yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

消滅の光景 第4回セクター星情報省の長官は情報員チヒロに、司政官グルドの行方を追えと命令する。研究所の中で瞑想するラミーは天啓をうけ旅立ちを決意する。

 


SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第4回セクター星情報省の長官は情報員チヒロに、司政官グルドの行方を追えと命令する。研究所の中で瞑想するラミーは天啓をうけ旅立ちを決意する。

消滅の光景 第4回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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「わからん」セクター星連邦情報省のおやじこと、長官キドの長官は続ける

「司政官グルドは優秀な男だ」

優秀である事を必聾とし、それはセクター星の特権階級と結びついていた。



 自殺は許されていなかった。自殺した者はサイボーグ手術を施さ

司政官とはセクター星連邦内の故障や治安を観察し、報告するお忍びの連邦

職員である。それも超A級の上級職だ。



「地球にはセクター星連邦軍の前硝基地があるが、兵員が少数だ。役に立つま

い。彼らは不思議な現象を報告してきている」



「何ですか」チヒロはたずねる。

「消滅現象だ。詳しい事はこのレポートを読め」

チヒロに渡す。

「わかりました」

「それにもう一つ、この男と一緒に地球へ行ってくれ」

 キド長官は立体写真をチヒロに渡す。  

「この男はカド博士、一流の霊科学者だ」





 チヒロはカド博士を迎えに行くため、エア・カーに再び乗った。

情報省の最上層のパーキングからはセクター星の地平線が見えている。



 セクター星は宇宙をおさめる大帝国の中心地であった。しかし

拡張の時代も終り、爛熟期にはいったセクター連邦は滅びを予感さ

せている。



セクター人は科学の発達により、不死の体となっていな。病気ほ

存在しない。



逆に死ぬために大量の金を必要と七た。特権階級は死ぬことを許され

ていた。



そしてまた特権階級は他の人々に死を施すことを許されていた。



 宇宙パイロットである事も死を求める手段であった。まだ宇宙

総ては彼らの手に帰してはいない。災害がパイロットの前,鰐立ちふ

さがり、死の房を開いていた。



 そんなセクター人にミレミアム信仰が蔓延したのも無理からぬ事だ

った。



 ミレミアム信仰はセクター連邦が、宇宙の創造者の怒りにふれ、今

年の内に消滅するという思想なのだ。



人々は仕事を止め、ミレミアム信仰の聖地を求めて、宇宙を放浪し始めた。



 聖地はどこの星にあるのか知らされていなかったのだが、その聖

地を中心に滅ぴは始まるといわれていた。



 死は、消滅は、何よりもセクター人にとって至福の時なのであっ

た。





■研究所の実験室の中でラミーは長い黙想の中にあった。



何時間統いているのだろう。うす暗い部屋の中に何十人もの人間が、黙想に耽っていた。



 部屋は小さなジムほどもある。ソフトな間接照明が彼らを

照らし出している。部屋は白い壁でかこまれ何の備品もなかった。



 ラミーの心の中は無であった。



遠くから声が聞こえてくる。また始まったわとラミーは思う

。近頃黙想中に声が響いてくるのだ。



原因は不明だ。それは有無をいわせぬ力強さでラミーの心に語りか

けてくるのだ。ラミーの超能力を持ってしても打ち払うことができ

なかった。





『ラミー、出発の時が近づいている。男に会う、のだ。その男はお前

の助けを必要としている』 



 ラミーは黙想を止め、目を開き、出掛ける決心をした。



消滅の光景 第4回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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消滅の光景 第3回セクター司政官グルドが、光る塔の中で消えた。本星セクターの連邦情報省のおやじこと、長官キドはカジノで豪遊していたエージェントの千尋を呼び出す。

 

SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第3回セクター司政官グルドが、光る塔の中で消えた。本星セクターの連邦情報省のおやじこと、長官キドはカジノで豪遊していたエージェントの千尋を呼び出す。

消滅の光景第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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司政官グルドにセクター宇宙連邦軍、ビット大佐が告げた。

