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山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

源義経黄金伝説■第21回■西行と源頼朝はお互いの策謀を胸に話し合い、頼朝の矢懸場にて武技を競われる。

 
YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと
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源義経黄金伝説■第21回■西行源頼朝はお互いの策謀を胸に話し合い、頼朝の矢懸場にて武技を競われる。
 

源義経黄金伝説■第21回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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yamadakikaku2009ーyoutube

 ◎

「これは、これは有り難きご教示、有り難うございました。もう夜も白んで参りました」

鎌倉の酉が鬨の声を告げていた。頼朝と西行二人は一晩中語り合ったのであった。

 西行はわれにかえっている。まだ鎌倉にいて、頼朝の前なのだ。

西行殿、この鎌倉にお止まりいただけぬか」

唐突な頼朝の提案であった。

「いや、無論、平泉から帰られた後でよいのです」

 と頼朝は付け加えた。

「それはありがたい提案ですが」

 西行は考える。黄金をこの地鎌倉に留め置くつもりか。加えて西行をこの鎌倉に留めおき、平泉の動き、京都の動きを探ろうとする訳か。

「いやはや、これは無理なお願いごとでございましたな。それではどうぞ、これをお受取ください。これは旅の邪魔になるやもしれませんが…」

 頼朝が手にしたのは、黄金の猫である

「ほほう、これを私めに、それとも奥州藤原家に…」

「いや、西行殿でございます」

「私はまた猫のようにおとなしくなれという意味かと思いました」

「いや、旅の安全を願ってのこと。他意はござらぬ」

1186年(文治2年)、草深き坂東鎌倉に三人の男が対峙しょうとしている。

東国で武家の天下を草創しようとする男。頼朝。

その傍らにて、京都王権にては受け入れられず、坂東にて「この国の形」を変えようとする土師氏はじしの末裔。

大江広元

対するに、京都王権の交渉家、貴族政治手法である「しきしまみち」敷島道=歌道の頂点に立つ。西行

頼朝にとって、西行は打ち倒すべき京都の象徴であった。

京都から忌み嫌われる地域で、忌み嫌われる職業、武家

いたぶるべき京都。

京都貴族王権の象徴物・大仏の勧進のために来た男・武士「武芸道」からはじきでた、貴族の象徴武器である歌道「しきしまみち」に乗り換えた男。

結縁衆けちえんしゅうなる職業の狭間にいる人間とつながりのある男。

さらには、奥州藤原氏とえにしもある。坂東王国を繰り上げようとした、平将門を倒した俵俵太の末裔。

この坂東にも、そして、義経を育て平泉に送りこんだた男。対手である。その男がなぜ、わざわざ敵地に乗りこんだか。

その疑問が頼朝の心に暗雲を懸ける。

西行にとってこの頼朝との邂逅は、今までの人生の総決算にあたるかも知れぬ。その長き人生において最後の最終作品になるものかも知れなかった。心に揺らぎが起こっていた。

その瞬間、西行重源ちょうげんと共に歩んだ高野山の荒行の光景が蘇ってきた。

山間の厳しい谷間、千尋の谷、一瞬だが、谷を行き渡る道が浮かぶ。目の前にあるその道をたどる以外にあるまい。

西行どのこちらへ」

大江広元が頼朝屋敷の裏庭に案内される。

矢懸場が設けられている。

武家の棟梁、頼朝は、毎日犬追物をたしなんでいる。的と砂道が矢来をさえぎられ続いている。

「ささ、こちらへ」

促されるまま、西行は裏庭物見小屋へいざなわれる。

遠くに見える人馬が、的を次々と射ぬきながら、こちらへ走ってきた、頼朝である。

「いざ、西行殿の弓矢の極意を昨晩お伺いし、腕前の程をお見せしたかったのです」

「大殿は、毎日武芸にたしなみを、」

西行殿は、我が坂東の武芸の祭りをご存知でしょうな」

坂東のしきたりが、京都の弓矢道と結びついているのが、西行には理解できた。京都人でありながら、武芸は坂東と、頼朝は言っているのだ。

馬をもといた場所にとって返し、再び、馬を駆けさせ、用意された的をすべて、射抜いている。

