ロボサムライ駆ける第六章 古代都市(2)
■ロボサムライ駆ける■第六章 古代都市(2)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
■第六章 古代都市
(2)
山本以下ロボット反乱軍を率いた主水は、地下空洞、化野に辿り着いていた。
周りの岩肌は高さ三百メートルはあり、神社仏閣がはりついていた。それが奥の方まで続いているのだ。主水の目から計算しても、三キロは続いている。
「主水様、ここから先が急に広く明るくなっております」
先頭にいる偵察員が告げた。
「ようし、ここが化野じゃ。皆様方、戦闘準備をお願いいたす」
主水が、後ろのロボットたちを振り返って叫んだ。
「おう、外国の手先の奴ら、目にも見せてやる」
「よいか、これは日本文化を守る戦いでもあるが、この西日本エリアにおいて我々ロボットが自由を得る戦いでもあるのだ。皆、心してかかられよ」
「おう」
掛け声が響く。
空洞の天井の方から声が落ちて来る。
『ほほう、主水君、私達がそれくらいのことに気付かないとでもと思っておられたのですか、寂しいなあ、私達はそれほど甘くはありませんよ。何しろ、一国の支配がからんでいますからね』
ロセンデールの声だ、自信たっぷりに聞こえる。
「待っておりました。皆さんがた」
明かりの中から何かが集まってくる。
パワードスーツの一団、聖騎士団が迎撃体制を取っていた。ロセンデールの秘蔵集団である。
「シュトルフ君、さああなたの腕の見せ所だ。せいぜい日本ロボットに、神聖ゲルマン帝国、精鋭人間部隊・電導士の実力の程をおみせしなさい」
ロセンデールは声高らかにシュトルフに命令する。
「殿下、喜んで」
シュトルフは、ジャガ芋顔の下にはシルバースーツを着ている。戦いを前に武者ぶるいをしていた。
両軍ががっぷり交戦する。
光りが交錯する。レイサーベルと日本刀である。
「どうして、あいつらは化野を突破できたのかなー」
知恵が主水に訪ねた。
「あやつらの手に、落合レイモン様がおられるからのう」
主水はつぶやいた。
突然、通路の向こう側から強烈な光りが襲ってきた。それはまるで、光の洪水のようだった。その洪水がここ化野に満ちたのだ。
「何だ、この光は」
聖騎士団たちが、反乱ロボットが、ざわめく。
「まさか、心柱が動き始めたのでは」
だれかがつぶやく。
「ありえん、そんなことは」
回りの岩肌にある神社がスーッと光の中で消滅した。というよりも、その中心に呼び寄せられたかのようだった。化野大空洞が光によって大きく拡大していた。
(続く)
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作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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