yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

遙かなる絆-ランナー第15回

遙かなる絆-ランナー第15回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html

地球にある、地球防衛機構(EDO)本部で、EDO長官オットーは、命令を出していた。
「カイロにいるエスパー部隊で呼び出せ!
。とりわけ「ジャンプ」能力に優れたもの。ここの司令部に呼び出せ」
「わかりました。彼らをこの本部に、自分自身をジャンプさせるのですね」
「ジャンプ」とは、空間移動をいう。

別の係官が報告する
「長官、しかしながら、世界のいる「フイダイ(死の天使)」たちが。不安な動きをしているという連絡が入ってきております」。
「何だと」
「いわば同時テロと思われます」
続けて。
「そのテロ、ターゲットは、世界各地に存在する原子爆弾給料倉庫に」
「通常の倉庫は。フエイルセイフが行われていて、核融合は不可能ではないのか」
「それに対する、解除装置対応を行なっている模様です」

本部ジャンプベースに、カイロから、ジャンプしてきたエスパー部隊の隊員が、現れ始めていた。

彼らを前にして、宇宙服を着たEDO長官オットーは、明らかに興奮し、命令を出していた。
「私の体を、月のアムラーピラミッドにジャンプさせるのだ」
「長官、それは、危険ではいませんか」
「今はその論議を言ってる場合じゃない。そのテロをやめさせるためにも私が、アムラー内部にいかねばならん」
「やれ、ジャンプさせろ!」
長官オットーの姿は、本部から、消えていた。

跡に残った、エスパー部隊隊員は、すべてをその能力を使い切り、消耗し、全員が息が切れていた。

多くのエスパーの精神的なエネルギーを持って、
長官オットー、は「ジャンプ」を行い、アムラーピラミッド内部に、たどり着いていた。

ピラミッド内部玄室の中で、昔懐かしい「マニ」が実体化し、オットーを、
古い友人を迎える口調でいった。
「オットー。君は世界の王になろうとしたね。何を目的として?ええっ犠牲はどれだけだせば気が済むのだね」


■サムナーはヘルムの側を駆けながら答える。
「サムナー、俺は速度を上げるぞ
「待て、いいものがある。ただし,マコトのテレポーテーション能力が必要だがな」
「サムナー、いったいこの軌道内に何を入れるつもりだ・」
 メースチングクレーターの軌道出口から、大きな発射音が響いてきた。
 そこから飛び出してきたのは「シャトルトレイン」ならぬ「ロケット艇」である。

 EDOの連絡で待ち構えていた、連邦軍の集中砲火を浴びたロケットは大爆発をおこす。
 「ようし、残骸をしらべるんだ」
 しばらくして連邦軍の隊長がいった。隊員がロケットの残骸の方へ近づいていく。
 その間隙をぬって、残骸の中から、マコトを背負ったヘルムが走り出していた。
マコトのバリヤー能力で彼らは爆発から身をまもったのだ。
彼の速度なら、アムラービラミッドまで数分である。が、アムラーピラミッドまでの道には連邦軍があらゆる火器をしきつめていた。
 やや遅れて、サムナーが残骸から現われ、二人を援助するため、ハンドキャノンを射ちまくりながら
走る。が、全力疾走のヘルムと速度が違う。二人はずっと先を走っている。
 ヘルムの過去の試合のVTRがEDOの情報悩に入力され、彼の走る行動パターンが分析されていた。
その分析結果が、月に設置された連邦軍の高速レーザー砲の照準器に送り込まれていた。
データには月の重力の影響が計算されtいる。
高速レーザー砲のすさまじい速射がおこる。
アムラーピラミッド目前、数千m‘まで走っヽていたヘルムの体をレーザーの光条が走り抜けた。
「ぐっ」
「ヘルムー」
マコトが叫ぶ。
彼の生体維持装置は、この一速射でほとんど機能を停止していた。
しかし、ヘルムの体はまだ走っている。
ヘルムは最後の力をふりしぼり、マコトの体をかかえあげると、アムラービラミッドの方へ高く投げた。
 マコトも疲労で意識が原朧としていたが、アムラーピラミッドヘのわずかな距離をテレボートしよう
とした。
その瞬間、マコトの体を速射レーザー砲のレーザー光条が突き抜けた。
 「マ・コ・ト」
 ヘルムはもう眼がほとんどみえなかった。
しかし、ヘルムは走りながら、マコトが射たれたのを感じ
た。ヘルムの体に再び、高速レーザー砲の光条が射ち込まれる。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html