我が坂東の武芸の祭りとは、坂東足利あしかがの庄にある御矢山みさやまで行われる八幡神を祭る坂東最大の武家の祭事である。

西行殿、奥州平泉からお帰りに、この祭りに参加いただきたいのです」

馬上から、息をつきつつ、頼朝が叫んでいる。返事は無用という訳だ。答えようとする西行の前から姿を消し、再び馬首を元の方へ。

西行義経を助けなければ。が、藤原氏の黄金が、果たして役に立つのか。秋風の吹きはじめた鎌倉で、西行は冷や汗がでてきている。

三度、的をすべて打ち矢って、頼朝は馬上から叫ぶ。

「さらに、西行殿、義経のおもいもの、静の生まれし子供の事聞きたいのではござろうぞ。和子は男子がゆえに不敏だが、稲村ヶ崎に投げ捨てましたぞ」

と言い捨てている。後ろ姿に笑いが感じられる。

頼朝は、西行の策を、封じようとした。

西行は動揺を表情に出さず。が、考えている。かたわらにいる大江広元を見た。

広元殿、政子殿がいるなかば、わづかばかりの希望あろう。

また、そうか、あるいは、静の母、磯の禅師が糸を引いているかも知れぬ。わずかだが、希望の光はある。

極楽浄土曼陀羅、あの平泉におあわす方が。早く合いたい、さすれば、この身、西行法師の体は、まだ滅ぼすわけにはいかない、平泉を陰都となし、この世の極楽を、さらには、しきしま道にて日本を守れねばならぬと、西行は思う。

頼朝は四度目もすべて撃ち終え、今度はゆっくりと馬を歩ませてきた。

西行殿、御家、佐藤家は、紀州にその領地がありと聞きます。弟君の、佐藤仲清殿。高野と争い絶えずときく。誠でしょうか」

馬上の頼朝は、しばし、西行の回答を待っていた。

「その御領地を、この頼朝の元に預けられぬか。さすれば、高野山との争いは解決して見せようぞ」

佐藤家は、高野山山領地、荒川荘の領地におしいっている。西行のなりわいはこの弟の家からでている。

いわば佐藤家の家作からから活動資金がでている。紀伊の国、那賀郡、田仲庄は紀ノ川北岸にあり、摂関家徳大寺の知行である。

佐藤家はこの徳大寺の家人である。今では平家の威光を背景にしてきたのだ。

その根っこを、頼朝は押さえよとしているのだ。

「どうでありましょうな、西行殿、この申し出は」

絡め手か。やはり、頼朝殿は、この西行義経殿の関係を気づいているか。京都でもそのとこしるは、わずかだが、、

大江広元が、秀才顔でしらぢらと西行をにらんでいる。

大江広元は、水を得た魚。

大江広元が京都から呼びだされ、この鎌倉に根付いた時、歴史は変わった。

日本最優秀頭脳集団・大江家。元は韓国からくにから来た血筋。

この関東坂東で同じ韓国からくにの史筋武家の平家と結びついた。

「すべてのご返事は、平泉からの帰途におこないましょうぞ」

西行は、頼朝の前から去ろうとした。

「まて、西行殿」 大江が呼びとめようとするが、

「勝負は、後じゃ」

頼朝が止めた。

「はっつ」

頼朝が打ち据えた的が割れていた。

的の裏側には、平泉を意味する曼荼羅が描かれているのだ。

武家の棟梁頼朝が、打ち破るべき国だ。そして黄金もまた、、

そして、西行は、まだ、最大の対敵、文覚もんがくとは、対峙していない。

続く2016改訂

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源義経黄金伝説■第20回★東大寺大仏再建を計る重源は、東大寺闇法師、僧兵の中から選ばれた戦人(いくさびと)、十蔵に命令する。

 

YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと
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源義経黄金伝説■第20回★東大寺大仏再建を計る重源は、東大寺闇法師、僧兵の中から選ばれた戦人(いくさびと)、十蔵に命令する。

源義経黄金伝説■第20回★

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僧衣の男、十蔵じゅうぞうが重源ちょうげんの前に呼ばれる。

十蔵は東大寺のために荒事を行う闇法師である。

東大寺闇法師は僧兵の中から選ばれた戦人いくさびとである。

十蔵は陰のように重源の前に、出現していた。

 

「十蔵殿、わざわざ、かたじけない。今度の奥州藤原氏への西行殿の勧進、大仕事です。西行殿にしたがって奥州に行ってくださるか」

 

