受けたらしく、荒れはてて人影はない。

庭園の池をさがす。池も見るかげもなく、干上がり、形が辛うじてわかるくらいだ。    

 

(続く)続く090901改訂

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東京地下道1949■第12回鉄と竜はアジトに戻るが、MGBに急襲される。からくも生き残った二人は、故買屋進藤の店から武器を調達しようと するが、ここにもMGBの手が及び燃え上がっている。

 

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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本文編集

東京地下道1949■第12回

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一人の男が竜のアジトから少し離れた所から見張っていた。

 

竜と鉄が中へはいっていったあと、男は、写真をとりだし、

一人うなずいた。

停めていた車にもどり、車中にしまいこんでいた、タンクと噴霧器をセットし始める。

 

鉄は竜を押し倒し、首をしめていた。

くそ、話せ、鉄、話すんだ。白状しろ」

 

その時、急に熱気が2人を襲う。火災が建物をなめる。

バラックだから火のまわりは早い。

 

「くそっ、火災放射器をつかいやがったな。アメ公か、ロシア野郎か」

「よし、早く、地面に隠れるんだ」

このような状態を想定し、アジトには、秘密裡に、おおきな水がめを地面に埋めてあった。

 

いよいよ建物がくずれおちかけた時、水がめに身をひそめ、上にトタン板をかぶせる。

 

男は、火災放射器から火を噴出しながら、

竜と鉄が逃げだしてくるのをゆっくりと待っていた。

 

飛び出して来た瞬間に、噴出ノズルを、彼らに向けるのだ。

彼らは生しておいてはならぬ。

そうMGB(ソビエト保安省)のエージェントの彼は、命令を受けていた。

 

彼はじっと待つ。

小屋はついに焼けおかちている。

波らは姿をあらわさなかった。

 

彼は、火災放射器ノズルをかまえ、くすぶる焼けあとへ

ゆっくりと近づいていく。

 

足もとから手がのび、彼はひっぱられた。

地面から少年達が急に出現する。

ノズルを向けようとするが、片足を水がけにつっこんでいて身動きが遅れる。

ノズルのスイッチを押したのと、鉄のナイフが、ノズルとタンタ間のパイプを

貫ぬくのとが同時だった。

 

タンクからガソリンが流れ出し、焼けあとの残り火に引火した。

爆発がおこった。

男は肉片となり吹き飛ぶ。

 

「また、助けられたな、鉄。とりあえず休戦だ」

「ここにいてはあぷない。恵を助けるのをいそごう」

 

男の車が、乗りすててあった。

ペンツだ。鉄が運転した。竜が尋ねた。

 

「どこへ行くつもりだ。鉄、ムサシのアジトは反対方向だぞ」

「俺にまがせてかけよ。竜。進藤の店へ行くんだ。」

「なぜだ」

「考えてもみろよ。進藤は俺が殺した。いまは誰もいない。武器だよ。

武器があるはずだ。進藤の店にはな」

火の手があがっていた。

故売屋 進藤の店が燃えている。MGBのしわざに違いない。

 

「車をまわせ、早く」

竜が叫ぶ。

「この車に気づかれたら、おしまいだぞ。」

伸藤の店から少し離れたところで、鉄は車をとめた。

 

「様子をみてくる」

「気をつけろ」

 鉄はすばやく、伸藤の店へ近ずく。

一昨日、ライリーに追われた折、すばやく隠した地図をひきずりだす。

 

じっくり見渡す。進藤の説明通りだ。

 

現在の地図が、車のダッシュボードにはいっていたので見比べる。赤丸をすばやくつけ、その地点の箇条書きを詳しく読む。

そう、ぐずぐずしてはいられない。

 

ペンツにいるあの男の仲間が気がついたら、おしまいだ。車に駆け戻った。

「どうだった」

「だめだ、中にははいれない」

「じゃ、次はムサシのアジトヘいくか」

 