この塔の危険を理解してもらためだ。



「塔の側にガーディアンと呼ばれる旧式のロボットがいます。別に

人略書を吽えるものではありまぜん。ただおの塔のまわりをゆブっく

りと歩き廻っているだけです。ただ気をつけて下さい。



あの塔はこの星の聖地心しいのです。



塔に近づこうとした鼎はあのロごボ″トが容赦なく殺すのです。消滅現象はおこりません。

 あのロボットは塔を守るガーディアン(守護者)なのです」





 ロボットが目の前にいた。大きな手がグルドの体を掴み上げ、塔

から遠ざけようとした。が一瞬、ロボットはビクッと動きを止め、

グルドを観察しているようだった。



巨大な無機質な眼がグルドを見つめていた。



やがてガーディアンはゆっくりと、大切なものを扱う

ようにグルドを地上へ降した。



再びグルドは見えない力に操られ塔へと近づく。

ガーディアンはグルドを見守っているようだ。



 ジルパーの塔の外皮が眼前だ。突然、塔の基部に穴が出現した。



たじろぐ事なくグルドは中へはいる。ふと母の胎内へ戻ったような

安堵感がグルドを襲う。



通路があった。さらに中へとグルドは歩む。



小さな部屋があった。ベッドが真中に据えられている。グルドは横

たわる。



マジックハンドがのびてきて、グルドをしっかり掴まえた。



天井から球体が降りてきた。瞬間、閃光が走り、グルドの体は光線

につらぬかれていた。その時、グルドは至上の喜びを得ていた。彼

の体はプラズマ状になっていた。





 ■チヒロが「オヤジ″」から呼びだされた時、彼はカジノの中にいた。



カジノでツキにツイている時だった。チヒロはしぶしぶ、金貨をチエ″カ

ーこ預ナた。



「また後で来るからな、預かっておいてくれ、マド」

 顔見知りのチエ″カーに頼む。



 「今日もまた中座ですか。ツキが逃げますよ」

 「ツキが逃げるって、ツキの方が俺の後からついてくるさ」



 チヒロは給料のほとんどをカジノに注ぎ込んでいる。フリータイ

ムはこのカジノにいる事が多い。



 カジノから連邦情報省までエア・カーでぶっ飛ばした。途中のロ

ードでいつも通りの車との戦闘行為にふける。



 「今日はこのくらいにするか」



 チヒロは独りごちた。情報省の建物が見え始めた。

 IDカードを示し、情報省内へとはいって行く。チヒロはセクタ

ー宇宙連邦情報省のエージエントであった。



  ″オヤジ″、つまり情報省長官キドはいい顔はしていない」

 「チヒロ、遅かったな」



 「いや、いつもより、コンマ4秒は早いはずですよ。いつも通り3

台の車とコンバットしてきましたからね」



 「今日は3台か、お前にしては少ないな」



 ミカロ星戦役でなくした片眼の方、ロボット=アイが冷たくチヒ

ロの表情をながめている。



 「本題にはいろう。司政官が一人行途不明になった。

 「どこの星でですか」



 「地球でだ」

 「あの辺境の地球ですか」



 「おまけにミレミアム信徒が多数、その星地球に集まっているらしい」

 「何か関連が」



消滅の光景 第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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消滅の光景第2回、セクター星群内で浸透するミレニアム信徒を調べるために司政官ビット大佐は、町中の宿屋にとまるが、塔に引き寄せられていた。

 


SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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「この星で何かがおこっているな」グルドは独りごちた。