「あの西行さまの……わかりました」

 

「さて、十蔵殿、今、述べたのは表が理由です」

「重源様、まだ別の目的があるとおっしゃいますか」

 

「さようです。西行殿は私が思いどおりには動いてくださらぬかもしれぬ。

ましてや、この時世。鎌倉の源頼朝殿が、奥州藤原氏と一戦構えるかもしれません。

 

よろしいですか、十蔵殿、西行殿が我々東大寺を裏切らぬとも限らせんぞ」

 

西行様が東大寺や重源様を裏切ると。しかし、西行様は、もう齢七十でございましょう」

 

「いや、そうであらばこそ、人生最後の賭けにでられるかもしれません。西行殿は義経殿と浅からぬ縁があります。この縁はばかにはできませんぞ。十蔵殿、よいか、こころしてかかれよ」

 

西行様が 東大寺の意向にしたがわぬ場合は、、」

 

「十蔵殿は、ただただ、東大寺のために動いて下され」

 重源は気迫のこもった眼差しで、十蔵に命じた。

 

重源にとっても、この大仏再建の仕事は大仕事。失敗する訳にはいかなかった。

重源は自らを歴史上の人物と考えていた。

 

重源の使命。いや生きがいは、今や東大寺の再建であった。

 

先に重源は平家の清盛から依頼され、神戸福原の港を開削していた。

支度一番したくいちばんー日本で一番。

この日の本に、重源以上の建築家集団を統べる人間は、存在しないのである。

 

 重源は世の中に形として残るものを、生きている間に残しておきたかったのである。重源の背後には宋から来た陣和慶という建築家がいた。また朝鮮半島から渡ってきた鋳物師もいる。

 

 そして、有り難いことに運慶、快慶が同時代人であった。

 

この日本有数の彫刻家、運慶工房とも思える彫刻工房を作り上げ、筋肉の動きを正確に表す、誠に力強い存在感のある彫刻像を続々と作り上げていった。

日本の始まって以来、二度目の建築改革の波が押し寄せて来たかのようであった。

 

「重源様のご依頼でございますならば。このことをお断るわけにもいきますまい」

 十蔵はにやりと笑う。そしてつけくわえた。

 

西行様のこと、承知いたしました。が……」

 

東大寺闇法師は自らの意志などもたぬ。

 

その東大寺闇法師の十蔵が、何らかの意向を重源に告げようとしていた。不思議な出来事であった。

「十蔵殿、まだ何か、まだ疑問がございますか」

 

 切り返す十蔵の問いにはすごみがあった。

「私十蔵の死に場所がありましょうか」

 

 重源は冷汗をかき答えた。

 

死に場所だと、十蔵めが、東大寺闇法師は東大寺がために死ぬことが定め。が、

 

その十蔵とかいう男は、別の死に方を求めている。それも自らが東大寺闇法師中の闇法師という自信を持って言っているのだと、ようやく重源は思い答えた。

 

「十蔵殿、、、時と事しだいでしょうな」

 

 それにたいして

「わかりもうした」平然と言う十蔵だった。

 

 十蔵はすばやく姿を消した。

 

 

「十蔵め、この仕事で死ぬつもりか」

 

 重源は、十蔵が消えた方向を見遣り、つぶやく。

 

「まあまあ、重源様。そう悩まずともいいではございませんか。重蔵殿にまかしておかれよ。茶を一服どうでございますか」

 

 話を聞いていたのか、後から一人の若い僧が手に何かを持って現れている。巨大な頭のハチに汗がてかっている。

 

 栄西であった。

 

 重源と栄西は、留学先の中国で知り合い、友人となっていた。

 

 そして、栄西は、仏典とともに、日本の文化に大きな影響をもたらす「茶の苗」を持ち帰っていた。栄西が手にしているのは、茶である。まだ、一般庶民は、手に入れることができぬものである。

 

「ほほう、どうやら、茶は根付いたと見えますな。よい匂い、味じゃ。妙薬、妙薬」

 重源は、栄西が差し出す茶碗をうまそうに啜った。

「さすがじゃのう、栄西殿。よい味です」

 その重源の様子を見て、栄西が尋ねる。

 

「重源様、どう思われます。この茶を関東武士たちに、広めるというのは」

「何と、栄西殿。あの荒々しい板東の武者ばらに、この薬をか…」

 