続く090901改訂

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東京地下道1949■第11回鉄とアジトへ急ぐ竜。 2人の前で故買屋、進藤が、ソビエトの諜報機関に地図を売ろうし抹殺されるのを目撃。江戸城地下道の図面と判明。さらに竜の妹恵がムサシに誘拐される。

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949■第11回鉄とアジトへ急ぐ竜。 2人の前で故買屋、進藤が、ソビエト諜報機関に地図を売ろうし抹殺されるのを目撃。江戸城地下道の図面と判明。さらに竜の妹恵がムサシに誘拐される。
 

東京地下道1949■第11回

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故買屋、進藤は、写真の現像をおわり、ほくそえんでいた。

この写真、いくらになるだろう。鉄から取り上げた地図だ。

もちろん、今日会うソ連側の、MGB(ソビエト国家国家保安省)のエージエントだけに売るつけるつもりはない。

アメリカの情報部OSSも、もちろん高く買うだろう。

 

「それじゃ、金をたしかめろ。このカバンの中だ」

 MGBのエージェントは言った。

「いや、これはどうも、、、」

 仲藤は地図の写真のはいった袋を置き、MGBのエージェントのカバンを開けた。

 

瞬間、毒ガスが、かばんから、進藤の顔面に吹きつけられた。進藤は意識を失なった。

男達は仲藤を車に乗せ、アルコールをむりやりに仲藤の口に流し込み、加えて服にもかけた。

途中の橋の上で単をとめ、まわりに人がいないのをみはからって、そのまま神田川へ投げこんだ。

 

「おい、あれは進藤だぜ」

「なに、故買屋の進藤だって」

 

竜と鉄はアジトヘ帰る道で、遠くの橋の上のでき事に気がついた。

鉄は、昨日の伸藤のあわて方から見て、あの地図が、かなり貴重なものだと感じていた。

それを知る手がかりは、今の所、進藤に聞くしかない。

 

鉄を保安部に売ったのが、進藤だとしても助けざるを得ない。

鉄は竜に手助けをたのんだ。

 

神田川へ人り、進藤の沈んでいる所へ泳いでく。

二人でひきずって、河岸へ寝かせた。

幸い、死んではいない。

水をはかせ、寝かしていると、目ざめた。ぼんやりと鉄と竜を認めた。

「鉄か、お前に助けられるとは皮肉だな」

 1人毒づいた。

「くそっ、MGBの奴らめ」

「あいつらは」

「そうだ、アメリカ占領地区で暗躍するMGBのエージェントだ」

「進藤さんよ、教えてぐれ。あの地図は1体何なんだ。」

 進藤は少し考え込んだ。

 

「しかたがない。俺の命を助けてくれたお前の事だ。お礼に教えてやろう。あの地図は、江戸時代にトウキョウ城が造られた時の抜け穴の地図だ。

抜け穴といっても、地下トンネルという意味だ。

現在でもそれが在るとのことだ。

江戸時代、長崎出島にいたシーポルトに、この地図を、ある日本人が手渡したらしい。ソビエト軍によって、オランダのシーボルト博物館が接収された時に発見されたのだ。

現在、アメリカとソ連は微妙な状態にある。その地下トンネルが存在するならば、ソ建軍は地下トンネルを利用し、アメリカ軍の武器集積地点に大量の戦車を、気づかれずに送りこむことができるのだ。トウキョウ城は波らの手中にあり、出口は壁の下を通ってアメリガ軍占領軍区にたっしているはずなのだ。1勢にソ建軍戦車が出現し、重要なポイントを押さえれば、現在の軍事バランス

はくずれ、アメリカ軍は、守勢にたたざるをえなくなる」

 

「そうか、地図の事は、よくわかったよ。ありがとうよ」

 鉄は、すばやく、ナイフをとりだし、進藤のノドをかき切った。

「何でだ、、」

進藤の目は、驚きの表情で、目から希望の光を失い、倒れた。

 

