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日本人の日序章 第23回最終回 各国の原爆により壊滅した人類は宇宙ステーションに生存している。地球地下の電子頭脳チャクラは活動を始めていた。

日本人の日序章■財閥ラドクリフ企業グループが世界の経済と政治状況における一国の役割を分析。その一人の男は その国が存在しないと仮定し、世界分析を行う。結果は、男の推論どおりである。その国の名は日本。
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日本人の日序章 第23回最終回 各国の原爆により壊滅した人類は宇宙ステーションに生存している。地球地下の電子頭脳チャクラは活動を始めていた。
 

日本人の日序章 第23回最終回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

Http://www.yamada-kikaku.com/

■VE紀元50年 電子頭脳チャクラ

地球壊滅をVE紀元1年とする。

原爆により壊滅した人類は地球を離れ宇宙ステーションに生存している。

壊滅した地球地下で、わずかながら生命の炎が燃えていた。

 地下数十m下、地球連邦が大戦以前に作りあげていた遺伝子バン

クである。

 電子頭脳チャクラは、定期的に、観測穴から気候観察ゾンデをあ

げていた。

 放射能嵐がおさまりかけた時、チャクラはプログラムを作動させ

る。

 マニュピュレーターは精子卵子のカプセルを1つずつ選びだし、

接合させた。

 人工胎盤の中で人の形をとっていく。

 チャクラのマニュピュレーターが選択したのが日本人の遺伝子だ

とは誰が知ろう。

 数力月が経ち、子供が生産された。そして遺伝子バンク内にあっ

たマザー機構によって育てられる。双生児だった。

 観測ゾンデが再び、地上に突出し、成長可能な状態であることを

告げる。

 電子頭脳は二人を、エレベーターに乗せ、外界へ向かわせる。

 ロボットマザー。マギーは育てるべき子供をうしなって数十年た

っている。

 時折、家屋の廃墟で、子供を発見するのだが、死体だったり、口

ボットだったりした。

 彼女は失望をくりかえし、地球上を文字通り、放浪していた。

 マギーを作りあげたロボットアーキテクトは優秀で、自己保全

機能をつけていた。それゆえ、彼女は自分の体が故障をおこしそう

になると、どこかの機械をみつけだし、自分の体に合う様に加工し

ていた。それが、彼女を一人で、数十年の間、機能もストップせず、

動かしていることになるのだ。

 マザーは記憶のある臭いをかいだ。

 「この香りは」

 一瞬、彼女の機能がダメになったのではないかと疑った。香りは、

そうなつかしい子供用のパウダーの臭いだった。

 人間の子供がいる。

 彼女の胸は高なった。

 今までのようなロボットや、奇形動物ではない、本物の人間の子

供。

 彼女の赤外線探査機能は、体温ゾーンをとらえていた。

 あきらかに、人間の子供だった。それも二人も。

 彼女は嬉嬉として二人をだきあげ、二人を育てる安全な環境を探

そうと決意していた。

 観測穴からチャクラはそれを見て、一安心をした。

 直後、チャクラの意識はフェイドアウトした。遺伝子バンクをさ

さえていた地盤が地すべりをおこし、チャクラもろとも遺伝子バン

クを押しつぶしていた。

 マギーは地震を感じると同時に、二人の子供をかきいだき、体を

まるめる。

 やがて、地震がおさまると、マギーは歩き始めた。

■VE紀元98年 地球

宇宙ステーション・白色ステーション連合(旧地球人類白人の連合体)から地球探査隊が着陸した。

過去の記録より、遺伝子バンクを確認しにきたのだ。彼らは、遺伝子バンク

地震で崩壊しているのを発見する。

わずかながら採取できたカプセルをステーションへ持って帰る。

そのカプセルから数人の子供が造形された。

そして新たな物語が始まる。

日本人の日序章 第23回最終回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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