重源は茶に噎せた。

 

 重源は少し考え込む。やがて意を決したように、若者のように眼を輝かせながら言った。

「いい考えかも知れません。思いもかけぬ組み合わせですが。京都の貴族よりも、むしろあの武人たちをおとなしくさせる薬効があるかもしれませんな」

 なるほど、栄西はおもしろいことを考える。

 

 重源や栄西には、自負があったのだ。日の本を実質動かしているのは、貴族でも武士でもない。我々、学僧なのだ。

 

僧が大和成立より、選ばれた階級として、日の本のすべてを構築してきたのだ。それを誰もが気付いておらぬ。が、大仏再建がすでに終わり、この東大寺再建が済めば、我々の力を認めざるを得まい。重源の作るものは形のあるもの。

 

そして、栄西は、茶というもので、日の本をいわば支配しようとしている。

ふふ、おもしろいと重源は思った。

 

続く20210823改訂★

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石の民「君は星星の船」第17回 Vグループの2人の襲撃を助けてくれた男は、石の壁の祭司アルクだと名乗る。光二に「聖なる砲」をくれというのだ。

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IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?
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石の民「君は星星の船」第17回 Vグループの2人の襲撃を助けてくれた男は、石の壁の祭司アルクだと名乗る。光二に「聖なる砲」をくれというのだ。
 

石の民「君は星星の船」第17回

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「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」

「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」

「あとで泣いてもだめだぜ」二人ハーマンとローレルは男にとびかかっていく。

 数秒後、二人ハーマンとローレルの方が大地にころがっていた。

「光二、起きろ」光二の意識が戻ってきた。

「うん、いったい、あんたは」

 が光二はこの男の顔を見て驚いた。光二の夢に出てくる男だったのだ。光二は倒れてい

る二人をみる。

「どうやら、俺を助けてくれたらしいな。礼を言う」光二は大地にころがっているVグル

ープの2人をける。

 男は言った。「私がだれだかしらなくてもいい。それより、光二、聖砲をわたしてくれ。

私にとって重要なものなのだ」

「聖砲だと」やはり、夢と同じ事をいいやがる。

「そうだ。私は聖砲を持っている男を探して、いろんな世界を渡ってきたのだ。君がどの

世界にいるのかわからなかったのでな」

光二は一瞬、時間が泊まっているような気がした。

今、この男のいったことは何なのだ。まったく意味がわからない。今度は光二が質問をす

る番だ。

「一度あんたに現実に会えたら、きこうと思っていたんだ。あんたは最近俺の夢に頻繁に

でてくる。あんたは、夢の中でも聖砲をさがしている。それはわかった。が俺は聖砲なぞ

もっちゃいないぞ」

男はにやっと笑う。「君は知らないだけさ。君の指にある」

「指だって」おもわず光二は左手で、右の指輪を押さえていた。

「まさかこの指輪が聖砲というのではないだろうな」

「それだ」男は冷淡に言う。

「あんた、いったい、誰なんだ。それにいったい、聖砲って」

「光二、君はこの事件にかかわるべきではない。これは我々の世界の事件なのだ」

「そういう一方的な言い方はないだろう」

「君は聞いても、理解できないだろう」

「あんたが聖砲という、この指輪は、姉のかたみなんだ。みずしらずのあんたに渡すわけ

にはいかん。あんたは何者なんだ」

「宗教の街ジュリに住んでいた石の壁の祭司だ」

「ジュリ、いしのかべ、さいし。どういう意味だ」

「だから行っただろう。この事件は君の想像力をはるかにこえている」

「お前さんねえ  」光二は少し考えている。

「私の名前はアルクだ」

アルク、事情をはなしちゃくれないか。それもできるだけわかりやすく。あんたは俺の

命の恩人というわけだ。お礼をしなきゃいけない。俺は人に借りをつくるのがきらいなん

だ」

「この写真を見てくれ」

アルクは光二に写真を差し出す。

石の民第17回

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石の民「君は星星の船」第17回 Vグループの2人の襲撃を助けてくれた男は、石の壁の祭司アルクだと名乗る。光二に「聖なる砲」をくれというのだ。

 
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石の民「君は星星の船」第17回 Vグループの2人の襲撃を助けてくれた男は、石の壁の祭司アルクだと名乗る。光二に「聖なる砲」をくれというのだ。
 