「1度でも、俺をうらぎった奴は生きていちゃ困るんだ」

「鉄、あの地図は大変なもののようだな。返せ。俺たちのグループのものだ。あれは」

「ない、今は手もとにない。」

「一体どうしたんだ。」

「それか、地下壕の中で落したらしい。身体検査をしてもいいぜ。それより早く、アジトへもどろうぜ」

 

アジトに近づき、竜は恵の名前を呼ぶ。返事はない。

人の気配はない。やはり、あの襲撃で竜以外は皆、殺されてしまったようだ。

 

アジトの堀っ立て小屋に入り、竜は立ちすくんだ。

壁に紙切れが一枚。

 

「鉄、恵は俺があずかった。話がある。何の話かわかっているだろう。俺のアジトまで来い。ムサシ」

 

竜はしばらく考え込み、おもむろに鉄になぐりかかった。

「何をするんだ。」

「はっきりしろ。お前何か隠しているな、恵とお前は俺たちが外へ出かけている間、一緒にいたことがある。何があったんだ。ムサシとか前の間に」

 

「いや、何もない。昔の、話だろう」

「うそをつけ。それなら、鉄が、恵をさらうばずがない」

 

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東京地下道1949■第10回食料奪還襲撃への米軍の攻撃から逃れ、戦争孤児のムサシは、竜のアジトに。ナイフの鉄は、恵と地下道ではぐれ、頭の竜とアジトに帰ろうとする。

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949■第10回食料奪還襲撃への米軍の攻撃から逃れ、戦争孤児のムサシは、竜のアジトに。ナイフの鉄は、恵と地下道ではぐれ、頭の竜とアジトに帰ろうとする。
 

東京地下道1949■第10回

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「鉄。どこにいるの、鉄、、」

恵は思わず叫んでしまった。

この長い通路の中で鉄とはぐれてしまったのだ。

地下壕はトウキョウ市のすみずみに、はりめぐらされている。

一つまちがえば、迷路のような地下道を堂堂巡りしかねない。

恵は鉄とはぐれてだいぷの時間がたっていた。ろうそくも短くなっていた。

恵はしかたなく自分達のアジトに帰ることにした。

 

 

アジトには、兄達はまだ帰っていないようだ。

寂しく恵は竜たちの帰りを待つ。遅い。いつもはこんなでない。不安がよぎる。

 足音がした。恵はドアを急いで開け、叫んだ。

「兄さん」

 

目の前には190cmを越すムサシの姿がそびえたっていた。

その眼はにくしみと悲しみをたたえて、静かに恵をながめていた。

 

 恵の兄、戦争孤児のグループの頭、竜もかろうじて、攻撃からのがれていた。

爆弾のショックで地面が割れ、地下壕に半死半生でふきとばされていた。

 

竜は、トウキョウ市じゆうに攻防戦用に地下壕が存在していることを、恵から聞いていた。

 恵は地下壕を知悉していた。

ひまがあれば地下壕を歩きまわっていたようだ。

今、ここに恵がいれば、竜は弱音をはいた。

 

他の奴は助かったろうか。いや恐らく。あんなに激しい攻撃を受けのだ。

助かっているはずがない。

自分が助かったのも不思議だ。

 

竜は、はるか、昔のこる、そう、もうはるか昔、御伽噺のような昔だ。

その時期をを暗やみの中で思い知こしていた。

 

彼は幼い恵を背中に負い、怒濤の様なソ建軍の攻撃をのがれたのだ。

何回も兄、恵介からさずかった守り袋をにぎりしめ、つぷやいていた。

 

「兄さん、助けてくれ。』と。

兄は特攻隊で音信不通の状態だった。

父や母と会うこともないだろうと竜は考えた。その代り、この恵を守り通さねばならぬ。

唯一の肉親だから。そう竜はおもっていた。

 

 トウキョウ市は戦後、アメリカとソ建により分断された。

両軍共、トウキョウ市周辺に強大な部隊を集結している。

西陣営の対立が、この日本のトウキョウ市で顕在しているめだ。触発の状態にある。

定期会談がいく度となく聞かれているが、雲行きがあやしい。

そんな中で、竜は恵を守り、生きていかねばならなかった。力が総てだった。

 