セクター星軍駐屯本部宿舎に入ったグルドは、ピット大佐の個室を、夕刻、ノ

ックしていた。



「すまんが、ピット大佐、町中の宿屋を紹介してくれんか」

「ええっ、視政官、それは危険です」



「人々の中に入らなければ、視政官としての任務はできん。ミレニアム信徒

ム信徒の様子を調べたいのだ」



「そうですか。そうおっしやるなら:」



 ビットは少し考えていた。

「タルジマロ通りのキムの宿屋がいいでしょう。まだ安全でしょう」



「わかった。地図を書いてくれるかね」



「案内します、視政官」 



「ばかを言いたまえ。君が付いて来れば、ぶち譲してはないか」



 ミ肌アム信徒で混雑するタルジマロ通りを歩いてようやく、グル

ドはキムの宿屋を見つけた。



セクター星では博物館入りの建物だ。



 これ以上、肉のつきようがない肉のかたまりの様な男がカウンタ

ーの中にいる。



この男がキムの様だ。歩く度に重さで床がギジギシと鳴った。

不機嫌そうな顔だ。



 「お客さん、残念ながら、ミレニアム信徒ならおことわりだよ」



 グルドはキムの鼻先に銀河クレジットを押しつけていた。

 「私はミレニアム信徒ではない。泊めてもらおう」



 キムの表情がくずれだ。



「お客さんがミ‥リアム教徒だなんて誰がいいました。どうぞどうぞ。

この星で最高のお部屋にお泊めいたしましょう」



キムの口はとどまる所を知らない。



「宇宙商人の方ですか。こんな星に貿易にこられたのですか。残念

ながら、この星には何にもないですよ。そりタ、大昔には、この星

は繁栄していたらしいですが。私達はセクターから入植した人間の

子孫なんですが。祖先がもぅとましな星に入植してくれていたらと

いつも思ってますよ。



 そりタそうと、「塔」を御覧になりなさったかな.あの塔くらいしか、

この星には見所がないですよ。ほら、この寫からも見えますよ」



 塔は、夜空の中に銀色に輝いていた。針のように天空に向けそ

そり立っている。突起物はなく、均質の物質で構築されていた。



 「まあ、明日の朝早く、行かれることですね。じゃ、お休みなさい

ませ」



部屋に入った瞬間。心が浮き立つ。

 グルドの心は見えない力に引き寄せられていた。抗いようもなかった。

意識の一部では自分の意識があの塔に向かって突き進んでいるのがわかっ

ていた。



何のために私の意識は塔に向かっているのだ。グルドは自問した。



答は返ってこない。体が自分の物ではないような感じだ。



 町並が消え、塔が目の前に接近してくる。



 ただ塔のみが存在し、向こうの方に地平線が見える。あとはただ

赤茶けた荒地だけだ。



 塔は宇宙から飛来し、この大地に突きささっているようにも延え

る。                               

 旧式のロボット、ガーディアンがゆっくりと近づいてくるのがグルドの視野にはい





連邦軍のビット大佐の言った言葉が耳に残っている。



消滅の光景 第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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消滅の光景第1回■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らミレミアム信徒の流入だ った。死が至福の時をあたえるというのだ。 2022年03月29日 | 消滅の光景

 


イメージイラストは、鈴木純子作品をお借りしました。
http://www.yamada-kikaku.com/suzuki-junko.html

SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景第1回■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らミレミアム信徒の流入だ った。死が至福の時をあたえるというのだ。

■ビット大佐は落胆した。
これがセクタが派遣した情報省の調査隊だと                                     . 「失礼ですが、チヒロ中尉、IDカードを示していただけますか」
 ヂヒロは笛辱に耐えかねたようにIDカードをビット大佐に投げた。