石の民「君は星星の船」第17回

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「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」

「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」

「あとで泣いてもだめだぜ」二人ハーマンとローレルは男にとびかかっていく。

 数秒後、二人ハーマンとローレルの方が大地にころがっていた。

「光二、起きろ」光二の意識が戻ってきた。

「うん、いったい、あんたは」

 が光二はこの男の顔を見て驚いた。光二の夢に出てくる男だったのだ。光二は倒れてい

る二人をみる。

「どうやら、俺を助けてくれたらしいな。礼を言う」光二は大地にころがっているVグル

ープの2人をける。

 男は言った。「私がだれだかしらなくてもいい。それより、光二、聖砲をわたしてくれ。

私にとって重要なものなのだ」

「聖砲だと」やはり、夢と同じ事をいいやがる。

「そうだ。私は聖砲を持っている男を探して、いろんな世界を渡ってきたのだ。君がどの

世界にいるのかわからなかったのでな」

光二は一瞬、時間が泊まっているような気がした。

今、この男のいったことは何なのだ。まったく意味がわからない。今度は光二が質問をす

る番だ。

「一度あんたに現実に会えたら、きこうと思っていたんだ。あんたは最近俺の夢に頻繁に

でてくる。あんたは、夢の中でも聖砲をさがしている。それはわかった。が俺は聖砲なぞ

もっちゃいないぞ」

男はにやっと笑う。「君は知らないだけさ。君の指にある」

「指だって」おもわず光二は左手で、右の指輪を押さえていた。

「まさかこの指輪が聖砲というのではないだろうな」

「それだ」男は冷淡に言う。

「あんた、いったい、誰なんだ。それにいったい、聖砲って」

「光二、君はこの事件にかかわるべきではない。これは我々の世界の事件なのだ」

「そういう一方的な言い方はないだろう」

「君は聞いても、理解できないだろう」

「あんたが聖砲という、この指輪は、姉のかたみなんだ。みずしらずのあんたに渡すわけ

にはいかん。あんたは何者なんだ」

「宗教の街ジュリに住んでいた石の壁の祭司だ」

「ジュリ、いしのかべ、さいし。どういう意味だ」

「だから行っただろう。この事件は君の想像力をはるかにこえている」

「お前さんねえ  」光二は少し考えている。

「私の名前はアルクだ」

アルク、事情をはなしちゃくれないか。それもできるだけわかりやすく。あんたは俺の

命の恩人というわけだ。お礼をしなきゃいけない。俺は人に借りをつくるのがきらいなん

だ」

「この写真を見てくれ」

アルクは光二に写真を差し出す。

石の民第17回

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石の民「君は星星の船」 第16回■Bグループの頭光二を対抗するVグループのローレルとハーマンが捕まえてアジトに連れて行こうとした。その状況に男が急に出現し光二に用があるという。

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石の民「君は星星の船」 第16回■Bグループの頭光二を対抗するVグループのローレルとハーマンが捕まえてアジトに連れて行こうとした。その状況に男が急に出現し光二に用があるという。

 

石の民「君は星星の船」第16回

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「光二さんよ、我々におとなしく、ついてきてもらおうか」えらく背の高い奴ハーマンがいってい