 ポケットをさぐると、ジッポー・ライターがあった。

火をともし、出口を捜し始めた。どこまで続くか、わからない。

 

永久に外にでられないかもしれない。武器も手にしていない。

 前に光がみえたような気がする。急いでライターを消す。

 光がゆっくりとこちらの方へ近づいてくる。

竜は身をふせた。

 

ろうそくを前に、ナイフの鉄がかずむずと歩いてきた。

 

かなり疲れている。鉄は人の気配に気づき、

ろうそくを捨て、ナイフを身構えた。

 「誰だ。そこにいるのは。」

 「さすがだな、鉄。俺たよ、竜だ」

 「お前こんなところに、なぜ。」

 「アメ公にやられたんだよ。米軍トラック襲撃に失敗し、このざまさ」

「かれも似たようなものさ。お前も出口を披し困っているようだな」

「そのようだ」

「しかたがない。ここは共同戦線といくか」

 

2-3時間ほど歩き回った後、ようやく、ろうそくの炎が風でゆらいだのだ。

風の吹く方向へ進み巧妙に隠された出口へと導かれた。

 

竜は、妹の恵のことが心配だったのでアジトヘ帰ることにした。

鉄はしぶっていたが、やがて、それに同意した。鉄も恵の事が気になっている。

しかし、‥保安部につかまっていて、襲撃の情報をもらしたのが、鉄だと、竜にばれてしまう。

その危惧が、鉄を不安にする。

 

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緑なる星にて第4回■度重なるROWロボットの攻撃に疲れたクリアキンは、イアラへの疑惑が浮かび上がり、彼女の手を放してしまう。

GS緑なす星にて(1978年)クリアキンとイアラは地球を救うべき最終判断をした。
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緑なる星にて第4回■度重なるROWロボットの攻撃に疲れたクリアキンは、イアラへの疑惑が浮かび上がり、彼女の手を放してしまう。
 

緑なる星にて第4回

(1978年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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けれどもロウ人の戦闘ロポプトが度重って襲来してくる.

。今度は前のクリアキンではなかった。

サイボーグの強力な戦闘能力を持つクリアキンだった。

 

 うまくロウ人の戦闘ロボットをまいたつもりだったが。すぐ新手のロボットがやってきた

 

■クリアキンは思いおこす。イアラの最期を。

 

 谷間だった。執拗なROWロボットの襲来にクリアキンは疲れていた。また疑問が生じていた。

 

「なぜ、奴らは容易に。こんなにも容易に我々クリアキンとイアラをみつけだすのだろうか」

答えはでない。

 

 「もしかしてイアラが。いやいやそんなはずはない」

クリアキンはかたわらのイアラを観察した。イアラもやはり疲労していた。

 

その時、クリアキンの眼が何かを感知した。目の前の道だ。何かが地中にある。

 

 地面が割れ。巨大な戦闘ロボットが出現した。一瞬早く異常に気がついたクリアキンは体をふせ

ていた。ロボットのレザーガソはクリアキンの今までいたところの土を大量に消滅させた。

 

 とびおきたクリアキンは右横の山壁にジャンプし、さらに反動を利用して、戦闘ロボットに体あ

たりした。サイボーグ手術を受けた右手で、口ボットのレーザーガンをロボットの足にむかって`

おりまげた。

足を消され、断崖の端に胴体をいきかいよくおとしたロボットは最後のクリアキンの

一押しで谷間へ落ちていった。

 

 クリアキンはイアラがいなくなっているのに気がついた。

イアラはロボットの光線をさけ、足をすぺらせ体を谷へのりだして道のへりを必死でつかんで

いた。左手には何かを持っていた。

 

 クリアキンは走りより.イアラの右手をにぎりしめた。

 

疑惑がクリアキンの腕の力を弱らせた。この彼女は本当にロウ人のスパイではないのだろうか。不安がクリアキンの心を占める。

もし自分の手を離したら。とクリアキンは思う。

もう2度とロウのロボットの追撃を受けることはないのでは。

 

