yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

私の中の彼へー青き騎士ー 第18回

私の中の彼へー青き騎士ー 第18回
青き騎士(1992年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html
シーン16
 「アイス滅べ」
 私、沙織は本当に激怒し念じていた。
 今までの悲しみ、苦しみが収斂されていた。
我々、ニューオーハンのすべての元凶。
また、翔をはじめ「戦場の狼たち」の存在とその悲しみ
もアイスのためだ。
 いまの傷ついた地球のすべての原因は、、アイス、、にある
のだ
 私の眼の前から消えてなくなれ、私は心から念じた
 私の体から、とてつもないエネルギーがほとばしりでた。なぜな
のか、私にもわからない。
 アイスの存在は、私の目の前から消滅している。
「アイス」中心部に立ちこめていた霧が、一せいに消えてなくなっ
ている。

しかし、周囲には、見も知らぬ機械類の壁が拡がっていた。
地球製ではなく、明らかに外惑星の製品と昆える。
ここはある種の巨大なコックピットのようだった。
「一体、、これは、、どういうことなの」
私は叫んでいた。

「マスター」
機械的な声がした。それは、あちこちの機械から私の心に聞こえてくるのだった。

「私、私を呼んでいるの」
「そうです、マスター、あなたは今、アイスを除去され
た、それにゆえに、この場所のマスターになったのです」
「ちよ、ちょっと待って、ここのマスターって」
私は戸惑っている。

「ご存じないのも無理はない、この船は、数千年前、ア
リシア宇宙、恒星フォボア002より飛来し、この地球に不時着
しました。この船の主人である個体アルフア962は死亡し、かわりに個体962の補助人工頭脳である「アイス」がかわって、この船を支配していたのです」
「ここは、船なの」
「そう、あなた方地球人類がいう巨大な円盤機です。私は円盤機械全体の体頭脳です」
「でも、その個体アルフア962の補助頭脳が、なぜ「アイス」となって地球連邦軍と戦っていたの」
「あのアイスが、自分の命令で、地下大空洞で、自己個体を再生産し増幅させ侵略部隊を作りあげ、地球連邦軍と戦っていたのです」
「地球意志はそれを知っていたのね」
「そうです。それゆえ、アイスを滅ぼす必要があった。
地球意志は、敵対者アイスを滅ぼし、自分の進化する方向に地球を動かそうとしていたのです」
「ちよっと待って、それじゃ何か、地球意志が悪いみたいじやな
いの」
「まだ、、おわかりにならないのですね。マスター、地球意志が、何を何を考えているのか」

船の壁面から、急に液体が噴出した。
その液体は、円盤コックピットにいる沙織の廻りを取り囲む。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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