た。

「くそっ。おまえ達は」光二の足元は、地上10mの空気なのだ。

「いわずとしれたVグループのキッズよ」

「Bグループのヘッド光二を捕まえたと、あっちゃあ、大手柄なわけさ。おっと、光二よ、

あまりあばれると、俺たちの手から、地面へ落ちるぜ。ちょうどおまえのアネキみたいに

な」にきび面のローレルがいう。

「くそう、おまえか有沙を殺したのは、」

「おいおい、人違いだぜ、俺はおまえのアネキなど、殺しちゃいない」

「じゃ、おまえか」高い奴ハーマンにいう。

「知らないぜ、光二、少なくとも、俺たちじゃないぜ」

「おい、ちょっと,だまらそうか、しめあげるか。これほど暴れられると、体をもちにくいからな」

ローレルがハーマンに同意を求めた。

「そうだな、連れて行きやすくするか」Vグループのキッズは話しあっていた。

「やめろ」

光二はさけんでいた。

ローレルは腰のベルトにはさんであった電撃銃を取り出す。光二の体に当てる。

「ぐう」光二は気絶していた。二人は光二を一度地上に降ろす。

ローレルとハーマンはホースの後ろに光二の体をしばりつけようとしていた。

その時、突然、目の前地上に一人の男が出現していた。

「だれだ、おまえは」ローレルが男にきずき、声をあげる。

「光二の味方か」ハーマンがわめく。

「Bグループのキッズじゃないな」

「それに平和チームの者でもないな」

「なんだ、こいつの格好は」

仮装行列かい」

「ここは舞台じゃないんだ。関係のない奴はひっこんでろ」これだけ、ローレルとハーマ

ンがいっても男は無言だ

 男は光二の様子を探って入る。

「ちっ、気持ちのは悪い奴だぜ。おい、速く。アジトまでかえろうぜ」

「そうだな、Bグループの邪魔がはいらないうちに」

 二人は気を失っている光二をホー

スの後ろに乗せて飛び上がろうとしていた。

 その時、静かにしていたその男が、目にもとまらむ早さで、Vグループのローレルとハ

ーマンの間に割り込んで、ホースの操縦管を持つ二人の手を、男は両手でおさえていた。

「何、何をしやがるんだ。てめえ」

「やはり、Bグループのキッズか、おまえは」男は何もいわない。

「そうかい、それじゃ、御相手しなきゃな」

「悪いことはいわない。私の相手になるな。私

はその光二に用があるんだ」男が初めて声をだした。男の顔の表情は、過去が尋常ではなかった

事をあらわしている。

「光二に用があるだと」Vグループの二人は顔をみあわす。

「ふふっ、残念ながら、我々もこの光二に用がある。俺達Vグループが先客だ。ものには順番がある。おっさん、そのくらいの事はわかっているだろうが」

「順番だよ、次には光二を渡してやるさ」

「ああ、もし光二が生きていればの話しだがな」二人は笑う。

「私はそんなに待つ訳にはいかん」

男の目は遠くを見るような眼だった。ローレルはこの男のマリーンブルーの眼を見て、ぞ

っとした。

「おまえはフッコウ・ドームへの来訪者だな」

「俺たちはこのフッコウ・ドームでは少しは知られた名前なんだ、Vグループといってな」

「我々にさからおうというのは、ここフッコウ・ドームの法律を破っているのと同じさ」

「残念ながら、私にも法律がある。そのわたしの法律にしたがって光二をもらっていく」

男は二人に言う。

「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」

「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」

「あとで泣いてもだめだぜ」二人は男にとびかかっていく。

石の民第16回

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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと

 
YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと
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源義経黄金伝説■第19回■源頼朝と鎌倉で話し合う西行法師は、奈良東大寺での勧進職であり、昔からの高野山聖以来の友人、重源との会話を思い出している。
 

源義経黄金伝説■第19回

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 西行は、奥州藤原氏のことをしゃべり終わると、急に無口になった。

頼朝は、話題を変えた。歌曲音舞、そして弓道のことなどである。頼朝はこの伊豆に住みながら、いつも京都のあのきらびやかな文化を、生活を恋い焦がれていた。

武士という立場にありながら、京の文化を慈しみ愛していた。それゆえ、その京の文化に取り込まれることを恐れていた。

 義経は、京の文化、雰囲気という、得も知れぬものに取り込まれ、兄頼朝に逆らったのだった。同じように義経より先に都に入った義仲も、京都という毒に当てられて死んだ口だった。

 京都は桓武帝以来、霊的都市であった。

藤原道長のときの安倍晴明を始祖とする土御門家が陰陽師として勢力を張っていた。

 京のことを懐かしむ頼朝に、西行は佐藤家に伝わる弓馬の術などを詳しく述べていた。これを語る西行は、本当に楽しげである。

 鎌倉幕府史書吾妻鏡あずまかがみ』には西行と頼朝、夜をあかして話し合ったとある』

西行の頭の中に、急に奈良での重源ちょうげんとの会話が思いおこしていた。

一一八〇年の平家による南都焼き打ちにより、東大寺及び大仏は焼け落ちていた。

都の人々は、平家の横暴を憂える。また、貴族は、聖武帝以来の東大寺を焼き打ちする、平家、武家の所業が人間以外の動物に思えた。また、自分達、貴族に危機が及んでいると考えざるを得なかった。