消滅の光景 第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だった。

まったく奴らはひきも切らさず、この星へやってくるのだ。

一体、何のためにこんな辺境の星へやってくるのだ。



 奴らの信仰が、彼らを狂わせているに違いない。狂気が奴らをこ

の星へ引き寄せているのだ。



 ミレミアムミリアム信仰。



世界が、この宇宙がもうすぐ滅ぶという信仰が、

総てが消え去る時に、聖地にいたいという願望。それがこの星の人

口を急激に増加させていた。



もう星の収容能力をオーバーしている。

正規ルート以外に密航してくる奴らを連邦軍は追い払らわなくては

ならない。



 モれがビット大佐遠の役目であった。周辺航路を周遊し、見張り

つづけなければならない。



 最近、富に密航船が増え続けている。



 しかたなく、ビット大佐たちは船を破壊しなければならないこともある。



 しかし、彼らを殺すこと。それはミレミアム信徒の奴らに至撮を与

える事になるのだ。



 殺しても、奴らはやってくるのだ。連邦軍本部、セクター星に応援を何度も頼んだのだが、

援軍が送られてくる様子はなかった。



 考えにふけっているビット大佐をレーダ手ハーラン伍長の声が現実に

戻した。



「飛行物体を発見しました。右17度の方向です。大きさはクルーザ

ー級。連邦軍の船ではないようです」



「また、来たのか。警告だ」



 グルドがなぜ、その星に降りようという気になったのか自分でも

ぼっきりわからなかった。



すぼらしい星だった。はるか昔は繁栄

を誇ったのだろうか。グルドの船は降下を続けていた。モニターに

は大都市の姿は映ってこない。地面の上でキラリと光るものがある。



 急に通信機が声をあげた。



「こちらは、連邦軍だ。何者か」

「グルド=グアン、アルド星の宇宙商人です」

「宇宙商人だと.この星は輸出物資もなければ、商品を買うだけの

金持ちも存在しない」



 「ほんの気ばらしのつもりで着陸を」



「気ばらしだと、お前、ミレミアム信徒ではないのか」

 「いえ、そんな者ではありません」



 「そうか。この星はすでに収容能力を超えていが。残念だが、退去

してほしい。警告を受けいれない場合は、残念だが、君の船を攻撃

する」



 グルドはミレミアム信徒という言葉が気になっていた。

「どうしても着陸したいのだ」



 グルドは語勢強く言い、ある暗号コードを連邦軍の船に対して送

り出していた。 



 連邦軍の船はそれを受け取り、混乱したようだった。しばらくの

沈黙の後、やがて、ビット大佐の声がグルドに届いた。



 「失礼いたしました。空港は一つだけです。誘導波を送りますから、

それに従って下さい」暗号コードの効果だ。



 空港は色々な星から辿り着いたと見える種々の形状を持つ老朽船

で一杯だった。



 町並の方だろうか、星にはふさわしくない銀色に輝く巨大な塔が

望見できた。



 「一体、この船の群は」



 「ミレミアム信徒の船なのです。この星で消滅の時を迎えようとやっ

てきた奴らの船です」 



「詳しい事は連邦軍駐屯地で聞こう」



「失礼ですが、IDカードを示していただけますか」



 グルドはIDカードをビッド大佐の前にさし示した。



 「わかりました。視政官、どうぞこのエア・カーにお乘り下さい」



グルド、セクター宇宙連邦軍視政官はうなづいた。



 空港から町へ出た。.大きな建物はない。た,だ無気味μ動めく人の

群があった。道路に人があふれ、建物に群れている。ただ祈りをくりかえしている。



小さな子供が道路の真中で祈っている。

ラクジョンを鳴らしても動こうとしない。ブレーキをかける。し

かしそれより先に、



子供は逆にエア・カーにぶつかってきた。ヽにぶい音がした。



 グルドはうなる。

「自殺か、あんな子供が」



 「それより、あの子供がどうなったか、窓から見て下さい」



 道路には子供の死体がない。光り輝く灰が残っている。

 今の光景を見ていた人々は、歓声をあげてエア・カーの方へ押し

寄せてくる。



 祈りを唱えながら、灰をすくいあげようとする。エア・カーの廻

りに人垣ができていた。



「どういうことなのだ」



「消滅現象です。ここではよくおこる出来事なのです」



 群集はあとから後から押し寄せてくる。人々は宗教恍惚状態で

ある。



「エア・カーの出力をあげ、説出しろ

グルドは叫んが。エアで灰は飛び散る。人々は少しでも灰を拾おうと狂乱した。



「いつこうなのか」



 グルドは今、見た光景を信じられないという面持ちがった。



 ビット大佐は静かな声で言った。



「そうです。毎日、おこっているのです。原因はまっtくわかりま

せん」



消滅の光景 第1回

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源義経黄金伝説■第72回■最終回★源義経の存在が日本の統一を可能とした。 源頼朝は日本全国に守護地頭を置く。律法の世、貴族の世である日本を、革命においこんだ。

 

2022年03月25日 | 源義経黄金伝説(2022年版)

YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと
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源義経黄金伝説■第72回■最終回★源義経の存在が日本の統一を可能とした。 源頼朝は日本全国に守護地頭を置く。律法の世、貴族の世である日本を、革命においこんだ。