クリアキンはこの瞬間、イアラが総て「この不幸な事態の起因ではないか」と考え始めていた。

 

 指が知らないうちに一本ずつ離れ始めていた。

イアラは小さな声をあげた。指が一本一本はずれていく。

 

クリアキンを見上げるイアラの眼には不信があふれる。 

「クリアキン、どうして」

イアラはクリアキンの名を呼ぶ。

 

 

クリアキンはその時、記憶をよみがえらせる。

 

仲間が続々と殺され。コンミューンやシェルターは焼かれ。限りないROWのロボットに追撃された。睡眠をさえ充分にとることのできなかったクリアキンは意識をうしなっているようでもあった。

 

最後の指がはなれた時、イアラは驚き叫んだ。

 

「クリアキン!」

 その声は周りの山々にこだました、

 

 

 

緑なる星にて第4回

(1978年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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東京地下道1949■第9回戦争孤児達の食料トラック襲撃は、惨殺の場と。米軍戦闘機が飛来攻撃を受け。見守るライリーとロバートは更に狙撃ライフルの照準を。ナイフの鉄は、竜の妹恵に 地下道を通じ救出。

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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東京地下道1949■第9回戦争孤児達の食料トラック襲撃は、惨殺の場と。米軍戦闘機が飛来攻撃を受け。見守るライリーとロバートは更に狙撃ライフルの照準を。ナイフの鉄は、竜の妹恵に 地下道を通じ救出。
 

 

東京地下道1949■第9回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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東京地下道1949■第9回

上空から飛来した戦闘機ムスタングは、両翼の爆弾を雨を浴びせる。

ナパーム弾が地上を燃え上げる。前の太平洋戦争の折と一緒だ。多くの子供たちが空母艦載機

の機銃掃射でなくなったりふぐの体にされた。

投下しおわり、爆弾のなくなった戦闘機は、機銃弾を空からあびせはじめた。

 

風防からは、この殺戮を楽しむパイロットの顔がみえる。

低空飛行でつっこんでくるのだ。

 

ベビーギャングたち(戦争孤児達)の勝利の戦場となるべき場所は、修羅場となり、墓場となった。

機銃弾が、無機質な音で土ぼこりをあげ、地面をほりさげる度に、大地に鮮血が流れ、

しみこんでいった。

 

 二つの双眼鏡が、ま下の光景をながめている。

 

小高い丘からは、この虐殺がー望のもとにみわたせる。

 ロパートは思わず、叫んでいた。

「死ね。みんな死ね。お前ら、ジャップ。くず野郎はみんな死んじまえ。お前ら、ガキが

皆くたばったら、日本はアメリカの完全な領土になるんだ。なにしろ日本人がいなくなる

んだからな」

 ほおにガーゼをあてたライリー大尉は、双眼鏡をおろし、傍らのロバート軍曹に言った。

 

「ようし ロバート。もう少し前進だ。それからスコープ付きライフルを出せ、俺たちの

楽しみはこれからだ」

 彼らは、なんとか、戦闘機から逃れた少年達を今、望遠スコープの照準にとらえ、ねらい撃ちにするつもりなのだ。

 

 

「鉄、鉄おきて」

 声がした。夢の中から聞えてくるようだ。

 

どうやら、俺はまた死んではいないようだな。

鉄はそう思った。

うすぼんやりした光が鉄の目をさす。

まだまだ、くらくらする。あいかわらずの米軍監獄だ。

 

声は床の下からかすかに聞えてくる。

それは竜の妹、恵の声だった。

 

「どうしたんだ。恵か」

「しっー、あまり大きな声を出さないで」

「だそうにも声はでないさ。あのロパートにえーらい目にあわされた。

それよりお前、なぜこんなところにいる」

 

「あなたのことが気になっていたの。あなたが、あの地図を奪ったから、どうせ進藤の店にいくと

おもったわ。米軍のジープがあなたを追いかけていくのを見たわ。

車のナンバープレートが保安部のものだったから、つかまると息ったわ。

きよう、それで保安部の独房の下へ忍びこんできたわけよ」

 