 東大寺の大仏は硝煙の中、すぐに再建に着工され、すでに大仏は開眼供養が一一八五年、後白河法皇の手で、行われていた。

大仏を囲う仮家屋や、回りの興福寺を中心とする堂宇の修復が急がれていた。今、南都は立て続く建築物が現れ、ある種の気に満ち満ちている。

 西行東大寺焼け跡にある仮建築物にいる重源(東大寺勧進僧)を訪ねている。

重源は齢六十五才であったが、精力的に各地を遊説し、東大寺勧進を行っていた。また全国に散らばらせている勧進聖から、諸国の様子を手にとるように得ていた。

 勧進聖は、当時の企業家である。技術集団を引き連れ、資材を集め、資金も集める。勧進の場合、費用のために半分、残りの半分は聖の手元に入る。

 西行は、佐藤義清という武士であった頃は、鳥羽院北面の武士であった。

 西行の草庵は、鞍馬、嵯峨などで、草庵生活を送っていた。草庵といっても仙人のように山奥に一人孤独に住む訳ではなく、聖の住む位置はほぼ決まっていた。そして藤原家を縁とする寺塔が立て並んでいる。

 また、難行苦行の生活をするのではない。政事の流れから外れて、静かに物事を考えるのである。日々の方便については、佐藤家は藤原家の分家であり、大豪族であり、日々の心配はないのだ。

 数日前、伊勢の庵に重源の使いの者が訪ねてきて、ぜひ東大寺再建の様子を見に来てほしいというのだ。

若い頃、高野山の聖時代に知り合った二人だったが、すでに重源は二度、中国の宋に渡って、建築土木の技術を習得して帰国していた。

「重源殿、お久しぶりでございます。このたびの大勧進抜擢、誠に祝着至極でございます」

「おお、これは西行殿。わざわざ伊勢から奈良まで御足労をおかけいたしました。実はお願いがございます。さてさて、西行殿の高名にすがりたいのです」

「はて、それは……」

「奥州に勧進に行っていただきたいのです。奥州は遠く聖武しょうむていの時代より、黄金の産地。できますれば、黄金をこの東大寺のために調達いただけまいか。平泉は黄金の仏教地と聞き及びます。もし、藤原氏から、黄金が手に入りましょう」

 重源は、西行奥州藤原氏とのかかわりあいを知っていた。

話の出所は後白河法皇に違いなかった。

 時期が時期だ。

奥州へ、それは朝廷から藤原氏への意向を伝えるために違いない。思ったより大きい仕事だ。が、これも私を信じておられるゆえんか。

私の最後の一働きになるかもしれん。

「それと、これは平泉におられる方々への手土産です」

「何でござりますかな。重源殿のことでございますから」

「これは…」 鎌倉の絵図である。

「ありがたく頂戴いたします」 西行の顔色は変わっている。

相手は、当代希代の建築家・都市建築家の重源である。

「あの方の役に立てばよろしいですが」

「役に立ちますとも。では、重源様、私にあのまちをよく見て参れというわけですな」

「そうです。その鎌倉の様子を、詳しく書状にしたためてください。この重源が、いろいろな技者と語らって、新たな絵図をお作りしましょう」

「ありがとうございます」

「よろしいか、重源がかようにするは、京都の法皇様のためにでございます」

西行は、重源がさりげなく奥州の秀衡たちに、自分の腕前を披露しようとしていることに気がついている。

西行が去ったあと、重源に雑色ぞうしきが話しかける。

「この御時世でございます。西行様のため、「東大寺闇法師」を護衛に付けた方がよろしいのではございませんか」

「おう、よい考えです。誰か「東大寺闇法師」の中で心当たりの者はおりますか」

十蔵じゅうぞうが、いま比叡の山から降りてきております」

「わかりました。ちょうどよい。十蔵を呼んでください」

続く2016改訂

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源義経黄金伝説■第18回■鎌倉の源頼朝の屋敷は すでに夕刻を迎え、西行は平泉黄金王国の話を語っている。平泉を源頼朝と鎌倉の手から守るために。

YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと
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源義経黄金伝説■第18回■鎌倉の源頼朝の屋敷は すでに夕刻を迎え、西行は平泉黄金王国の話を語っている。平泉を源頼朝と鎌倉の手から守るために。