源義経黄金伝説■第72回■最終回★

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■ 終章



 正治元年(一一九九)、源頼朝、落馬がもとで死亡と、鎌倉幕府正史

吾妻鏡」には記されている。



 印地打ちの石には、鉱山で使われる丹毒が、塗られていて、ゆっくりとした

死を頼朝に与えたらしい。

 源頼朝の死は平家滅亡より、十四年後である。



源義経の存在が、日本の統一を可能にした。

源頼朝は、源義経のおかげで、追捕師として、日本全国に守護地頭を置くことを可能と

した。これが律法の世、貴族の世である日本を、革命においこんだ。



黄金大仏の再建は、平安黄金国家の終わりを意味し、新しい征夷大将軍が続いて

いく。



西行法師は文覚に、黄金のありかをつげ、

さでに先に運び込んだ黄金を頼朝の名前で、勧進を行った。その代わりに

源義経をこれ以上追いかける事を約束させたといわれている。



 西行の残りの黄金は、結縁衆、山伏たちによって、蝦夷・恵庭岳の山林中に隠

されてるという伝説が存在する。

宝物を埋めた目印として、笹竜胆の家紋が浮き出る、義経石が配されている。

笹竜胆は、西行えにしの藤原北家の家紋である。



 当時、満州、東蒙古、華北地方を領有していた、女真族の国は金である。

 源義行も、母静ともともに吉次の手づるにより、金に渡っていると伝えられた。

 源義経は、その子、源義行とともに、金朝に仕え、功績は抜群で、父子相次いで

範車大将軍に任じられたと「金史別伝」にある。



文覚は生き残り、鎌倉幕府により再び佐渡に配流された。1199年3月の事

である。



夢見、こと明恵は文覚の跡目となり、京都神護寺の事跡をつぐ。この後、承久の変の後

北条泰時が、明恵に深く帰依し、「御成敗式目」という法律をつくる。



この中に明恵のあるがごとくの思想は反映され、民間の知恵あるがままを、条例化する

手助けをした。式目は明治時代まで日本人のこころのよりどころとなる。

40年間書き綴られた明恵の「夢記」が今に残る。



東大寺勧進職は、栄西に受け継がれる。法然は鎌倉仏教を立ち上げていく。

鬼一法眼は伝説の人物となった。



西行の佐藤家荘園、紀州田仲庄は後、源頼朝預所となり、高野山との土地争いは解決された。



藤原定家編纂の歌集「新古今和歌集」には西行の歌が94首が治められ、

入選歌集筆頭である。



歌の聖人、西行上人の名は日本の歴史に深く刻まれている。





以下 連載 第1回に戻る。

明治元年(1868年) 白峯神社(京都)



京都市上京区今出川通り飛鳥井に京都市上京区白峯神宮はある。

祭神は崇徳上皇すとくじょうこう。日本の大魔王といわれている。



幼き帝の手を外祖父、中山忠能がかしづき、新しく出来た神社に詣でている。

「さあ。御君おんきみ、ご先祖帝さまにお願い申し上げてくだされ。



これからの、御帝さまを中心とされる新しき政府に、崇徳様の怨霊がたたらぬ

よ うに、あたらしき政治をお守りくだるようにお願いつかまつれ。



代々、外祖父、中山忠能が家、藤原本家に伝わりし、西行法師さいぎょうほうし殿との

約束をお伝え下さいませ」



この日、1日驟雨である。中山忠能卿のさし出される傘の中。

御歳15歳の新帝は、手を合わせ、御願いを、なされた。







崇徳上皇殿下、お許しくだされ。我が王朝が武士から世辞を取り戻すに700年

かかってしまいました。



今にいたり、源頼朝大江広元の子孫たる二家、薩摩島津。長州毛利両家をもって、武士どもの町、江戸と政庁江戸幕府を倒し、武士どもを根こそぎ退治いたします。この長き屈折したりし日々をお許しくだされ。



そして、陰都かげみやこでございます。平泉王国は、いにしえに滅びました、それゆえ、

代わ りに江戸を陰都といたします。平将門を祭る神田明神を持って、陰都の

守神といた します。



が、本来は、崇徳上皇様が祭神でございます。どうぞ、我が王朝が、江戸城をもっ て新しき王朝の皇居といたす事をおゆるしくださいまし」



御年十六歳の帝は、深く頭をさげた。白峰稜前にある白峰寺木像(白峰大権現)が 讃岐(さぬきー香川県)から運ばれて来ていた。先帝孝明帝が望み、できなかった事をなしとがている 。