「よく、ここまでこれたな。昔なじみにあえるのはうれしいぜ」

「何いってるの。ふざけないで」

恵は、ほんとに怒っている。

 

「わかった。よし、はやくここから出してくれ。ロバートかライリーがまた来た日にや、、俺はぶっ殺れかねない」

 

「いい。言うことをよく聞いて。右壁から約一mのところをさぐってみて。何か印がある

でしょう。印のある床の上を思い切り踏みつけてごらんなさい」

「少し、へこんだぞ」

「そう、そこを何とか動かしてみて」

 

 床は、鉄がひっぱると、穴が開いた。人一人くぐれる。

すばやく穴中にはいる。もと通りににする。暗闇の中に薄い光がもれている。声があった。

 

「どうやら、また、あえたようね」

「恵、一体この穴は」

「しつ、この上はずっと米軍保安部よ。気がつかたら、それっきるよ」

 小さなろうそくを恵は持っていた。

 

小さな声で、

「この通路は、日本軍がトウキョウ市攻防戦の際作った地下壕の一部らしいの。

これを伝っていけぱ何とか外に出られるわ。ついてきて。鉄」

 

 恵は先に立ち、ずんずん歩んでいく。

鉄はいためつられた体をひきずるように、光についていく。

あたりは、ゆっくりと闇がもどっていく。

 

 泥滓の中で、ベビーギャングの頭、ムサシの意識がもどってきた。

同時に体がほてるように暑い。

 

場所の感覚がもどってきた。

顔をすこしもちあげる。

まだ少し雪まじりの雨が降っていた。

 

異臭がする。あたり1帯が燃えあがり、人間の形をした何かが焼け焦げていた。

体が膨らみはぜた。

 

(続く)

続く090901改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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緑なる星にて第3回■連保軍戦士であったクリアキンは過去を思い出す。残った地球人のコミュニテイを順次、ロウ星人がつぶしていく。その時にイアラにあい、恋に陥る。だがクリアキンは戦いの中サイボーグとなる。

GS緑なす星にて(1978年)クリアキンとイアラは地球を救うべき最終判断をした。
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緑なる星にて第3回■連保軍戦士であったクリアキンは過去を思い出す。残った地球人のコミュニテイを順次、ロウ星人がつぶしていく。その時にイアラにあい、恋に陥る。だがクリアキンは戦いの中サイボーグとなる。
 

緑なる星にて第3回

(1978年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

平線までも埋めつくすロケットの墓場から部品を捜しだせるとクリアキンは考えていた。

 

「それにしても何と寒々とした所だ」

クリアキンは自分の艇を隠す場所として選んだこの地域を見て思いあたった。

 

 地球人の運命を象徴するようにロケットの大群が打ち捨てられている。がっての宇宙開

発時代の。よき時代の名残りでもある。その支配者たる人類は彼以外にはもうこの星には

いないのだ。

 

 羊船団が飛び立った後、ロウ人は徹底的な攻撃をしかけてきた。地球のあちらこちらに隠

れ住んでいた人達は狩りだされ、殺されていった。

 

■クリアキンは連保郡戦士の一人だった。

 

 

攻撃が始まった時。彼は食糧機構の管理する農場にいた。

 

 核戦争のシェルターが使用されていないまま。農場の地下に維持されていた。クリアキンとその

当時農場にいた人々。及び農場の近くの人間が。それをこれからの住いとした。

 

外部との連絡がとだえたまま、数ケ月がすぎ、クリアキンと数人は近くの都市へ偵察にでかけた。

 その都市、。マロム市の廃墟の中でクリアキンはイアラに出会った。 

 

 無人の街の中を、仲間の戦士たちを求めて歩いていたクリアキンは、ロウ人の小型戦闘ロボットに追いかけられている少女をみつけた。

金髪をふりみだしながら彼女はにげていた。ロポットにとっ。て無防備な地球人をつかまえることは余りに簡単だった。

 