源義経黄金伝説■第18回

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西行殿、これから行かれようとしている平泉ですが……」

 西行は、平泉のことを意を決してしゃべる。

「よく聞いてくだされました。藤原秀衡殿は、平泉に将兵を集めて住まわせることなどはしておりません。よろしゅうございますか。藤原氏の居館は、お城ではございません。平泉の町には、軍事施設はないのでございます」

「では兵はどうするのですか」

「いざ戦いがあれば、平泉に駆けつけると聞き及びます。秀衡殿、源頼朝様に刃向かうつもりなどないのでございます」

 頼朝は、この西行藤原氏の関係をむろん疑っている。

広元も先刻、西行と会う前に、耳元で同じ旨を告げていた。この西行の平泉への勧進は、果たして何を企んでいるのか。

平泉は城ではないというのか。まるで平泉全体が大きな寺だと、頼朝は、頭をひねりながら、西行の話を聞く。

「初代藤原清衡殿は中尊寺、二代基衡殿は毛越寺、三代秀衡殿は無量光院をお造りになったと聞いております」

「それでは、歴代の藤原氏の建築は、すべて寺院だということですな」

「さようでございます。平泉は仏都でなのです。中尊寺建立の供養には、こう書かれているのです。これは初代清衡公のお言葉。長い東北の戦乱で、多くの犠牲者がた。とくに俘囚の中で死んだものが多い。失われた多くの命の霊を弔って、浄土へ導きたい。また、この伽藍は、この辺境の蕃地にあって、この地と住民を仏教文化によって浄化することである。こう書かれています」

 頼朝は、冷気を浴びせるようなな視線を、西行に浴びせている。

西行殿は平泉という仏都がお気に入っておられるのですか」

頼朝のその質問に、西行の頭の中に、ある風景が浮かんでいる。平泉、束稲山の桜である。

「私は花と月を愛しますがゆえに」

 頼朝屋敷はすでに夕刻を迎えていた。

「なぜ、西行殿、秀衡殿を庇いなされる。ただ東大寺がために勧進とはおもわれせん。聞くところによれば、西行殿の佐藤氏と、平泉の藤原秀衡どのとは浅からぬ縁があると聞ききますが……」

 頼朝は、矛先を、奥州藤原氏西行との親密なる関係に向けてきた。

この質問に、西行はいささか足元をすくわれる感じがした。

「いや、遠い親戚でございます。私は唯の歌詠み。東大寺勧進のために、沙金をいただきに秀衡様のところへ参るだけでございます」

「それならば、今は、そういうことにしておきましょう。で、西行殿」

頼朝はかすかに冷笑した。

その笑いの底に潜む恐ろしいものを感じ、わずかに言葉がかすれている。

「何か」

西行殿は、昔は、北面の武士であられた。平清盛と同僚だったと聞いております。なにとぞ、この頼朝に、佐藤家の、直伝、弓の奥義などお聞か、お見せいただきたいのです」

「ふ、私でよろしければ。よろしゅうございます」

 話の矛先が急に変わったことに、西行は安堵した。

頼朝は、これ以上、西行を追い込むことを避けた。

あまりに西行を追及すれば、この場所で西行を殺さねばなるまい。

あるいは、殺さずとも、閉じ込めねばなるまい。

板東の独立のためには。

今、それは京都のいらざる怒りを買うであろう。

無論、大江広元も、その案には賛成すまい。

 ここは少しばかり話を流しておくことだと頼朝は思う。

一方、西行は虎穴に入らずにはと考えていたが、源頼朝という男は、虎以上に恐ろしかもしれぬ。

このことはすぐさま、後白河法皇様に、書状をもって報告せねばならないだろう。この源頼朝という男の扱い方は、義経殿のようにはいかない。

源頼朝は、平清盛の同輩であった微視時代の佐藤則清を想い、今の目の前にいる西行法師が、現在行方不明の弟、源義経の行方を必ずや知っていると思う。西行法師のあとをつけるべきか。

西行と京都王朝・後白河法皇とのつながりも慮る。坂東独立を昔阻んだ俵の藤太の子孫。佐藤家の武名。いずれも

鎌倉への障害を体現している西行という男。あなどりがたし。

さらに、西行が交渉し、手に入れるであろう奈良大仏・東大寺再建のための平泉の砂金の行方を

如何にと策を考えていた。

続く20210821改訂

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