yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

私の中の彼へー青き騎士ー第6回

私の中の彼へー青き騎士ー第6回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」

第6回
ある日、私が、学校から家へかえると、見知らぬ男が待っていた。
都市の男らしかった。
ある種の威厳と、ほかの人間に恐怖心を与える印象を与える人だ。
両親は、不思議に、この男には丁寧態度をとっていた。

養父は、私を目ざとく見付け、男に言った。

「ゲイターさん、この子がそうです」
「ああ、この子が沙織か、立派に育ったじやないか」
「そうでしょう。アイスの攻撃を受け生き残った子供、ニューオーハンで成長できたの子供は、わずかだって聞いていまさあ。この沙織は特別元気でさあ。使い物になると思いますよ」

「母さん、このおじさんは」
「政府機関の方だ。いいかい、よくおききき。ね、沙織、今日から、お前は、この人にもらわれていくんだ」
「沙織クン。連邦軍用語でいうと、君は連邦政府組織「ローズバット(ばらのつぼみ)」管理下に入るのだ」
ゲイターが付け加えた。

つまりは、買われていくのだ。

「いやよ、急に何を言いだすの」
「おやおや、お前たちは、この沙織クンには、彼女が政府組織「ローズバット」の所属物であることを知らせていなかったのか」
ゲイターと呼ばれた男は言った。

「そうでさあ、へんな事を知られて逃げられると困ると、思いましてねね」
養父は、それこそ、揉み手をせんばかりに、ゲイターに卑屈に言った。

その時、別の「地獄のかま」が、開かれたのだと、私は思った。

●シーン6

「沙織クン、悲しむことはないぞ。
いわば、君はね。選ばれし人類のエリートなのだから」
ブルーの目をもつゲイターが、ゆっくりと深いこころに響くような声でいった。


組織「ローズバット」所属の車の中だった。ゲイターが、私にしやペリかけていた。
ワゴン車には、他にも女の子たちがのせられていた。
「エリートですって。そのエリートの私になにをさせようとするるの」
「地球連邦政府に対する非協力者の排除、、の役目を君たちが行う」
「排除、つまり、エリートが殺しをするの」

「そうだね、そういうことだ。今、政府は、猫の手でも借りたい。
対アイス戦争で人材が払底している。君たち、ニューオーハンで、ある種の能力に優れたものが集められている。それも女の子ばかりだ。

男の子は戦士として対アイス戦の前面に立ってもらうからね。これは地球連邦政府が選びきめた政策なのだよ。その計画を実行監視するのが、私、ゲイターの役目なのだよ」

私は決意した。ここから逃げよう.

この世の中には、恐らく、まだ、ましな世界がどこかに残っているに違いない。
車が止まり、私は、しばらくの休息の間、ゲイターの隙を見計らい、ワゴンから逃れた。

対アイス戦場である、アイズフイールドのこのあたりは、私の遊び場も同然だった。

しかし、すぐに、ゲイターは私を見付けた.
「遊びはいいかげんにしたまえ。沙織クン、私達、人類にはあまり「時間資源」が残されていないのだ」
怖い青い目で、ゲイターがつぶやいた

「ついでに教えておこう.沙織クン。君の頭の中の悪魔には、コードナンバーが打たれている。我々は、そのコードナンバーを捕捉察知できる、つまり君がどこにいるのるか、すぐわかるのだよ」

私の頭の中の悪魔とは、「アイス」が私たちの頭に打ち込んだ小さな「生体機械」なのだ。
アイズに教われた人類には、かならず埋め込まれている。
すこしの間、ゲイターはだまり、そして悲しげでシヅカナ声でつぶやいた。

「沙織クン、いいかね。人類の誰もが、自分の運命からは逃れようがないさ。
それは、この私ゲイターも同じじなのだよ。沙織クン」

ゲイターは私を捕まえ、私の両眼をしばらくのぞきこんでいた。
やがて、ゲイターはワゴンのコックピットヘ戻った。
私は、ワゴンの中で泣きわめいた。

私の隣に座っていた、ハシバミ色の髪をした女の子が話しかけてきた。

「いいかげんにしなよな。あんたが泣くとさ、みんなが不安がるだろう。だから、泣くのはおやめよ。あたしだって、みんなだってつらいさ」

その子は、やさしく、ワゴンの間中わたしの肩を抱き締めてくれた。
泣きながら、私はこの子とは友達になれそう気がした
「あなたの、名前は」
「花咲(はなさき)だけど、チェリーでいいさ」
「私は」
「知っているさ。沙織だろう。ゲイターがいっていた」

 ローズバットは、また別の意味で、練獄だった。

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所20090701改定
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」