yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

クリス/リックマンという名の箱船第8 回 ●賞金稼ぎの攻撃を、少女イーダの手助けで退けるが、食料トラックや都市管理センターへの連絡が不可能となった私は、メルダ市へと向かう。  

クリス・リックマンという名の箱船●全宇宙の観察者、超生命体達は、対象である下等生物のいつ意識を全開させてみる実験をした。地球人類の生き残り1人は最適解をだすだろう。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n8299gr/8/

クリス/リックマンという名の箱船第8 回 ●賞金稼ぎの攻撃を、少女イーダの手助けで退けるが、食料トラックや都市管理センターへの連絡が不可能となった私は、メルダ市へと向かう。
 

クリス/リックマンという名の箱船第8回

(1976年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

私は男の体に近づいた。側に立った時、急激に男は飛び上がり、銃を私の頭に当てた。

男はアンドロイドだった。

 

「くそっ、仲間と、装甲車をよくも吹き飛ばしてくれたな」

 

男は私の頭に銃身を突きつけたまま、左手で背中のウィポン・パックから小型手榴弾を2個とりだし、食糧トラックの砲塔へ投げつけた。

 

 食糧トラックの二連プロトン砲は二門とも死んだ。

 

 「よし、お前の、食糧トラックに乗せてもらおう。それがら、センターの場所を教えても

らおうか」ともかくもこの男は人間ではないのだ。アンドロイドだった。

 

 「都市管理センターの場所を知ってどうするつもりだ」

 

 「知れた事よ。都市連合に場所を知らせるのだ。センターを攻撃する。『都市連合』はセ

ンターの支配にあきあきしているんだ。

 

我々が農業地帯を占領する。各々の都暦が自由な活動をしたがっているんだ。

それにあんたを殺せば、シティディザスターがいなくなるわけだからな。

死ぬ前にセンターの場所を言ってもらおうか」

 

男はトリッガーを引きしぼりつつあった。

「言いたくなければそれでもいい。あの食糧トラックのマイクロコンピュータからセ

ンターの場所を読みとる事も可能だからな」

 

「やめろ」私は叫んでいた。

 

「やめるんだ。私が死ねば、自動的にあの運搬トラックは自爆する。。そうすれば、センターの手掛りはまったくなくなるぞ」

 

 運転席の方ヘイーダがやってくるのが見えた。どうやらイーダの細菌の減菌処置が終ったようだ。

 バウンティ=ハンターは、トラック運転席の彼女に気づいた。

 

「あの女は誰だ。車の中の女だよ」

『知らん』

「知らんわけはないだろう。あの女をいためつけるか。よし、あの女をここへ呼べ。呼ば

なければ、運転席部分を手榴弾で破壊するぜ」

 

「そうすれば、コンピューターが傷つくぞ」

 

「かまわん。早くするんだ」

しかたがない。チャンスを待つか。イーダがチャンスを作ってくれるかもしれない。そ

れとも私自身の奥の手を使うべきか。

 

「イーダ、出て来てくれ」

私は手で合図した。

イーダが運転席のハッチから出て来た。

 

「ようし、こっちへゆっくり来るんだ」

 イーダはこちらへゆっくりと歩いてくる。

 

『やめろ、イーダ、やめろ』私には、イーダの次の行動が見えた・

 

私はテレパシーで叫んでいた。イーダは小型レーザー=ガンをオリェソト風のコスチュ

ームの下に隠している。

 

が小型レーザー=ガンはこのアンドロイドには針がささった程にも感じないはずだ。

 

遅かった。

イーダはすばやくレーザーを取り出し、男を射った。それに気づいた男は、

手指弾をイーダヘ投げつけようとした。

 

光があたりを包んだ。

瞬間、男の体は消滅した。さらに男が投げた手榴弾はイーダの目の前で消えている。

 

私はイーダの側に走り寄った。

「大丈夫か、イーダ」

「ええ、でも、あのアンドロイドはなぜ消えたの」

 

「メーザーガンだよ」

 「メーザーガン?、でも運搬トラックの砲塔はさっきやられたでしよう。他にはなかったはずだし、あなたも持っていなかったわ」

 

 「メーザー・ガンを宇宙衛星に載せて、この星上空を廻らせているのさ。私の杖が私のテレ

パシーを増幅させて、衛星に発射指令を出したのだ。衛星を頭上に呼び寄せるのに少し時

間がかかったのさ。しかし、一つ賦に落ちない事がある。あの手榴弾がどこへ消滅した

のか。君がやったのか。イーダ」

 

 「いいえ、私ではないわ。私にはそんな力はないもの」

 

 私は杖を探した。

 

先刻。ロボットの体を突き破った杖だ。そして、今、衛星への私のテレパシーを

増幅して宇宙衛星に送った杖だった。私の奥の手だ。

 

ない。どこにもなかった。

 

危機は去ったようだったが、トラックはかなりいためつけられていた。

とても、長距離を働かせそうにない。

 

センターとの連絡用に使っていたテレパシー噌幅器の入った杖もなくなっている。

 

トラックの運転席もかなりいかれていて、おまけに無線も死んでいる。センターからヘリコプターを呼び寄せる手段もない。

 

「さて、どうしたものか」

 私は助かったけれど、砂漠に裸同然にはおりだされたも同様だ。

 

おまけにこんな時、再び賞金かせぎにでも襲われたら大変だ。

 

イーダが口を添えた。

「私の都市メルダ市なら、ここからそんなに遠くないわ」

 

私は決意した。し「しかたがない。メルダ暦へ連れていってもらおう」

 

しかし、不思昌な事に、私の記憶にはメルダ市という都市の記憶はない。

 

私はこの地球上に現存する市の名前は記憶している。しかし、メルダ市の名前は私の頭のリストには含まれていない。

 

つまり、この都市名リセンターから食禄を受け取ってはいないのだ。

彼女イーダはそれを知っているのか。

 

が、ともかく、私は私自身が生き残るたメルダ市に向かう事にした。

 

クリス/リックマンという名の箱船第10回

(1976年)「もり」発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/