「今、奥州東北の国々が、列藩同盟とか申し、昔の蝦夷どものように反乱を

起こそうとしております。我が王朝の若い貴族を持って先頭に立ち、荒恵比寿

どもをたいらげます」



幼き帝は、再び深々と、頭を垂れた。

崇徳上皇は、保元の乱ほうげんのらんの首謀者の一人である、後白河に

敗れ、讃岐に流され、そのちでなくなり、白峰山しらみねさんに葬られた。



讃岐は京都の南西の方角、つまり裏鬼門うらきもんであり、平泉は、京都から見て鬼門

にあたる丑寅の方角である。



突然、空から、驟雨の中雷光が、崇徳上皇の独白が落ちてきて響き渡る。



西行法師よ、長くかかったのう。いつまで朕をまたせたことやら。

がしかし、その陰都もいつまでも、安穏とするかや。





所詮は、東の幕府、所詮は、荒夷どもが都ぞ。

朕が情念は、いつしかその都に吹くだすやもしれぬぞ。

見ておれ」



その時 雷光が風景すべてを白濁させ、消えた。

残光が響き渡る。



「不吉なり。。」

思わず誰かがつぶやく。



数人の供人が、島津家が源頼朝の子孫であると称し、毛利家が、鎌倉幕府大江広元の子孫で

あることを想起した。あたらしい鎌倉幕府か?



この日、元号が明治と改元された。





(完結)20210430版改稿原稿

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源義経黄金伝説■第71回京都神護寺にて 西行の宿敵、文覚は巨木に向かう。 「天下落居(てんからっきょ)」の時。師匠の彫像を、弟子の夢見、今は「明恵(みょうえ)」は微笑んで眺めている。

 

2022年03月23日 | 源義経黄金伝説(2022年版)

YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと

源義経黄金伝説■第71回京都神護寺にて 西行の宿敵、文覚は巨木に向かう。 「天下落居(てんからっきょ)」の時。師匠の彫像を、弟子の夢見、今は「明恵(みょうえ)」は微笑んで眺めている。

源義経黄金伝説■第71回

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■1199年(建久10年)京都・藤原兼実邸



関白、藤原兼実は考えていた。



我々の家の先祖が、古き名前では中臣の家が、百済から、この国に流れてき

て、他の豪族や百済新羅の貴族とも戦い、この国で一をしめ、仏教とこの国

の宗教とも戦い、我々、藤原の貴族がこの国の根幹を押さえてきた。



藤原の都を作り、壬申の乱を生き残り。この国を寄生樹のように支配してきたのだ。



ここは、我々、藤原氏の国だ。



おそらく、この世界のどこよりも我々の支配体制が優れていよう。



天皇家ですらその意味合いがわかるまい。それなのに、後から来て板東に移住しいてきた者どもが、武闘を繰り返し、地位を締めはじめ。天皇家の血を入れた人物を立ててしまった。



