yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

東京地下道1949■第12回鉄と竜はアジトに戻るが、MGBに急襲される。からくも生き残った二人は、故買屋進藤の店から武器を調達しようと するが、ここにもMGBの手が及び燃え上がっている。

 

TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
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本文編集

東京地下道1949■第12回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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一人の男が竜のアジトから少し離れた所から見張っていた。

 

竜と鉄が中へはいっていったあと、男は、写真をとりだし、

一人うなずいた。

停めていた車にもどり、車中にしまいこんでいた、タンクと噴霧器をセットし始める。

 

鉄は竜を押し倒し、首をしめていた。

くそ、話せ、鉄、話すんだ。白状しろ」

 

その時、急に熱気が2人を襲う。火災が建物をなめる。

バラックだから火のまわりは早い。

 

「くそっ、火災放射器をつかいやがったな。アメ公か、ロシア野郎か」

「よし、早く、地面に隠れるんだ」

このような状態を想定し、アジトには、秘密裡に、おおきな水がめを地面に埋めてあった。

 

いよいよ建物がくずれおちかけた時、水がめに身をひそめ、上にトタン板をかぶせる。

 

男は、火災放射器から火を噴出しながら、

竜と鉄が逃げだしてくるのをゆっくりと待っていた。

 

飛び出して来た瞬間に、噴出ノズルを、彼らに向けるのだ。

彼らは生しておいてはならぬ。

そうMGB(ソビエト保安省)のエージェントの彼は、命令を受けていた。

 

彼はじっと待つ。

小屋はついに焼けおかちている。

波らは姿をあらわさなかった。

 

彼は、火災放射器ノズルをかまえ、くすぶる焼けあとへ

ゆっくりと近づいていく。

 

足もとから手がのび、彼はひっぱられた。

地面から少年達が急に出現する。

ノズルを向けようとするが、片足を水がけにつっこんでいて身動きが遅れる。

ノズルのスイッチを押したのと、鉄のナイフが、ノズルとタンタ間のパイプを

貫ぬくのとが同時だった。

 

タンクからガソリンが流れ出し、焼けあとの残り火に引火した。

爆発がおこった。

男は肉片となり吹き飛ぶ。

 

「また、助けられたな、鉄。とりあえず休戦だ」

「ここにいてはあぷない。恵を助けるのをいそごう」

 

男の車が、乗りすててあった。

ペンツだ。鉄が運転した。竜が尋ねた。

 

「どこへ行くつもりだ。鉄、ムサシのアジトは反対方向だぞ」

「俺にまがせてかけよ。竜。進藤の店へ行くんだ。」

「なぜだ」

「考えてもみろよ。進藤は俺が殺した。いまは誰もいない。武器だよ。

武器があるはずだ。進藤の店にはな」

火の手があがっていた。

故売屋 進藤の店が燃えている。MGBのしわざに違いない。

 

「車をまわせ、早く」

竜が叫ぶ。

「この車に気づかれたら、おしまいだぞ。」

伸藤の店から少し離れたところで、鉄は車をとめた。

 

「様子をみてくる」

「気をつけろ」

 鉄はすばやく、伸藤の店へ近ずく。

一昨日、ライリーに追われた折、すばやく隠した地図をひきずりだす。

 

じっくり見渡す。進藤の説明通りだ。

 

現在の地図が、車のダッシュボードにはいっていたので見比べる。赤丸をすばやくつけ、その地点の箇条書きを詳しく読む。

そう、ぐずぐずしてはいられない。

 

ペンツにいるあの男の仲間が気がついたら、おしまいだ。車に駆け戻った。

「どうだった」

「だめだ、中にははいれない」

「じゃ、次はムサシのアジトヘいくか」

 

続く090901改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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