物かげからその様子を見ていたクリアキンは人類戦士の名誉にかけて、そのlm90mの長身に闘志をこめて、ろmをゆうに越えるロウ人の全戦闘タイプロポプトにむかっていった。

 

 20才をすぎてはいないだろうそのやせ形の少女を助けるために。自らがおとりとなった。

かろうじてロボットを行動不能におとしめたものの、2人の仲間に助けられた時、クリアキンは満

身創痍だった。

 

少女の案内で近くのコンミューン(共同体)につれていかれたクリアキンはそこで可能な限りの手術を受けた。彼は超人的な力を手に入れることができた。

 

彼はサイボーグ手術を受けたのだった。が失なったものも

多かった。彼のエネルギーは無限に思えたが。

 

何年かに一度太陽光線変換器をとりかえなけれぱならなくなった。それは彼の命の源だっ

た。

 傷がいえ、コンミューンを出る時.イアラはクリアキンについてきた。

 

愛がめばえていた。

 

イアラはロウ人襲来以前の記憶を失なっていた。

父や母はどうなったのか。兄弟姉妹がいたのか、それさえも覚えていなかった。

そんな話がでたとき、クリアキンに対してイアラの青い目をみつめるクリアキンに言うのだった。

 

 「私は過去を失なってしまったわ。でもクリアキン。今はあなたがいるわ。あなたが私の未来なの。」

クリアキンはイアラの茶色の目を見つめ思うのだった。

 

俺はイアラを愛していると。

しかし、 クリアキンとイアラがこのコンミューンに別れをつげた時。一人の男がささやいた。

 

「クリアキン、あの女イアラにぽ気をつけろ。災皆を生むかもしれない。あの女はどこからきたのかわか

らない。しかし彼女がいたコンミューンは、順番にすべて焼きはらわれる。

 

しかし彼女生き残っているといううわさ話がある。ここだけの話だぞ。では気をつけていく」

 

 クリアキンの表情は変り、怒りをこらえ、そして言った。

「おたがいに気をつけよう」

 

■クリアキンとイアラぱクリアキンがもといたコンミューンに帰り、しぱらくの間は平和な生活が続きそうだった。

 

 仲間の一人が、クリアキンが手術を受けたコンミューンへ行き、知らせをもって帰った。

そのコンミューンの人々が皆殺しにあって誰もいないという話だった。

 

■2ヶ月後、クリアキンとイアラはシェルターを離れ、狩猟を楽しんでいた。ク

リアキンの眼は赤外線探知をすることができる。動物の体温による白い熱球が彼の眼に感じられる。獲物はすぐに手にい

れることができた。クリアキンの投げだす小石は秒速60mにもなり、獲物の肉体をつきやぶるのだ

った。

 

何キロもはなれていたクリアキンのシェルターの方ら大きな音がきこえた。

クリアキンはイアラをそこに残し時速50キロmでシェルターにかけつけた。

 

不意打ちを受け、シェルターは破壊されてた。死体が散らばり、物がくすぶっていた。

間の一人はまだ息があった。かすかな声では言った。

 

[イアラだ。イアラを殺せ。場所をしらせたのは1だ。女を殺せ」

その仲間は死んだ。

 

ショックから立ちなおったクリアキンは、まだあたりに残っているかもしれないロウ星人に気をつけ

ながら.イアラのいた所へもどった。

 

 クリアキンはイアラの肩をつかみ、それをゆする。イアラの目を見つめる。

 

「イアラ、本当に君は。君なのか。ロウの操り人形なのか」

 

 イアラは不思議そうな顔をした。

 

 「そうだな。やはり。君が知るわけがない。」

 とにかくクリアキンとイアラは逃げのびた。

 

 けれどもロウ人の戦闘ロポプトが度重って襲来してくる。

今度は以前のクリアキンではなかった。サイボーグの強力な戦闘能力を持つクリアキンだった。

 

 

緑なる星にて第3回

(1978年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/