藤原の氏の長としては、何らかの生き延びる方策をこうじねばならない。「鎌倉」へは何かかの方策を討たねばなるまい。

源頼朝が、鎌倉源氏が麻呂を裏切ろうと。京都の底知れぬ企みの怖さをしれぬ武者ともを、手に入れよう。



法然殿、重源殿、栄西殿とも話あわねばなるまい。

むろん、麻呂の弟、慈円じえんも。



そうだ。慈円なら我々藤原の名跡をたたえ、我々の役割を言葉として残してく

れよう。この京都の比叡山から、次々と宗教という矢を打ち込み、鎌倉武士ともの心をうちつらぬこうぞ。



いままでの後白河法皇という重石が、麻呂の頭からさっても、、



いや、なつかしい思いがつのる。生きておわした間はにくらしげで

あったが、今は、後白河法皇様がうたれた、打ち手の見事さが、麻呂の身にしみる。



さいわい、西行が打ち立ててくれた「しきしま道」が日本全土を多い、我々の

守りとなろう。和歌により言霊による日本全土の守り。その和歌の言葉が悪霊

から我々を守りってくだるだろう。



和歌により神と仏を日本各地でたたえる。



それも歌枕によりわれわれ貴族や僧侶が、恐るべきは崇徳上皇様のたたりのみ。

西行ですら失敗してしまった。



永く後生我々のおそれとなろう。



兼実は、藤原氏の氏の長者うじのちょうじゃとして、あらゆる手をつかい、鎌倉幕府への攻撃かための決意をした。



■4 1199年(建久10年)京都



京都。神護寺の境内。



鎌倉から生き延びて京都に帰っている僧がいる。

文覚が涙を流しながら、二mはある巨木の切れ端に向かっている。

その力技は普通ではない。刃の聖そのものである。その姿勢が、

「天下落居てんからっきょ」の今となっては時代遅れの観をいなめまい。



額に汗し、顔を赤らめ、ひたすら巨木に打ち込み刃を振るう文覚は、人間では

ないような感じさえ思わせるのだ。赤銅色のその力強い腕からは、ある人物の

姿がだんだんとこの木片から浮かびびあがったくる。



夢見、今は明恵みょうえと呼ばれる弟子が、文覚にたづねる。

「お師匠様、それはもしや、」

「いうまでもない。西行の像だ」

「でも、お師匠様、この世ではお話が通じなかったのではございませんか」

「夢見よ、ワシと西行は同じ乱世を生きた、いわば戦友、同士だ」



鬼の文覚から一筋に涙が、、

「これは汗ぞ。夢見よ。奴の思い出にのう」

「、、、」

「が、夢見よ、負けたのはやはりわしかもしれん」



「それはいかなる故にでございますか」

「わしと西行は、北面の武士ぼ同僚だった」

「たしか、相国平清盛さまも」



「そうだ、が、この後世の日本で、一番名前が残るは、残念ながら、西行かも

しれん」

西行様が、」



「そうだ、ワシが忌み嫌った「しきしま道」をあやつは完成させよった。和

歌によりこの国日本の風土あらゆる者に神と仏があると思わせ崇拝させる道を

あやつは完成させ、その道を伝えるものを数多く残したのだ。



歌の聖人として、西行の名前は、永遠不滅であろう。日本古来の神道と仏教を、和歌と手法を使い一体化させよった。これは、さすがの、重源も気づかなかったことだ」



「でも。お師匠様、よろしいではございませんか。この世が平和になるのでご

ざいますから」

「夢見よ、ふふつ、お主もな、西行の、毒にはまったか」

文覚は苦笑した。



「わしはな、まだまだ西行への甘い考え方には不服だ。奴は亡くなっても策士ぞ」

「といいますと」

西行が、義経という玉ぎょくを、旧い日本である奥州に送り込み、頼朝に日本統一をさせよった。

西行は、後白河法王の命とは故、日本統一と、宗教統一の2つを完成させよったのだ。これは、珠子たまこさまの願いにもかなう。後白河さまは、白拍子 などとつうじ、今までの日本の文化をまとめ、武士にたいする日本文化の根元流派を、藤原氏をはじめとする貴族に残したのだ」



文覚は、夢見にさとすように言った。

「むかしナ。わが王朝は、東大寺の黄金大仏を作り上げた。これは、唐にも天竺にも新羅にもない大事業であり、我が王朝の誇りとなった征夷大将軍坂上田村麻呂が、黄金を生む異郷である、蝦夷を征服した。そして、」



「そして、平安京桓武帝がおつくりなられ、我が王朝の平安なる時を希望されたわけですね」

「武者である平家が、黄金大仏を焼き、新たなる黄金大仏を、黄金国家である我が王朝は再建せざるを得ない。が、黄金は平泉奥州王国が握っておった」



「で、新たなる征夷大将軍の出番というわけですか」

「そうだ、黄金郷であり仏教王国である平泉を、何かの理由で成敗し、新たなる征夷大将軍として、再び黄金大仏を作りあげなけらば、ならぬ」



源頼朝様が、異国奥州平泉を成敗し、黄金を手に入れ、黄金の大仏を、平安国家の象徴としてつくり上げねばならなかった、と」



「そうだ、お主も、ワシも、色々な国々からこの日本へ移住してきた我らが祖先が、1つの国の象徴として存在した黄金大仏を再建し、新たなる時代の幕開けをつげなければならなかったのだ」



「お師匠様、でも、もう日本は仏教国でございます」



「くく、それよそれ。西行は、歌の形で、奥州藤原氏の仏教王国の考え方自体を、日本に広げていきよった、くやしいが、わしは、西行にかなわなんだ」



夢見、明恵は、しかし心のなかで少しほほえんでいる。



でも、お師匠様、でも少しお忘れです。ー紀州熊野を納めしもの、日本をおさ

めんー熊野を治めるどこかの国から来た人間の子孫が、この日本を治めるのですよ。

拙僧は、紀州湯浅氏出身の「夢身」です。



今の法名明恵みょうえは、ほほえんで、師匠の文覚が、目から汗をたらし、往時を思い出しながら、西行法師の彫像を彫琢するのを眺めていた。



(続く)



作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・Manga Agency山田企画事務所

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