yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

新人類戦記第三章聖域第24回 各国政府首脳と情報関係者がテレビ会議を行う。しかしビサゴスではさらなる変化が。

新人類戦記第3章聖域南西アフリカ、紛争地域ビサゴス共和国に入りを抜け、ジョバ河をさかのぼり、悪魔の山アコンカグワを目指す2人の姿があった。アコンカグワ地下古代都市で人類創世の神が復活した。
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新人類戦記第三章聖域第24回 各国政府首脳と情報関係者がテレビ会議を行う。しかしビサゴスではさらなる変化が。
 

新人類戦記 第三章 聖域 第24回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

 

■世界首脳会議 東京帝京ホテル地下 テレビ会議システム。

 

 モニターからざわめきの声がIかたまりになりスピーカーから聞こえてきた。

「ビザゴス政府から全世界へ向けての放送がありました。画像を中央モニターに出力します」

 

 映しだされたのは、ビザゴス政府大統領ラオメの顔だった。

 

「全世界の皆さん、我々の国が約一ヵ月の間熱球に包み込まれていた事は御存じでしょう

か。これは我々ピナゴス共和国が新しい人類として誕生するために必要だった期間なのです。

そして、今、我々ビサゴス人は選ばれて新しい人類として生れ変ったのです。

 

 

 全世界の皆さん、我々の仲間に加わりなさい。そうすれば永遠の安息があなたの心に生

ずるでしょ 今の世界は熟しきつた果実なのです。いずれは腐り、、破壊という地面に落ちなけれぱならない。滅亡の黒い房が口を開け、すぐ目の前にある事にあなた方は気がついていない。

すぐ我々の仲間、新人類に加わりなさい。

 

 そうしなければ我々新人類があなた方を滅ぼすでしょう。まず手始めに、我々はアフリカ全土

を掌中にします。我々には神の兵士がいるのです。そして我々には神の御加護があります。

この神とは、我々人類を生み出した創造主なのです。すべての宗教、宗派を越えて、彼は

神そのものなのです。

 

私は単なる神の下僕であり、メセンジャーボーイにしかすぎません。

我々はもう「神の国」を目の前にしているのです。もし、あなた方が我々にさから

おうとすれば、我々はあなた方をにぎりつぶさざるを得ない。これは我々にとって、聖な

る戦いなのです。聖戦なのです」

 

 放送は消えた。

 

「何をたわけた事を」

ソビエトの アンドロポフは言った。

 

「ジャブロ君、あの画像を見て何か気づいた事ないか」

 

アメリカ大統領が尋ねた。先刻のラオメの顔と昔のラオメの顔が同時に映写された。

 

「むしろ、今の方が自信を持ってしゃべっていたようですね。彼は間違いなく、自分の意

志で今の発言を行なったのでしょう。もし何かにあやつられていたなQば、眼の輝きが違

ったはずです」

 

 アメリカ政府戦略担当官ジャブロは断言する。彼は心理学の博士号もとっているのだ。

「が、少なくとも、奴のバ。クには何かがあるはずだ」

フランスDITの局長が言った。

「ビザゴス解放戦線の連中はどうしたというのだ」

 

「もう一つ、新事実が入電しました。ビサゴスの軍隊が、英領ポートモレスビーを攻撃中との

事です」

 シャブロがモニターを示して言った。

「くそっ、どうですか、こちら側の駒を使いあの国の内部を調べなければなりますまい」

 イギリス首相が述べた。

「というと、南アを使うおつもりなのですかな」

 ソビエトのブレジネフが尋ねた。

 

「アフリ力の黒人国家化をおそれているのはもちろん、南アですからね。一押しすれば、

彼らは何らかの手段をとるでしょう」

 イギリス情報局長が言った。

 

 中央モニタースクリーンに、アメリカの偵察衛星の像が受信された。

 彼らはそのビサゴス協和国の現況画像を見て、一様に戦慄した。

 

 アコンカグワ山自体が消滅していた。

 

新人類戦記 第三章 聖域 第24回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)