yamada-kikaku’s blog(小説ブログ)

山田企画事務所のペンネーム飛鳥京香の小説ブログです。

石の民「君は星星の船」 第23回 ■石の男ムリムの心底にいた彼女はミニヨンでもアリサでもないと言う。いわば進化したと。光二の指輪で彼女は石の男を消し去る。死せる者の船にこの世界の秘密が在るという。

IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?
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石の民「君は星星の船」 第23回 ■石の男ムリムの心底にいた彼女はミニヨンでもアリサでもないと言う。いわば進化したと。光二の指輪で彼女は石の男を消し去る。死せる者の船にこの世界の秘密が在るという。
 

石の民「君は星星の船」 第23回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

この声は聞いたことがある。少女のころからの。ミニヨンは意識を失っていた。

 祭司アルクと光二の前に、突然、別の分心が現れる。ミニヨンだった。

『ミニヨン』アルクは叫ぶ。

『ミニヨン、なぜ、私の心の牢から脱出できたのだ』石の男ムリムが叫んでいた。

 ミニヨンは光二の分身にかけよると、くすり指にある指輪を引き抜く。

『あっ、何を』光二の叫びにはかまわず、ミニヨンはその指輪を石の男に向ける。

『まさか、お前は  、いかん』

 それが、石の男ムリムの最後の言葉だった。

石の男の姿は指輪からはっする光りの中で消滅していた。

『ミニヨン』

『姉さん』二人は思わず駆け寄る。

『ミニヨン、大丈夫だったか』アルクが叫ぶ。

『姉さん、生きていたのか』続けて光二が叫ぶ。アルクがむっとして、光二にどなる。

『光二、待ちたまえ、ここではっきりさせておこう、この子は私の娘ミニヨンだ。君の姉

さん有沙ではない』

『姉さん、姉さんなんだろう』光二はアルクの言葉を無視してミニヨンにはなしかけてい

た。

『私、私はだれでもない。新しい生命よ』

彼女は言った。以外な答えだった。しばらく、

二人は声もでない。

『どうしたんだ。ミニヨン』アルクは戸惑っている。

『光二、アルク、私はミニヨンでも有沙でもない。進化した存在となった。ある人と石の

民に会うためにね』

『何をいっているのだ。ミニヨン』アルクはゆっくりと話す。

アルク、私は幼いころから、変わった子といわれていたでしょう』

ミニヨンの顔をした彼女はアルクに尋ねた。

 そういえば、祭司アルクは思い出す。

『そのころから、私は進化していたの。

まったく、ミニヨンから異なる別のものへとね。

そして、私は石の男の心底で私は変身を遂げた。

まったく別の生き物としてね。だから 、

ミニヨンの外観はそうでもまったく別のものなの。

さて、光二、私、有沙は変化した。あなたは私がホースから落ちるところを見ていたわね。不思議な落ち方をしたでしょう。有沙として私はある時期から変化していたの。別世界のものが私を呼んでいたの。誰かが私をホースから突き落としたのは事実だわ。

でも、その一瞬先に私の心の中に叫ぶものがあ

ったの。《有沙、そのホースから、飛び下りなさい》とね。

その声は有無をいわさなかった

わ。

私はホースから落ちて、ドーム世界で死に、この石の男の世界で蘇ったの。だから、

私はミニヨンであり、有沙でもあるの』ミニヨンーアリサは長く語った。

『石の民はどこにいるのだ』アルクがたずねる。

『死せる者の船にいるわ』ミニヨンーアリサは答える。

『死せる者の船だと』

『石の男ムリムもそこから、やってきたの。すべては、この世界はその船からはじまったのよ。私は石の男の中で変身した時、それがわかったの』

石の民 第23回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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